「1日1万円を目標にトレードしよう」
「1ヶ月10万円を目標にトレードしよう」

このように金額ベースで目標を立てているトレーダーって多いと思いますが、
個人的には金額を目標にする事はお勧めしません。

なぜかというと、
トレードする時に常に損得勘定が前面に出てきてしまうからです。

今月はまだ目標の半分しか儲かってないから、
 月末まではロット数を上げてトレードしよう

今週は十分儲かったから、金曜日はトレードを止めよう

というような、自分の懐具合を中心にトレードを考えてしまいます。

ロット数を上げて一発逆転!何とか目標に到達した!

そんな起死回生なやり方はトレードには必要ありませんし、
そんな状況に自分を追い込む事も間違っています。

今月は既に目標額をクリアしたから、残りの日はロットを少なめに

あなたがトレードに参加しようがしまいが、トレンドは発生します。
取れる時に取っておかないとトータルの獲得金額は少なくなってしまいます。
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では、
「1日20PIPS獲得を目標にトレードしよう」
「1週間100PIPS獲得を目標にトレードしよう」

というようにPIPSベースで目標を立てれば良いのでしょうか?

こちらの方がお金を気にしていない分、まだマシだと言えますが、
しかし、こうした目標にこだわり、固執してしまうと、
自分のトレードルールを歪曲して解釈してしまうおそれがあります。

このままだと目標PIPSに届かないから、明日はトレード回数を増やそう
最近調子が悪いからエントリーを慎重にしよう

というような思考展開になってしまう危険性があります。

トレード回数を増やすのか減らすのかは、
あなたが決める事ではなく相場が決める事です。

にも関わらず、トレード回数を増やしたいからといって、
本来のトレードルールに一致していない場面でルールを拡大解釈して、
無理矢理エントリーする事に意味があるでしょうか。

また、エントリーを慎重にしたとしても、それで調子が上向くとは限りませんし、
慎重さがトレードルールの逸脱、歪曲として表れてしまう場合もあります。

そして、このような事を日常的に考えてしまうと、
トレードルールというものは、形骸化してしまうでしょう。
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目標を設定し、それをクリアする為に努力する事は
普段の日常生活においては良い事とされていますが、トレードにおいては、

自分の都合を相場に押し付けているだけ

となっている場合もありますので、
そのあたりは常に自分で意識しておかなくてはいけません。

先にも書きましたが、
どのくらい利益が出るのか、どのくらいPIPSを獲得できるのかは
相場が決める事であり、自分が決める事ではありません。

特に、1日や1週間程度といった短期的な目標には意味がないでしょう。

そんな短い期間での獲得PIPSなんて、
相場状況によっていかようにも変わっていきます。

自分がどれだけ大きなトレンドに乗りたいと思ったとしても、
全てはその時の相場状況次第ですからね。

では、目標を立てる事に意味がないのかというと、
決してそういうわけでもないです。

例えば、デイトレというスタイルで1ヶ月間の目標獲得PIPSを掲げるのなら、
それなりに時間的なスパンが長いので、ある程度は意味があるでしょうし、
その目標が達成できた時には自身のモチベーション維持に貢献してくれるでしょう。
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しかし、個人的には “目標” という言葉に違和感を感じてしまいます。

なぜかというと、
デモトレードだとしても、リアルトレードだとしても、
実践トレードへ移行したという事は
その前段階として、過去チャートでの検証の時点で、
その手法に対する優位性、PF、勝率などは、ある程度は把握しているはずです。

つまり、
1ヶ月間その手法を運用した時の獲得PIPSも、ある程度は想定できているはずです。

なので、実践トレードへ移行してからの1ヶ月間の成績というものは、

事前の検証段階での想定獲得PIPSとのブレを確認する作業

という意味合いのほうが近いのではないでしょうか。

目標“という言葉の印象からは、
「どんどん上を目指していこう」
という意識になりがちですが、手法に関しては、事前の検証段階で
おおよそ●●PIPS~▲▲PIPSくらいになるだろうと分かっているので、
その範囲内に収まっているのかを確認する、
という認識でいた方が良いです。

もしもその時、最低ラインの●●PIPSに届かなかった場合は、
その原因を特定しておく必要があります。

逆に、想定していた最高ラインの▲▲PIPS以上取れてしまった場合も、
その原因を特定しておく必要があります。

そして、想定していた範囲内に収まっていたら特に問題はありません。
それ以上を目指す必要はありませんし、目指すべきでもないです。

なぜなら、それがその手法の実力であり、実力通りの結果だからです。

もしもそれ以上の成績を望むのなら、
その手法を改良したり、新たな手法を併用する事で実現させるべきです。

私がお勧めする目標の例としては、
ルール違反のトレードを●●回以下にする
ルール一致にも関わらず見逃してしまったトレードを●●回以下にする

などでしょうか。