先々週のECB理事会では、
マイナス金利幅の拡大などを含めた金融緩和政策の継続が確認された事で
ファンダメンタル的には、ユーロは売り方針で臨む相場観となりました。

また、先週のFOMCでは、12月の利上げの検討への言及がなされ、
早期利上げ開始の姿勢が変わらない事が確認された事で、
ファンダメンタル的には、ドルは買い方針で臨む相場観となりました。

同じく、先週の日銀金融政策決定会合では、予想通り現状維持が確認された事で
一時的に失望感による円買いとなるも、特に大きな動きには発展せず、
ファンダメンタル的には、円はニュートラルの方針で臨む相場観となりました。

これで主要各国の直近の金融政策が揃い、個人的には、
ドル買い>ユーロ売り>円売り
という相場観となりましたが、
それがそのままテクニカルのチャートに当てはまるわけではないです。

上記のようなファンダメンタルの要因からは、
ユーロドルは売り圧力が強くて下落トレンドになりやすいといえますが、
だからと言って、常に一方的に下落トレンドになるわけではなく、
実際には上記以外の他の要因も絡んで、上昇トレンドになっている場面もあります。

そこで今回は、マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのユーロドルのシナリオを考えてみます。

ユーロドル日足チャート
eurusd1d15110101
水平赤色ラインは変則的なWトップ、またはトリプルトップのネックラインですが、
俯瞰的に見ると、この辺りのラインが意識されているようです。

直近の動きを確認してみると、
スクイーズを伴っていない状態からのネックライン割れとなっており、
ボリンジャーバンドは拡大傾向にあります。

現在は-1σ以下に位置しており、下降トレンドの初期状態にも見えますね。

もしもこのまま下落トレンドが続くのなら、
最初の目標値はオレンジラインでしょうか。

過去にはこのオレンジラインで2度ほど止められているので、
ここまで下がったら一旦はサポートされる可能性が高そうです。

緩やかな右肩下がりの赤色ラインは200日移動平均線ですが、
このラインに関しては、あまり意識されている様子はないですね。


ユーロドル4時間足チャート
eurusd4h15110102
今回の各国金融政策時の動きは、
4時間足チャートで確認するのが最も分かりやすいですね。

上昇トレンドが続いた後に高値圏での横ばいとなり、
ボリンジャーバンドも狭く絞り込まれたスクイーズ相場となりましたが、
ECB理事会を受けて、ユーロ売り、ドル買い反応となり一気に急落して、
エクスパンション相場に発展しました。

その後、徐々に動きが落ち着ついてきて、
安値圏での持合相場に移行した時にFOMCを迎え、
ドル買い反応となって再び急落していますね。

そして、週末に向けて特に材料の出ていない中、
買い戻しが優勢のままで大引けとなりました。


ユーロドル1時間足チャート
eurusd1h15110103
チャート中央の大陰線がFOMC後の反応です。

ドル買いによって急落しており、数字的節目の1.1000もブレイクして
一気に1.08台まで下げましたが、その後は買い戻しが優勢となっています。

思った以上に買い戻しの勢いが強くて、
一時的には急落前のレートである赤色ラインまで全値戻しを達成しましたが、
そこから再び下げに転じています。

デイトレとしての総合判断

ファンダメンタル的なユーロ売り、ドル買い傾向、
そして、日足チャート、4時間足チャートの形状からは
売り目線でトレードした方が確率が高そうです。

しかし、1時間足チャートで見ると、上昇トレンドになっている場面もあり、
ある程度の値幅を伴っていれば、ロングでも取れなくもないでしょうか。

週末の上昇トレンドに関しては、特に材料は出ていなかったので、
なぜ上げたのか、その原因を探るのは難しいですが、
週末のポジション調整か、もしくは月末という事もあって、
実需のドル売りが起きていたのかもしれませんね。

まずは、1時間足のオレンジラインでサポートされるのかに注目です。

ここでサポートされるようならロングもありそうですが、基本的には、
1時間足に引いた赤色ラインオレンジラインの間にレートが位置している時には、
トレードは難しそうです。

そして、オレンジラインを割るようなら
ファンダメンタル的にも、テクニカル的にも、マインド的にも
売り目線ではっきりしますが、
赤色ラインを超えた時にはテクニカル的には買い目線に変更すべきですが、
ファンダメンタル的、マインド的には矛盾しそうなので、
やはりトレードは難しくなりそうです。