あなたはこの日、ロンドン時間の16時から相場を監視することになり、
チャートを開いてみると、現状は下記のようになっていました。
珍しく東京時間からずっと上昇トレンドが続いていますね。
さて、この動きを見て、ロンドン時間から監視を始めたあなたは
何を感じ、どういった方針で臨みますか?
現時点でエントリーするかどうかではなく、
この日、買い方針で臨むのか、それとも売り方針で臨むか、です。
EURJPY15分足チャート
「上げの勢いが強いから、この流れがこのまま続くかも」
「明確な上昇トレンドだから、買い方針で臨もう」
このように感じ、このような方針で臨む人は、順張り思考ですね。
「かなり上げているから、今更この上昇トレンドには乗れない」
「ここからは反落するかもしれないから売り方針で臨もう」
このように感じ、このような方針で臨む人は、逆張り思考ですね。
あなたはどちらのタイプですか?
おそらく、FXを始めて間もない初心者、
自分のルールを確立できず値ごろ感でトレードしている人は、
そのほとんどが後者のような逆張り思考になっているはずです。
順張りと逆張り、どちらが良いかというのは、
相場状況、用いる人の性格なども要因となるので、
はっきりと明言する事はできませんが、
マインドの重要性を理解していない、誰もが感じるような逆張り思考は
負け組の思考である可能性が高いです。
きちんと検証し、自分のルールに基づいた逆張り手法で、
期待値>1であるならば問題ないですが、
その場限りの単なる思い込みでの逆張りトレードなら、やらないほうが賢明です。
相場に参加しているトレーダーの多くが、自分のルールを持たず、
その場限りの判断でトレードして負けているんですからね。
今上がっている “事実” に期待するのか、
それとも、これから下がるであろうと思う自分勝手な “予想” に期待するのか、
どちらが適切な判断だと思いますか?
今一度考えてみて下さいね。
では次に、先のチャートから5時間ほど経過したチャートを見てみましょう。
結局、ロンドン時間以降も上げ続けることになりましたが、
仮にこの日、あなたは会社の残業で帰りが遅くなってしまい、
21時過ぎたあたりから相場を監視する事になったとします。
その時のチャートは以下のようになっていました。
東京時間、ロンドン時間とずっと上げ続け、直近では大陽線も出現していますね。
さて、この動きを見て、NY時間の21時から監視を始めたあなたは
何を感じ、どういった方針で臨みますか?
現時点でエントリーするかどうかではなく、
この日買い方針で臨むのか、それとも売り方針で臨むか、です。
EURJPY15分足チャート
いかがですか?
先のロンドン時間のチャートで順張り思考だった人も、
さすがにこのチャートを見た段階では、
買い方針で臨む事に躊躇する人も出てくるんではないでしょうか。
東京時間、ロンドン時間とずっと上げ続け、
その上げ幅は200PIPS以上となっており、直近では大陽線も出現していて、
もうそろそろ上昇トレンドが終わっても不思議ではないですよね。
「いくらなんでも、ここからは売り方針でしょう」
おそらくその考えが正しいでしょうし、
多くのトレーダーがそう思っているでしょう。
しかし、、、
私の場合は、これだけ上げ続けていたとしても、
当たり前のように買い方針でしか臨みません。
どんなに上げていても、どんなに急騰していても、
心の中で、
「さすがに上げ過ぎだろう」
「反転に賭けた方が利益が出る」
と思ったとしても、
私はチャートが上げ続けているという “事実” のみを信用して、
買い方針でしかチャートを見ません。
高値抜け買いができるかどうか、
押目買いができるかどうか、
支持線からの反発買いができるかどうか、
などなど。
上げている “事実” に従い、買いポイント探しだけを行います。
決して、「もうそろそろ反落するだろう」と、
自分勝手な “予想” を持ち込むことはありません。
順張りトレーダーなら当たり前の思考だと思います。
もちろん、そうした方針が毎回うまくいくとは限りません。
急騰後も買い方針で臨んだ為に、
その後の行き過ぎの調整の反落を何もせずに見送ることも頻繁に起こります。
しかし、ここで売り方針に変えてしまったら、
大きな時間足の優位性を無視することになり、
自分の手法の根底を否定する、
自分の手法の地盤を弱くする事につながってしまいます。
「今回だけ逆張りしよう」
「どう見ても反落するでしょう」
そんなことを考えて、例外的な逆張りを何度もやっていたら、
そのうち、大きな時間足に従うという絶対的な根底、地盤を
自分自身で軽んじるようになり、
手法の信頼性をおとしめることになってしまいます。
トレーダー毎に順張りの定義、大きな時間足に従う具体的なルールは
異なっていて当然ですが、私の場合、順張りだけにトレードを絞った事で、
成績が安定し、メンタルも安定しました。
大きく上下する相場の、上げ局面でも利益、下げ局面でも利益、
なんてできるトレーダーは、ほんの一部のトップトレーダーだけです。
最初からそんな縦横無尽のトレードをやってもうまくいかない事は明白で、
それどころか、チャートの動きに翻弄されて、メンタルが傷つけられるのがオチです。
「何があろうとも、大きな時間足の方向のみに仕掛ける」
たったこれだけを守っていけば、トレード回数は減りますが、
成績とメンタルが向上する可能性は高くなるでしょう。
ちなみに、その後のチャートの動きは以下のようになりました。
結果的には売り方針で臨めば利益がとれる展開でしたね。
しかし、私は上記のような理由で、この下落を平気な顔で見送りました。