今年に入ってからのドル円やクロス円は軟調傾向が続いており、
特に2月以降の円関連の通貨ペアは、
その全てが日足レベルでの下降トレンドになっています。

通常、このような日足レベルの中長期的なトレンドが発生した場合、
何かしら市場のテーマ、というか、材料が明白になっているものです。

しかし、日々のニュースを追っていても、
現在のクロス円の下落については、
明白な原因は見当たらないですね。

アナリストという肩書の人が書いたレポートも読んだりしますが、
やはり、現在のクロス円の下落の原因を
分かりやすく理屈で説明できているものはありません。

直近でもクロス円全般下げていますが、
その原因については、
株安だとかトランプ大統領の保護主義だとか
黒田日銀総裁の出口戦略発言だとか、
EU離脱交渉の難航だとか、
いろいろ報道されていますが、どれも後付け解釈になっています。

結局のところ、
複合的な要因が重なった結果の円買いなのか、もしくは、
機関投資家やファンドたちの表に出ない何かしらの都合によるもの

なんでしょうね。

まぁ、トレーダーとしてはチャートに従う事が仕事なので、
こうした原因追求については
それほど深追いする必要はないですが
ちょっと気になるところではあります。

という事で、
現時点でのドル円のチャート形状をMTFで確認しておきます。

ドル円の日足チャート
usdjpy1d18030301
今年に入って以降は、
移動平均線を下回った下降トレンドが継続しています。

赤色ラインで示した200日移動平均線からの乖離も大きくなっており、
スイングトレーダーも明らかに下目線でしょう。

ちなみに現在のドル円の価格は、2016年11月の米大統領選挙で
トランプ氏が大統領に決まった時の価格付近です。

つまり、トランプラリーの起点となった価格なんですが、
1年以上かけて、行って来い、全値戻しの展開となり、
トランプラリーが終了したことになります。

チャート的には明確なレジサポは見当たりませんが、
あえて言うならば、アクア色で示したゾーン
レジスタンスゾーンになりそうです。

このゾーンを越えるまでは、
日足レベルで上目線になれませんね。


ドル円の4時間足チャート
usdjpy4h18030302
最近まではオレンジライン赤色ラインで挟まれていた
レンジ相場となっていましたが、
直近に下方向へブレイクしてきました。

ボリンジャーバンドも拡大しており、
エクスパンション状態になっていますので明らかに下目線です。

しかし、前回安値から引いたピンク色ライン
意識されているかもしれないので、
この価格付近でのショートは控えた方が良いかもしれません。


ドル円の1時間足チャート
usdjpy1h18030303
週末に-1σに沿った下降トレンドになっていましたが、
大引け間際にようやく-1σを越えてきました。

週末だったのでポジション調整という意味合いでの
買い戻しだった可能性もありますが、
今後は多少上向きにバイアスのかかった持合相場に移行しそうです。

しかし、上向きに仕掛けるよりは、
戻ったところを捉えて戻り売りしたいチャート形状でしょうか。

デイトレとしての総合判断

日足チャートでは、直近安値を更新して下降トレンド継続中
4時間足チャートでは、持合からブレイクでエクスパンション状態
1時間足チャートでは、巡航速度の下降トレンドが終わり持合へ移行か
となっており、
総合的な判断としては、
分かりやすい売り優勢のチャート形状だといえますが、
直近では一方的な下降トレンドは終わったので、
戻り幅を見極めつつ、戻り売りを狙っていきたい局面です。

では、
どうなれば買い優勢のチャート形状に変化したといえるのか。

私なら、1時間足チャートに引いた赤色ラインを越えるようなら
短期的に上目線へ変更してロングも狙っていけると思います。

しかしそれでは、4時間足レベル、日足レベルの優位性がないので、
トレーディングとしては心許ないですね。

仮に、日足レベルの青色ゾーンを越えるようなら
中長期的なトレンド転換を意識しても良いのでしょうが、
そのようなチャート形状が実現するには
もう少し日柄調整が必要になりそうです。