普段、心臓のドキドキを日々感じながら日常の生活を送っている人は
ほぼ100%存在しないといって良いでしょう。

なぜなら、心臓は自律神経の働きによって制御されているので、
自分で特に何もしなくても適切に動いてくれるからです。

しかし、緊張する場面に遭遇すると、
それまで全く感じていなかった心臓のドキドキが
自分の胸の中心から波を打つように伝わってくるのを実感するようになります。

スピーチをする時、プレゼンテーションをする時、初対面の人と会う時、試験の時、
サスペンス映画を見ている時、緊迫したスポーツを見ている時、、、

日常生活とは違う体験をしている時には
人間というのはどうしても緊張して心臓がドキドキするものです。
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自律神経には交感神経副交感神経と呼ばれる2種類の神経が存在し、
それぞれが相反する働きをしながらバランスよく機能しています。

交感神経とは、仕事や勉強、スポーツなど、体を活発に活動させる為に働く神経で、
副交感神経とは、食事や睡眠など、体を休ませる時に働く神経です。

そして、緊張やストレスを感じている時には
過度に交感神経が昂っている状態
です。

このような時には、交感神経が優位になり、
血管を収縮させて血圧をあげて心臓の鼓動を速めるように体が反応します。

しかし、ひとたび緊張から解放されると、
自分で意識しなくても自動的に副交感神経が優位になってくれて、
血管を広げて血圧を下げて、心臓の鼓動を遅くするように体が反応してくれます。

トレード中に心臓がドキドキしますか?

あなたはチャートを見ている時、自分の心臓の鼓動を感じますか?
エントリーのタイミングを計っている時、自分の心臓の鼓動を感じますか?
ポジションを持っている時、自分の心臓の鼓動を感じますか?

もしも、ドキドキという心臓の鼓動を感じているなら
そのドキドキの源泉はどこから来ているのか、自分で考えてみましょう。

人によっていろんな理由があると思いますが、
自分で心臓の鼓動を感じているうちは平常心でトレードできていませんので、
成績も芳しくない状態が続いてしまうでしょう。

昔の私がそうでした。

チャートを広げた段階から心臓がドキドキしてくるのが分かっていました。
そして、エントリーのタイミングを計っている時がまさにピークですね。
自分の心臓のドキドキで体がビクビク動くくらいでしたから。

そして、呼吸も荒くなります。

男性の普段の呼吸というのは、腹式呼吸で行っている割合が多いと言われており、
私も普段は腹式呼吸で行っているんですが、
チャートを見てポジションを持っている時にはなぜか胸式呼吸に変わっています。

チャートの動きに翻弄されている事が自分でも分かっていましたので、
落ち着こうと、何度も深呼吸をしてみましたが全く無駄でした。

でも、、、

ポジションを閉じた途端にそれまでのドキドキが嘘のように無くなり、
呼吸も通常の腹式呼吸に戻っています。。。

自分でも呆れるほどでした。
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自分でドキドキの原因を明確にして納得させる

どうしてそんなにドキドキするんですか?

「資金が減るのが嫌だから」

トレードって勝ったり負けたりするものであり、
この後、何百回、何千回とトレードを繰り返していくんですから必ず負けます。

それなのに、トレードするたびに毎回ドキドキしても何の意味もないです。

“今”エントリーしているポジションは、
未来に向かって永続的に行う膨大なトレードの中のたった1つに過ぎず、
そのトレードで絶対勝たなければいけない理由はないはずです。
「このトレードだけは絶対勝ちたいから」

個々のトレードで、絶対に勝たなければいけないトレードなんてありません。

もしかして、自分の心理的負担の許容範囲を超えるほどの大きなロット数で
トレードしていませんか?

トレードとは、負けた時のことを想定して
損切りとなった時の損失額が許容できると納得した上で行うものです。

もしもドキドキしているのなら、それは “納得” できていない証拠です。
ドキドキがなくなるまでロット数を減らしていきましょう。
「手法に優位性があるのか自信がないから」

手法の優位性は “その” トレードだけで決まるわけではないです。

何百回、何千回と繰り返した先に初めてわかる事です。
今ドキドキしても何の意味もないですよね。

そもそも検証の結果、
手法に優位性があると判断したからこそデモトレードへ移行したはずです。

そして、デモトレードで結果が出たからこそ、リアルトレードへ移行したはずです。

何を今さらドキドキする必要があるんですか?
「リアルトレードになった途端、機能しなくなるかもしれないから」

リアルトレードをしているなら、
どのくらい資金が減ったらデモトレードでやり直すのか、
事前にそのシナリオ、計画は考えておくべきです。

そして、どうなったら手法を修正するのか、
事前にそのシナリオ、計画は考えておくべきです。

あとは、そのシナリオ、計画通りに行動するだけですので、
ドキドキする必要はないはずです。

人によっては無理やりにでも意識をチャートに集中させて、
それ以外の余計な事を考えないように、心を縛りつけようとしたりしますが、
これはできる人とできない人がいます。

私にとって最も良い方法は、理屈で納得させる事でした。

ドキドキする理由は私には何もない、
ドキドキする要因はすべて排除した、
と自分自身で理解し、納得させる事で、
徐々にドキドキが減って、平常心でトレードできるようになっていきました。

たとえ負けても資金が減っても、それらは全て確率論に則った想定内の出来事です。

もし、あなたもトレード中に心臓のドキドキを感じているなら、
その原因を突き止め、排除し、納得するようにしましょう。