トレードをするには、自分なりの手法、ルールを作らなければいけません。
しかし、人によってはその手法作りが、度が過ぎる場合があります。

 

数多くのオシレータ系の指標を表示させ、
チャート上にも、ローソク足が見えなくなるほどのラインや情報で埋め尽くされており、
エントリーや手仕舞いの条件を細部にわたって細かく決めてしまおう、
とするトレーダーもいます。

 

これはある程度相場を経験してきてた真面目で勉強熱心なトレーダーに多いですね。
余計な裁量が入るから負けるんだ」と思っている傾向もあります。

 

つまり、勝てるルールをガチガチに固めてしまえば、
あとは何も考えなくてもその通りにエントリーすれば良いだけ、
と思っているのでしょう。

 

しかし、一切裁量の余地がない、ガチガチのルールで勝ち続けられるほど
相場というのは甘くないです。

 

私の個人的な意見では、
相場というのは、ある程度は裁量的な感覚に依存するものです。
というか、依存すべきものです。

 

もし、全く感覚に依存しない、具体的な数値で表される条件のみで
手法、ルールを作りたいと思っているのなら、
自動売買(EA)をした方が良いでしょう。
または、自分でEAを作った方が良いでしょう。

 

自動売買なら、完全無裁量でシステマティックです。
ある意味、ガチガチのトレードルールです。

 

しかし、私は過去に自動売買を1年半ほどやった経験が有りますが、
利益を上げることはできませんでした。

 

そうした経験もあり、個人的には自動売買に関しては
どちらかというと、否定的な見解を持っています。

 

私の場合、自動売買といっても完全に放ったらかしにした訳ではなく、
相場状況や過去の傾向などから、必要に応じて自動売買ソフトを停止したりして、
それなりに慎重に、用心深く運用していましたが、
それでも利益を上げることは出来ませんでした。
(自動売買については、また別の機会に記事にしたいと思っています。)

 

まぁ、それから数年経っていますので、
今ではもっと性能の良い自動売買ソフトが開発されているのかもしれませんが、
現時点では、自動売買に任せるようなことをしたいとは思っていません。

 

それはなぜかというと、裁量の部分が全くないからです。
画一的に図ることができない、○か×かで図ることができない相場に対して、
エントリー条件を固定した自動売買は長期的にみたら、
収益は右肩下がりになる可能性が高いでしょう。

 

もちろんルールは決めなければいけません。
しかし、ある程度の基本的なルールが決まったら、
それ以降は、相場の動きに応じた裁量感覚で補うことが適切であると思っています。

 

でも、裁量というと、表現が抽象的で分かりにくいので
嫌がるトレーダーも多いですね。

 

また、裁量というのは、自分を律する事が出来なければ、
際限なく自分勝手な都合よい解釈に捉える事も出来てしまいますので、
注意が必要なのは確かです。

 

例えば、
RSIが30以上になったらロングしましょう、と情報商材に書かれてあった場合、
では、29.9ではダメなのか?というとそういうわけではありません。

 

それまでの相場の流れ、チャートの形状、RSI以外のエビデンス等を考慮し、
RSIが29.9でもエントリーしてもいい場面もあります。

 

そうした判断は裁量の部分であり、経験により確度が増す部分です。

 

相場の勉強、努力とは、裁量部分を鍛える事と言い換える事も出来ます。

 

逆にいえば、ルールが全て数値で具体的に示されていて、
それに従うだけならば、努力は必要ないでしょう。
まさしくEAですね。

 

チャートはローソク足一本一本描かれる毎に、
その景色を少しずつ微妙に変えていきます。

 

それを
このローソク足までは待ちで、次のローソク足からはエントリー
というように、チャートの右端で簡単に決められる事のほうが
少ないのかもしれません。

 

同じ相場は二度と来ない、同じチャート形状は二度と来ない、
あらゆる微妙なケースを判断する為には、こうした裁量のほうが重要だと思います。