年明けから中国株の急落などの外部要因によって
各市場はリスク回避の動きが優勢となっています。

リスク回避の動きとなると、FX市場では決まって円買いに反応しますが、
今回は複数の地政学的リスクが並行して起きているので、
その分、比較的規模の大きめな円買いといえるでしょう。

普段値動きの小さいドル円でさえも、
先週1週間だけで300PIPSも下げていますからね。

異常相場、セーリングクライマックスと呼ぶにはまだ程遠いですが、
リスク回避の円買いというのは、市場のテーマの中では
最もスピード感を伴う動きになりやすいので、注意して見ていく必要はあります。

今回は、マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのドル円のシナリオを考えてみます。

ドル円の日足チャート
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年末あたりから-1σに沿った巡航速度の下降トレンドとなっており、
現在もその際中にいます。

しかし、既に-1σ以下の状態がローソク足10本以上になっていますので、
通常なら、もうそろそろトレンド後半になってきていると判断すべきでしょう。

アクア色ラインは昨年の世界同時株安時につけた大陰線の実体部分から引いており、
また、それ以前のチャートからの下値支持線でもあるんですが、
そのラインは割れてきました。

よって、もしもこのまま下げるようなら、次の目標は赤色ラインでしょうか。

この赤色ラインは週足チャートで見た時の、アベノミクス以降の下値支持線であり、
ここを割れるようだと、週足レベルの長期的な下降トレンドに入ったと
判断せざるを得ないでしょう。


ドル円の4時間足チャート
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高値の切り下げ、安値の切り下げが見られるので、
全体的には下降トレンドと言えるでしょう。

直近では-1σに沿った巡航速度の下降トレンドとなっていましたが、
-1σを越えてからは多少戻りを試す展開となっていました。

しかし、オレンジラインサポレジ転換を確認して、
再び下げが優勢となっています。


ドル円の1時間足チャート
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ヒゲの兼ね合いがあるので、綺麗にピッタリとラインが引けない場合もありますが、
概ね上記のようなラインが意識されているでしょうか。

ピンク色ラインは先週初めのサポレジ転換したラインであり、
米雇用統計直後に一旦の高値を付けたラインでもあります。

オレンジラインはWボトムのチャートパターンを形成した時のネックラインですが、
米雇用統計後には再び下方向へブレイクしています。

赤色ラインは現時点でのサポートラインであり、
今週はこのラインの攻防から始まりそうです。

デイトレとしての総合判断

日足チャート、4時間足チャート、1時間足チャート全て下降トレンドなので、
まずは売り目線でトレードする事になりそうです。

しかし、現在は1時間足チャートでのサポートライン手間に位置しているので、
ここから売りを仕掛けるのはタイミングが悪いですね。

ショートのエントリーを考えるのなら、
1時間足チャートの赤色ラインを割ってからの方が良いでしょう。

もしくは、一旦1時間足チャートのオレンジライン付近まで戻してからの
再下降を戻り売りすることもできそうです。

では逆に、どういう状態になったら買い目線に変更できるのか、というと、
一番早い段階では、1時間足チャートのオレンジライン
上向きにブレイクしてからですが、あまり確度は高くなさそうです。

できれば、4時間足チャートにおけるオレンジライン
越えてからの方が良いでしょうか。

そこまで上げるようなら、4時間足チャートでは
Wボトム形成後のネックライン超えというチャートパターンになりそうですし、
また、+1σも越えてくるので、より安心してロングできそうです。

しかし、日足チャートで-1σ以下に位置していれば、
大枠では下降トレンドの最中” という認識でいる必要があり、
あまり利大は望まない方が得策かもしれません。