一般的には、ブレイクアウト系の手法は勝率が低いと言われていますね。
チャート上で複数回支持されていたり、抵抗にあっている価格帯に
サポートラインやレジスタンスラインという水平のラインを引いて、
そのラインの突破を確認して、つまりブレイクを確認してから仕掛けるわけですが、
この手法は頻繁にダマシにあいます。
単にレジスタンスラインを抜けた、サポートラインを割ったという理由だけで
エントリーしていては、おそらく勝率は20~30%程度ではないでしょうか。
もちろんエントリー後のストップの位置やリミットの位置によって
勝率は多少変わってきますが、
ラインのブレイクを待って仕掛けるという手法の特性上、
その後は大きくトレンドが発生する可能性があるので、
基本は損小利大という方針で臨まなければいけないはずで、
そうなるとどうしても勝率は低くなってしまいます。
やはり、レジサポの抜け割れというだけでは、
あまりにもエントリーの根拠が乏し過ぎます。
そこで、”ブレイクした”という事実以外の別の根拠を見つけ出して、
できるだけ本物のブレイクに乗るようにしたいところです。
そこで今回は、私がブレイクアウトでエントリーする時に
意識しているポイントを紹介します。
勝率の高いブレイクアウトを見分ける方法
私がブレイクアウトでエントリーする時の判断材料としては、
以下のようなポイントも意識しています。
- アセンディングトライアングル or
ディセンディングトライアングルのパターンか - 大きな時間足が明確なトレンド状態か
- 他の通貨ペアがすでにブレイクアウトしているか
- 大きな時間足の動きと同じ通貨でのブレイクか
それぞれ簡単に概要を説明すると、、、
アセンディングトライアングル or
ディセンディングトライアングルのパターンか
レンジ相場、ボックス相場というような横長の長方形内に収まっている
チャートパターンからのブレイクよりも、
アセンディングトライアングル、ディセンディングトライアングルというような
先細りのチャートパターンの方が、
ブレイクアウト後にトレンドが続きやすい印象をもっています。
ちなみに、
高値切り下がり、安値切り上がりの三角持合というチャートパターンもあり、
その形状からのブレイクアウトという仕掛けもありますが、
個人的には三角持合からのブレイクは苦手です。
仮に、
上にブレイクしたとしても、直近の高値で抵抗を受けたり、
下にブレイクしたとしても、直近の安値で支持されたりする事もあり、
三角持合だったものがアセンディングトライアングル、もしくは、
ディセンディングトライアングルというチャートパターンに
変化するケースもあるからです。
大きな時間足が明確なトレンド状態か
たとえば、15分足チャートでの持合からのブレイクを待っている場合、
1時間足チャート、4時間足チャート、日足チャートなどが
明確なトレンド状態となっていて、そのトレンド中に
“一時的にプラットフォームを形成している”
というように解釈できる持合の場合は、
ブレイクアウト後にトレンドが続きやすい印象をもっています。
マルチタイムフレーム的にトレンドの継続性に賭けているわけですね。
仮に大きな時間足のトレンドとは反対方向へブレイクしてしまった場合は
勝率が低くなるでしょうし、利幅も少なくなるでしょうから、
基本的には見送りという判断になります。
しかし、他の材料との絡みや押目、戻りという動きを見せてくれたら、
初動ではなく、一旦様子を見てからエントリーするケースはあり得ます。
他の通貨ペアがすでにブレイクアウトしているか
ある通貨ペアが持合となっていると、
別の通貨ペアも持合となっている事もあります。
特に、
USDJPYとEURJPYというようにJPYが共に含まれていたり、
USDJPYとEURUSDというようにUSDが共に含まれていたり、
通貨の共通性がある通貨ペア同士は、
相場状況によっては似たようなチャート形状となるケースも多いです。
為替市場というのは、ひとつの通貨ペアだけが大きく動いて
他の通貨ペアは全く動かないというケースはほとんどなくて、
ひとつの通貨ペアがブレイクアウトしたというとは、
それなりに為替市場に動きが出てきた、動意づいてきたという意味でもあるので、
他の通貨ペアもそれなりに動いているはずです。
そこで、関連する他の通貨ペアがブレイクした、もしくは、
同じようにブレイクしそうという状況を確認できた場合には、
目的の通貨ペアもブレイクアウトしやすく、
そして、その後のトレンドも続きやすくなるでしょう。
大きな時間足の動きと同じ通貨でのブレイクか
為替市場は、その時その時で主体となっている、
つまり、相場をけん引している通貨というのは違ってきます。
また、各時間軸においても相場を動かしている通貨は違っています。
たとえば、USDJPYの1時間足を見ると上昇トレンドとなっており、
それがJPY売り主体で起こっている状況だとします。
その場合、5分足でのレンジ相場をJPY売り主体でブレイクしたら、
その後のトレンドは継続しやすい傾向にありますが、
USD買い主体でブレイクしたとしたら、
その後のトレンドは継続しにくい傾向にあると言えるでしょう。
単純なマルチタイムフレーム分析ではなくて、それにプラスして
主体となっている通貨の動きを考慮すると、より確度が増していきます。
以上、ブレイクアウト時に私が意識しているポイントの概略を説明しました。
これら複数の根拠が揃っていれば、ブレイクアウト後の動きも
素直にトレンドになってくれる可能性が高いと思いますし、
逆に、これらの根拠がない状態でのブレイクアウトでは、
初動には乗らない方が良いかもしれません。
もちろんこうした考え方も完璧ではないので、
上記のような根拠が揃っていないにも関わらず、
スルスルとトレンド相場になってしまい、
そのまま見送ってしまう事も普通にあります。
重要なのは、自分のこれまでの経験によって
期待値が高いと思われる根拠が揃った時に乗れるようにする事ですね。