私の初心者時代もそうでしたが、
基本的に、個人トレーダーは総資金量に対して
多くのポジションを取り過ぎです。

おそらくその原因は、

  • 短期間で一気に儲けたいから
  • 資金管理に興味がないから

このどちらか、もしくは、両方でしょう。

初心者時代は誰でも勝つことだけを考えていますから、
資金管理なんていう地味な題材に興味を持つ人は稀でしょう。

そして、勝つことだけを考えていますから、
このトレードで負けた時にどれだけの資金が無くなるのか、
自身で想定してポジションを立てている人も稀でしょう。

その結果、ポジション保有中の資金の増減を見ながら
一喜一憂している人がほとんどです。

手法を構築することはもちろん大事ですが、
それ以前に資金管理の術を身につけることが
トレーダーとしての最低限の常識です。
save20121101

トップトレーダーの助言を無視しますか?

マーケットの魔術師
 米トップトレーダーが語る成功の秘訣

という書籍をご存じでしょうか。

成功を収めた有名トレーダー達の投資哲学、投資理念、投資思想などが
インタビュー形式で載っているベストセラー本です。

この書籍からは様々な教訓を得らますが、
今回はその中から資金管理に関するインタビューを一部抜粋します。

ブルース・コフナー

『まず第一に、リスク・マネージメントをしっかりすること。
 第二には、「アンダートレード」つまりトレードする枚数を
 押さえることが重要だ。

 どんなに自信があるポジションであったとしても、
 少なくとも今の半分くらいでトレードすべきだ。

 私の見ている限り、平凡なトレーダーは
 彼らの実力の三倍から五倍の大きさのポジションを
 とっているけれども、それは大き過ぎる。

 そして一回のトレードにつきリスクを1%から2%くらいに
 押さえるべきところを、5%から10%くらいまで
 とってしまっているんだ。』

リチャード・デニス

『小さくトレードしなさい。なぜなら、初めのうちは
 それ以上悪くなり得ないほど出来が悪いからだ。

 自分のミスから勉強しなさい。
 自分の資金の日々の増減に振り回されてはいけない。

 一回一回のトレードの結果がもつランダムな性格ではなく、
 自分が正しいことをやっているかどうかに焦点を当てなさい。』

ゲーリー・ビールフェルド

『初めのうちは大きく勝負に出ない方がいい。
 失敗してしまうと、気力をとり戻すのは容易じゃないからね。

 ほとんどのトレーダーは、
 初めにリスクを大きくとり過ぎる傾向がある。

 彼らはいつリスクをとるべきなのかということについて、
 あまり考えていない感じがする。』

この書籍に載っているトレーダー達の手法は様々ですが、
ポジションに関しては一貫して小さくすることを推奨しています。

過去の偉大なトップトレーダー達がこれほどまでに
ポジションを小さくすることを勧めているのに、
私達のような平凡なトレーダーが、こうしたアドバイスを無視して
大きなポジションを張る意味があるでしょうか?

それとも、あなただけは特別なんでしょうか?
あなただけは大きなポジションを持っていいんでしょか?

あなただけは先人の忠告を蔑(ないがし)ろにしても構わないほどの
特別な資質が備わっているのでしょうか?

まぁ、あなたがここで紹介したトップトレーダーを超えるほどの
伝説級のトレーダーである可能性も否定できませんが。。。

しかし、一般的に言えば、
先人の忠告を無視して大きなポジションを張る行為は、
無知 or 思い上がり
でしかありません。
img20121102

総資金量とストップ幅からポジション数(ロット数)を計算する

では具体的に、どのくらいのポジション数で
トレードすればよいのでしょうか?

結論から言うと、
総資金量÷100万=ロット数
もしくは、
総資金量の2%が損切りになるロット数
です。

これで計算されたロット数”以下“でトレードしましょう。

本当はより詳しくロット数を調整したほうが良いんですが、
初めは概算で、上記の計算でも十分です。

トレードする際には(特にデイトレ)、これらのどちらかで
自身のポジション数(ロット数)を決めておきましょう。
(0.1ロット=1万通貨単位)

総資金量÷100万=ロット数

こちらは単純ですね。

例えば、
総資金量が100万円なら
100万÷100万=1ロット以下でトレードしなければいけません。

総資金量が50万円なら
50万÷100万=0.5ロット以下でトレードしなければいけません。

総資金量が10万円なら
10万÷100万=0.1ロット以下でトレードしなければいけません。

口座に入っている資金量からすぐに計算できますね。

総資金量の2%が損切りになるロット数

こちらはちょっとだけ複雑です。

まず前提知識として、
1ロットだと、±1PIPSの上下動で損益は±1000円になる
ということを覚えておいてください。

そのうえで、例えば、
総資金量が100万円なら、1回のトレードでの損失額(損切り)は、
最大でも2万円(2%)までになるようにロット数を調整します。

仮に、ストップまでの距離が20PIPSだとしたら
±1PIPS動くたびに±1000円の増減になるようにします。

つまり、
2万円÷20PIPS=1000(円/PIPS)が増減幅ですね。

そして、先に書いたように、
1ロットだと、±1PIPSの上下動で損益は±1000円になるので、
この場合は、1ロットでトレードすることになります。

(別例1)では、
総資金が50万円、ストップまでの距離が25PIPSなら

50万円×2%=1万円が損切り額
1万円÷25PIPS=400(円/PIPS)

1ロットだと±1000(円/PIPS)なので、
±400(円/PIPS)にするには、
0.4ロットでエントリーすることになります。

(別例2)では、
総資金が300万円、ストップまでの距離が40PIPSなら

300万円×2%=6万円が損切り額
6万円÷40PIPS=1500(円/PIPS)

1ロットだと±1000(円/PIPS)なので、
±1500(円/PIPS)にするには、
1.5ロットでエントリーすることになります。

計算式としては、
資金量×2%÷損切りPIPS÷1000=ロット数
になります。

確認ですが、
このロット数は、あくまでも “最大でも” です。

ここで計算したロット数 “以下” であれば、いくらでも良いです。
少ない分にはいくらでも構いません。
但し、多くしてはダメです。

初心者のうちは必ず負けます。
その傷を浅くしておくためにも、
ロット数はできるだけ少なくして臨みましょう。