先週はECB理事会があり、その後のドラギ総裁会見後では
一瞬ユーロ買いに振れた場面もありましたが、
結局市場は、量的緩和の継続と解釈したようでユーロ売りが継続しています。

また、ドルに関しては、相変わらず利上げ時期の思惑がメインとなっていますが、
最近の動きとしては、米関連の経済指標が良い内容でも悪い内容でも
FOMCのメンバーからは利上げに対する前向きな発言ばかりとなっていて、
近々、利上げするだろうという市場のコンセンサスが出来上がっています。

今のところ、12月に利上げという意見が多そうですが、
市場は先読みしていきますので、
もうそろそろ利上げ後の展開も考えているのかもしれませんね。

という事で、
下降トレンドが明確になっているユーロドルの当面のシナリオを考えてみます。

ユーロドルの日足チャート
eurusd1d16102301
9月から10月にかけて、ボリンジャーバンドの幅が
かなり縮小していて完全なスクイーズ相場でした。

過去チャートを遡ってみても、
これほどボリンジャーバンドが絞り込まれた事は近年には無かったほどです。

その状態からの下降ブレイク、エクスパンションとなって、
現在も-1σ以下での推移が続いています。

オレンジラインは6月に付けた安値で、ここも割っていますが、
次は赤色ラインに注目です。

この赤色ラインは上記のチャートでは見えていませんが、
今年の3月に付けた安値であり、
ここで一旦下落が止まる可能性もあります。

現在もエクスパンションによる下降トレンドの最中ですが、
ローソク足の本数からすると、
もうそろそろ下降トレンドも後半に差し掛かってきた
と認識しても良さそうなので、
赤色ライン付近まで下げてきたら、そこでの攻防には注目です。


ユーロドルの4時間足チャート
eurusd4h16102302
明確なレジサポは引けそうにないですが、
俯瞰的には明らかな下降トレンドとなっています。

また、直近の動きは-2σに沿っての勢いのある下降トレンドですが、
ボリンジャーバンドの先端が内向きになりつつあるのが気になります。

逆張りトレーダーならカウンターを狙いたいところかもしれませんが、
順張りトレーダーなら明確な反転上昇を見せるまではチャートの流れに従い、
売り目線のままでいるべきでしょう。


ユーロドルの1時間足チャート
eurusd1h16102303
20日には特大の上ヒゲローソク足が出現していますが、
これはドラギ総裁会見直後の一時的なユーロ買いの反応です。

結果的にはユーロ売りが優勢となり、
-1σに沿っての巡航速度の下降トレンドとなりましたが、
直近のローソク足を見ると、-1σを越えてきており、
一旦は下降トレンドの終了を示唆する形となっています。

この後しばらくは、多少上向きにバイアスのかかった
買い戻し相場となる可能性があります。

デイトレとしての総合判断

日足チャート、4時間足チャート、1時間足チャート全てにおいて
下降トレンドとなっているので売り目線で見るべき局面ですが、
どの時間軸でも下降トレンドの後半に差し掛かっているので、
反転上昇のタイミングも心のどこかで意識すべきかもしれません。

もちろん、チャート上に明確な反転上昇の根拠が出現しなければ、
売り目線のままでいるべきですが。

では、どうなれば買い目線への変更を考えるべきなのか、というと、
最初のポイントとしては、1時間足チャートのオレンジライン超えでしょうか。

そうなれば、4時間足、日足を味方にする事はできませんが、
短期的な買いポジションを持つことは有りだと思います。

更にいえば、1時間足チャートでの赤色ライン超えとなれば、
これはドラギ総裁会見を否定する事にもなりますし、
日足レベルでの-1σ超えも明確となるので、
ロングへの意識の変化はさらに高まります。

EURUSDが上がるためには、ユーロが買われるか、
もしくは、ドルが売られる必要がありますが、
ファンダメンタルズ的にそのような状況が
4時間足や日足レベルまで継続するとは今の段階では考えにくそうです。

あるとしたら、ファンダメンタルズやテクニカルには関係なく、
単なる、大口トレーダーの買い戻しのパターンでしょうか。