先のECB理事会では市場の予想に届かない追加緩和策だった事で
ユーロが急速に買い戻されました。

そして、あれから1週間以上経ちましたが、
現在のところユーロが再び売り直される展開にはなっていませんね。

また、今週予定のFOMCでは利上げ開始が確実視されている状況となっており、
市場の関心は、もはや利上げするかどうかではなく、
利上げ開始後の次の展開へと移行しています。

つまり、来年以降の次の利上げがいつなのかを模索しています。

ここ数ヶ月間、ユーロと言えば中長期的な相場観では売り目線で、
ドルと言えば中長期的な相場観では買い目線でほぼ固定化されていましたが、
直近の重要イベント通過によって、
ファンダメンタルに変化が起きている可能性があります。

特に、影響を受けるのはユーロとドルで構成されているユーロドルですので、
マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのユーロドルのシナリオを考えてみます。

ユーロドル日足チャート
eurusd1d15121301
今年の10月以降、-1σに沿った巡航速度の下降トレンドが継続していましたが、
先のECB理事会でユーロが急激に買い戻されている事が分かります。

そして、オレンジラインでレジサポ転換を確認して、現在は+1σ上で推移しており、
日足レベルでは上昇トレンドになっているといえます。

しかし、アクア色水平ラインは変則的なWトップのネックラインで、
また、緩やかな右肩下がりの赤色ライン200日移動平均線ですが、
現価格のすぐ上に、この2つのラインが控えており、
このラインが意識されて上昇が止まる可能性もありそうです。

ECB理事会後のユーロは単なる買い戻しかと思っていましたが、
もしもアクア色ラインをユーロ主導で超えるようなら
ファンダメンタル的にもテクニカル的にも
本格的にユーロは買い目線に変更しないといけないのかもしれません。


ユーロドル4時間足チャート
eurusd4h15121302
ECB理事会を受けて急騰しましたが、
ボリンジャーバンドとの位置関係からは現状を把握するのは難しいですね。

しかし、チャート上に黄色丸で囲ったように、
高値の切り上げと安値の切り上げが確認できるので、
現在は、ダウ理論上は上昇トレンドと判断すべきでしょう。

一応、買い目線で見るべき局面ですが、直近安値を下回るようなら様子見に、
そして、-1σに沿った動きになるならば、売り目線に変更すべきでしょう。


ユーロドル1時間足チャート
eurusd1h15121303
先週前半は、+1σに沿った綺麗な上昇トレンドでしたが、
中盤以降は、Wトップっぽいチャートパターンを形成していますね。

オレンジラインはネックラインですが、
ここを割れてきたらWトップの完成となります。

しかし、現在はまだ+1σ上にありますので、
目線としては上を向いていた方が良いでしょう。

デイトレとしての総合判断

日足チャート、4時間足チャート、1時間足チャート共に
上昇トレンドなので、まずは買い目線でトレードした方が確率は高そうです。

しかし、
日足レベルで引いたアクア色ライン200日移動平均線の存在が気になりますね。

デイトレの場合、狙っている値幅にもよりますが、
あまりこれらのラインに近いようなら、
一旦はエントリーを見送るのも戦略としては有りです。

そして、日足チャートのアクア色ラインを超えるようなら
本格的に買い目線に変更でしょうか。

逆に、1時間足チャートのオレンジラインを割るようなら、
売り目線に切り替えてショート主体で狙った方が
デイトレの場合は利益が取れると思います。

しかしその場合、日足チャートのオレンジラインを割っていないので、
あまり利大を目指さず、適度に利確していった方が良いかもしれませんね。