トレードを行う際に、”直感“は必要なんでしょうか?
まず前提として、
何も勉強せずに、その場の直感だけでトレードを繰り返しても
勝てるようにはならないことは明白です。
では、直感は必要ないのかというと、
そうではなくて、”直感の使いどころ“が違っていると思います。
私の場合、直感を意識してトレードしているわけではないですが、
無意識のうちに使っていることは認めたうえで、
「直感はあるに越したことはない」
という見解です。
しかし、”直感の使いどころ”としては、
何もないところからいきなり直感を使っているわけではなく、
手法⇒裁量⇒直感
という順番で使っているイメージでしょうか。
例えば、私の場合なら、
自分の手法に「マーフィーのFX投資術」の遅行スパンを取り入れており、
ロングエントリーの際には、遅行スパンの陽転を必須条件にしています。
しかし、チャート形状によっては、
微妙な判断を強いられるケースもあります。
例えば、
遅行スパンがローソク足の上ヒゲに僅かに重なっていたり、
遅行スパンがあと数PIPSで陽転しそうだったり、
遅行スパンが次のローソク足では陽転確実なんだが、、、
というように、
自分のルールの内外で判断に困るケースも起こります。
そんな時は、通常使っていないサブのエビデンスを確認して、
エントリーするか or エントリーしないかを検討しますが、
それは”裁量“という分野でしょう。
そうした裁量を経たうえで、
「これならいけそうだ」 or 「いや、やめた方が良い」
というひらめきが”直感“に当たる部分でしょうか。
最初から直感で行動しているわけではなくて、
手法⇒裁量⇒直感という順番を経て、
最終的に直感で決めるケースも無くはない、
という感じです。
私は基本、ロジカルに動きたいタイプなので、
できるだけ裁量や直感に頼らないトレードをしたいんですが、
そうはいっても、チャートは生き物なので、
どうしても裁量判断は必要だと理解していますし、
最終的には直感に頼らざるを得ないケースもあると理解しています。
記憶のデータベース量を増やすと直感が磨かれる!?
直感という言葉の定義ですが、
「人がそれまで生きてきたことで得た知識や経験をもとに、
脳が潜在意識の中で瞬間的に下した結論」
という事ができるでしょう。
直感というと、
“何もないところから突然パッとひらめく”
というようなイメージを持ちますが、
そうではなくて、
“脳が過去に蓄積した記憶のデータベースの中から
瞬間的に論理的思考を行って答えを導き出してくれる機能”
と言い換えることもできます。
ここで重要なのが、
“過去に蓄積した記憶のデータベース”
です
つまり、過去に蓄積した記憶のデータベースの量が少ないと、
間違った直感が働いてしまい、
間違った結論が導き出されてしまう確率が高まってしまいます。
逆を言うと、
過去に蓄積した記憶のデータベースの量が多いと、
正しい直感が働いてくれて、
正しい結論を導き出してくれる確率が高まるんですね。
ということは、
直感を磨くためには、直感の精度を高めるためには、
経験や知識を増やしていくことが重要なポイントになるわけです。
誰もが知る将棋界のトップ棋士である
羽生善治竜王の著書「直感力」の中の一節を紹介します。
直感は、本当に何もないところから湧き出てくるわけではない。
考えて考えて、あれこれ模索した経験を前提として
蓄積させておかねばならない。また、経験から直感を導き出す訓練を、
日常生活の中でも行う必要がある。もがき、努力したすべての経験をいわば土壌として、
そこからある瞬間、生み出されるものが直感なのだ。それがほとんど無意識の中で行われるようになり、
どこまでそれを意図的に行っているのか
本人にも分からないようになれば、
直感が板についてきたといえるだろう。さらに、湧き出たそれを信じることで、
直感は初めて有効なものとなる。
直感に100%の精度、正解など有り得ませんが、
どの分野であっても、初心者の直感と熟練者の直感とでは、
後者の方が信頼でき、確度が高い傾向にあります。
どれだけ、もがき苦しんだのか、どれだけ努力したのか、
それが直感に反映されます。
私のこれまでのトレード経験から言うと、
直感が正しかったケースと直感が間違っていたケースを比べると、
直感が正しかった割合の方が多いでしょう。
それはなぜか、、、
やはり、これまでの10年以上に及ぶトレーダーとしての経験値が
直感を正しい方向へ導いてくれているんでしょう。
トレーダーとしての知識や経験と同じように、
トレーダーとしての直感も一朝一夕で得られるものではありませんね。