私の初心者時代もそうでしたが、
基本的に、個人トレーダーは総資金量に対して
多くのポジションを取り過ぎです。
おそらくその原因は、
- 短期間で一気に儲けたいから
- 資金管理に興味がないから
このどちらか、もしくは、両方でしょう。
初心者時代は誰でも勝つことだけを考えていますから、
資金管理なんていう地味な題材に興味を持つ人は稀でしょう。
そして、勝つことだけを考えていますから、
このトレードで負けた時にどれだけの資金が無くなるのか、
自身で想定してポジションを立てている人も稀でしょう。
その結果、ポジション保有中の資金の増減を見ながら
一喜一憂している人がほとんどです。
手法を構築することはもちろん大事ですが、
それ以前に資金管理の術を身につけることが
トレーダーとしての最低限の常識です。
トップトレーダーの助言を無視しますか?
「マーケットの魔術師
米トップトレーダーが語る成功の秘訣」
という書籍をご存じでしょうか。
成功を収めた有名トレーダー達の投資哲学、投資理念、投資思想などが
インタビュー形式で載っているベストセラー本です。
この書籍からは様々な教訓を得らますが、
今回はその中から資金管理に関するインタビューを一部抜粋します。
ブルース・コフナー
『まず第一に、リスク・マネージメントをしっかりすること。
第二には、「アンダートレード」つまりトレードする枚数を
押さえることが重要だ。どんなに自信があるポジションであったとしても、
少なくとも今の半分くらいでトレードすべきだ。私の見ている限り、平凡なトレーダーは
彼らの実力の三倍から五倍の大きさのポジションを
とっているけれども、それは大き過ぎる。そして一回のトレードにつきリスクを1%から2%くらいに
押さえるべきところを、5%から10%くらいまで
とってしまっているんだ。』
リチャード・デニス
『小さくトレードしなさい。なぜなら、初めのうちは
それ以上悪くなり得ないほど出来が悪いからだ。自分のミスから勉強しなさい。
自分の資金の日々の増減に振り回されてはいけない。一回一回のトレードの結果がもつランダムな性格ではなく、
自分が正しいことをやっているかどうかに焦点を当てなさい。』
ゲーリー・ビールフェルド
『初めのうちは大きく勝負に出ない方がいい。
失敗してしまうと、気力をとり戻すのは容易じゃないからね。ほとんどのトレーダーは、
初めにリスクを大きくとり過ぎる傾向がある。彼らはいつリスクをとるべきなのかということについて、
あまり考えていない感じがする。』
この書籍に載っているトレーダー達の手法は様々ですが、
ポジションに関しては一貫して小さくすることを推奨しています。
過去の偉大なトップトレーダー達がこれほどまでに
ポジションを小さくすることを勧めているのに、
私達のような平凡なトレーダーが、こうしたアドバイスを無視して
大きなポジションを張る意味があるでしょうか?
それとも、あなただけは特別なんでしょうか?
あなただけは大きなポジションを持っていいんでしょか?
あなただけは先人の忠告を蔑(ないがし)ろにしても構わないほどの
特別な資質が備わっているのでしょうか?
まぁ、あなたがここで紹介したトップトレーダーを超えるほどの
伝説級のトレーダーである可能性も否定できませんが。。。
しかし、一般的に言えば、
先人の忠告を無視して大きなポジションを張る行為は、
無知 or 思い上がり
でしかありません。
総資金量とストップ幅からポジション数(ロット数)を計算する
では具体的に、どのくらいのポジション数で
トレードすればよいのでしょうか?
結論から言うと、
総資金量÷100万=ロット数
もしくは、
総資金量の2%が損切りになるロット数
です。
これで計算されたロット数”以下“でトレードしましょう。
本当はより詳しくロット数を調整したほうが良いんですが、
初めは概算で、上記の計算でも十分です。
トレードする際には(特にデイトレ)、これらのどちらかで
自身のポジション数(ロット数)を決めておきましょう。
(0.1ロット=1万通貨単位)
総資金量÷100万=ロット数
こちらは単純ですね。
例えば、
総資金量が100万円なら
100万÷100万=1ロット以下でトレードしなければいけません。
総資金量が50万円なら
50万÷100万=0.5ロット以下でトレードしなければいけません。
総資金量が10万円なら
10万÷100万=0.1ロット以下でトレードしなければいけません。
口座に入っている資金量からすぐに計算できますね。
総資金量の2%が損切りになるロット数
こちらはちょっとだけ複雑です。
まず前提知識として、
“1ロットだと、±1PIPSの上下動で損益は±1000円になる”
ということを覚えておいてください。
そのうえで、例えば、
総資金量が100万円なら、1回のトレードでの損失額(損切り)は、
最大でも2万円(2%)までになるようにロット数を調整します。
仮に、ストップまでの距離が20PIPSだとしたら
±1PIPS動くたびに±1000円の増減になるようにします。
つまり、
2万円÷20PIPS=1000(円/PIPS)が増減幅ですね。
そして、先に書いたように、
1ロットだと、±1PIPSの上下動で損益は±1000円になるので、
この場合は、1ロットでトレードすることになります。
(別例1)では、
総資金が50万円、ストップまでの距離が25PIPSなら
50万円×2%=1万円が損切り額
1万円÷25PIPS=400(円/PIPS)
1ロットだと±1000(円/PIPS)なので、
±400(円/PIPS)にするには、
0.4ロットでエントリーすることになります。
(別例2)では、
総資金が300万円、ストップまでの距離が40PIPSなら
300万円×2%=6万円が損切り額
6万円÷40PIPS=1500(円/PIPS)
1ロットだと±1000(円/PIPS)なので、
±1500(円/PIPS)にするには、
1.5ロットでエントリーすることになります。
計算式としては、
資金量×2%÷損切りPIPS÷1000=ロット数
になります。
確認ですが、
このロット数は、あくまでも “最大でも” です。
ここで計算したロット数 “以下” であれば、いくらでも良いです。
少ない分にはいくらでも構いません。
但し、多くしてはダメです。
初心者のうちは必ず負けます。
その傷を浅くしておくためにも、
ロット数はできるだけ少なくして臨みましょう。