私が定期的にチェックしているサイトの1つに
価格帯別のポジション保有量をロング、ショート別に
グラフで教えてくれるサイトがあります。

 

もちろん相場全体での保有量というわけでなく、
そのFX会社で扱っている取引に関する保有量ですので、
全体からしたらほんの一部分だけになると思いますが、
それでも統計学的には、全体像を知る為の十分なサンプル数に相当すると思います。

 

そのサイトで現在の円安トレンドにおけるEURJPYの価格帯別ポジション保有量を
見てみると興味深いことが分かります。

 

現在の円安に関してはEURJPYの場合、
11月中旬の安値から、直近の高値まで約11円以上も上げています。

 

その中では、ロングのポジションについては、ほとんどが含み益状態であり、
ショートのポジションについては、ほとんどが含み損状態であるはずです。

 

そうした含み益のロングポジションを保有している価格帯と
含み損のショートポジションを保有している価格帯には、明確な違いがあります。

 

どのような違いなのか分かりますか?

 

まず、含み益のロングポジションについては、
そのほとんどが、現在値から-2円以内の価格帯に収まっています。

 

グラフでの表示ですので、明確な割合は分かりませんが、
見た目には、全価格帯の保有分布のうち、
約90%が現在値から-2円以内でのポジションとなっています。

 

つまり、今回の上昇トレンドの開始である100円台からは、
多くのトレーダーがロングのエントリーをしているわけですが、
そのポジションについては、早期に決済されていて、
現時点では100円~109円付近までのロングポジションは、ほとんど存在してなくて、
109円以上のポジションが90%ほどを占めているということです。

 

それに対して含み損のショートポジションについては、
現在値から-2円以内に、そのほとんどが収まっているわけではなく、
全ての価格帯でまんべんなく含み損のショートポジションが存在しています。

 

見た目には、-2円以内での含み損のショートポジションは
全体の20%程度でしょうか。

 

100円~109円付近までの含み損のショートポジションも
現時点で80%程度は存在しています。

 

つまり、今回の上昇トレンドの開始である100円台からは、
多くのトレーダーがショートのエントリーをしているわけですが、
そのポジションについては、早期に決済される事なく、
いつまでも損切りをあと延ばしにしているということです。

 

このグラフからは、多くのトレーダーの投資行動が読み取れます。

 

つまり、
含み益になったら、早い段階で利確してしまい、
含み損になったら、いつまでも耐える、
という投資行動です。

 

ほとんどのトレーダーは、損小利大を目指す事が大事だと分かっているはずです。
しかし、ほとんどのトレーダーは損小利大を実現できていません。

 

思っていることを、実際には実現できていないわけです。
正しい投資行動を分かっていながら、正しい投資行動をしていないわけです。

 

しかも、順張りと逆張り、どちらが正しい投資行動かは、
あえて明言しませんが、単純に考えるならば、
流れに沿ったトレンドフォローをした方が利益を上げやすいはずです。

 

しかし、多くのトレーダーが逆張りを行い、
しかも、損切りを後回しにしている現実があります。

 

これではFXで勝てるはずがありません。

 

順張りと損切り。
これほど人間心理を逆撫でする行為はないという事なのでしょうか。

 

マインドの重要性を認識し、
自分の心に常にトレーダーとしての正しい行為を自問自答する。

 

その段階になれば、初心者ではないと言えるでしょう。