5月下旬に日足レベルの持合をブレイクしてから
ちょっとスピード違反的に上値を更新してきたドル円ですが、
先週には、オバマ大統領が

ドル高は問題

と発言(のちに否定)したと報道された事でドルが売られ、
また、黒田日銀総裁も

実質実効レートでここからの円安はありそうにもない

と発言した事で円が買われる展開となりました。

黒田日銀総裁の発言が “失言” なのか、
それとも “確信犯的” なのかは分かりませんが、
どうやら日米共にこれ以上のドル円の上昇は望んでいないようです。

しかし、相場というのは政府の意図したとおりに動くものではありませんので、
過去にはドル円が70円台という異常な円高に苦しめらえたように、
もしかしたら今後は、異常な円安に政府は苦しめられるのかもしれません。

今回は、マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのドル円のシナリオを考えてみます。

ドル円日足チャート
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5月下旬まではスクイーズ状態でしたが、それをブレイクしてからは
エクスパンション状態となり+2σに沿った勢いのある上昇トレンドとなりました。

しかし、現状では+1σを割れており、
日足レベルの一方的な上昇トレンドは終わっています。

このように、ある程度上昇トレンドが続いた後の+1σ割れの場面というのは、
下向きに多少のバイアスがかかった持合相場
になる傾向が強いですね。

なので、この後しばらくは方向感が出ない可能性が高そうですが、
ブレイク前のレジスタンスラインであった赤色ラインより上にレートがあるのなら、
一応、買い目線で見たい局面でしょうか。

もしも、赤色ラインを割るようなら方向感は不明となりますが、
本格的な下降トレンドにはまだ程遠いチャート形状ですね。


ドル円4時間足チャート
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ヒゲの兼ね合いでピッタリではないですが、
オレンジラインのような水平線が見えますね。

このラインは上昇トレンド時はサポートラインとして機能していましたが、
黒田日銀総裁発言で下方向へブレイクした後は、
レジスタンスラインへと切り替わっています。

いわゆる、サポレジ転換したラインですね。

現状は、このラインの下側に位置しているので、
4時間足単体では売り目線で見るべき局面でしょう。

この後は、このオレンジラインを再び上方向へ抜けてきたら、
そして、黄色ラインのような右肩下がりの上値抵抗線も見えるので、
このラインを上方向へブレイクしたら買い目線に変更できます。


ドル円1時間足チャート
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長大陰線は黒田日銀総裁発言時のものですが、
現レートは急落後の半値戻し程度でしょうか。

こちらもヒゲの兼ね合いがあり、あまり正確でないですが、
一応、赤色ラインオレンジラインで挟まれたレンジ的な相場になっています。

赤色ラインサポレジ転換していますし、
オレンジラインレジサポ転換していますね。

現在はこのライン内にあるので様子見ですが、直近の方針としては、
このどちらかのラインの抜けた方向へついていった方が良いでしょう。

大きく見ると下降トレンドなので、1時間足単体だと下方向が有利でしょうか。

デイトレとしての総合判断

日足チャートでは多少買い目線、4時間足チャートでは売り目線、
1時間足チャートでは様子見となっています。

なので、まずは1時間足チャートにおけるレンジを
どちらにブレイクするのかを注目しています。

仮に、下方向へブレイクすれば、デイトレでも売り目線となり、
1時間足チャートの緑色ライン、そして日足チャートの赤色ラインに近づくまでは
ショート主体でシナリオを考えていく事になるでしょう。

では逆に、どのようになったら買い目線になるのかというと、
短期的には1時間足の赤色ラインを超えるようなら買い目線に変更しますが、
できれば黒田日銀総裁発言時のレートである1時間足のアクア色ライン
越えてからの方がより明確でしょう。

一応、デイトレとしては上記のようなシナリオで臨んでいきますが、
個人的な意識の持ち方でいうと、日足チャートの赤色ライン上にレートがあれば、
上昇トレンドは崩れていないと判断しており、
中長期的な相場観としては買い目線で見ています。