約1ヶ月前の日銀金融政策決定会合では、まさかの追加緩和見送りを受けての円買い、
先々週の米雇用統計では、まさかのネガティブサプライズを受けてのドル売り、
となっており、なかなかUSDJPYの上昇材料が出てこない相場状況が続いています。

市場参加者は思惑とのギャップを嫌いますので、
このような不透明感を増すような材料の後には、
リスク回避の動きが起きやすくなります。

そして、直近の話題としては、英でのEU離脱の是非を問う国民投票が
6月23日と間近に迫ってきています。

これまでの事前調査では、
EU離脱派とEU残留派は伯仲しているという結果ばかりが出ており、
まさしく”不透明感のかたまり“のような材料ですね。

しかし、その投票まではあと10日ほどとなってきましたので、
今週あたりは、もうそろそろ確度の高い世論調査も出てくると思われ、
そうなると、市場は早々に織り込み始めるのかもしれません。

一般的に考えるならば、
EU離脱という結果になれば、ポンドは売られ、リスク回避の動き、
EU残留という結果になれば、ポンドは買われ、リスク選好の動き、

となります。

しかし、事前の織り込み具合によっては、
その結果後の動きが、全く逆になる可能性もありますので、
注意しなければいけません。

いわゆる、Sell The Fact材料出尽くしと言われる現象ですね。

今週はその事前の織り込み具合を試す相場となりそうです。

もちろんそれはポンド関連の通貨ペアだけではなく、
他の通貨ペアにも波及していくでしょう。

特に円関連の通貨ペアは、
リスク回避、リスク選好の名目でトレード対象となりますので、
ポンド関連をトレード対象としていなくても、
英国民投票の事前の織り込みとその結果には、
十分に注意を払う必要があります。

という事で、
今回はその波及先の通貨ペアであるドル円の今後のシナリオを考えてみます。

ドル円の日足チャート
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見ての通り、高値切り下げ、安値切り下げの下降トレンドが継続しています。

4月下旬の急落は日銀金融政策決定会合での追加緩和見送りを受けての円買い、
6月上旬の急落は米雇用統計のネガティブサプライズを受けてのドル売り
によって引き起こされています。

上記チャートのように、
ジリジリ上げては急落、ジリジリ上げては急落という現象は
下降トレンドではよく見られる光景です。

赤色ラインは直近の安値ですが、
米雇用統計後の下落では、まだその赤色ラインは下回っていないですね。

-1σ以下にあるので、売り目線である事に変わりはないですが、
この赤色ライン付近まで下げるようなら、
抵抗を受ける可能性があるので注意が必要です。


ドル円の4時間足チャート
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下降トレンドから徐々に安値圏での持合相場に移行しつつあります。

直近ではボリンジャーバンドも収縮し始めているので、
しばらくはスクイーズ状態になるんでしょうか。

注目ラインとしては、
米雇用統計前にサポレジ転換したアクア色ライン
米雇用統計後に急落し、その後戻りを試したオレンジライン
2点でサポートされた赤色ライン
です。

基本的には、オレンジライン赤色ライン
どちらか抜けた方についていく方針としたいです。


ドル円の1時間足チャート
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先週は上下に振れてはいましたが、見たところ
目立ったサポートライン、レジスタンスラインはありませんね。

強いて引くとしたら、上記のオレンジラインでしょうか。

ヒゲの位置が微妙ですが、サポレジ転換しているようにも見えますので、
一応、引いておきました。

現在位置も±1σ内にあり、方向感が出ておらず、
買いと売りのどちらか優勢とは言えない状況となっており、
まずは動き出しを待ちたい感じです。

デイトレとしての総合判断

日足チャートでは、俯瞰的に下降トレンド、
4時間足チャートでは、下降トレンドから持合相場へ移行、
1時間足チャートでは、トレンド不明で方向感無し、
となっているので、
全般売り優勢の中で次の動きを待つべき局面といえるでしょう。

明確なトレンド発生の条件としては、
4時間足チャートのオレンジライン赤色ライン
どちらかのブレイクを確認してからとしたいですね。

そのような状況になれば、デイトレとしての確度も高くなるでしょう。

また、一応1時間足チャートのオレンジラインを越えてくれば
買い目線になれますが、全般下降トレンドなので、
それほど自信を持ってロングできる状況ではないです。

そして、今週は先にも書いた通り、英の国民投票の世論調査にも注目です。

それによっては、
リスク回避の円買い、リスク選好の円売りへの波及もあり得ますので、
ポンドの動きを横目で見つつのトレードも有りかもしれません。