「押目が取れたら一人前」という相場格言がありますが、
トレードの基本は押目買い、戻り売りです。
しかし、その「押目」や「戻り」の定義というのは、
決まった計算式があるわけではなく、
トレーダーによってその扱いは違ってきます。
例えば、押目を計測する際には、
1.インジケーターを使うのか
2.プライスアクションを使うのか
の2択に分けることができるでしょう。
また、押目のタイミングとしては、
3.調整で下げている最中でエントリーするのか
4.調整で下げた後の上への反転を確認してエントリーするのか
の2択に分けることができるでしょう。
どんなやりかたであっても、
トレーダーにとってシックリきて期待値>1であれば
何でも構わないんですが、
以下では参考例として、上記の2番と4番の組合せを解説します。
つまり、プライスアクションを使って
反転を確認してからエントリーする方法です。
プライスアクションでの押目買いの解説
プライスアクションというと抽象的で分かりにくい
と感じる方もいるかもしれませんが、
要するに、チャートの高値と安値に注目し、
その並び方で現在のトレンドを把握しようとするやり方です。
プライスアクションを使って
反転を確認してからエントリーする方法の典型例を以下に示します。
上記は押目買いの例ですが、
俯瞰的に上昇トレンドで買い優勢の展開となっていますが、
直近では調整によって高値と安値が切り下がり、
短期的な下降トレンドになっています。
しかし、最新の価格では直近の高値
(水平に引いたオレンジライン)をブレイクしたことで、
高値と安値の切り下がり関係が終わっています。
つまり、上記チャートでのオレンジラインを超えたことで
調整の下落は終了し、元の上昇トレンドへ回帰したと認識し、
押目買いによるロングエントリーができると判断します。
要するに、調整の下落トレンドの終了、且つ、
押目からの反転上昇のサインとして、
“直近高値のブレイク”
を利用するわけですね。
上記は押目買いでの例ですが、
戻り売りの場合でもチャートが上下対称になるだけで
考え方は一緒です。
プライスアクションでの戻り売りの実践例
では、この押目買い、戻り売りの動きを
実際のチャートで見てみましょう。
以下は先日(23日)のチャートですが、
どれも戻り売りのパターンです。
注目すべき高値と安値がどれなのか分からない場合は、
MT4にも標準装備されている[ZigZag]という
インジケーターを使いましょう。
このインジケーターを使えば、
自動で高値と安値をラインでつなげてくれるので、
チャートの山と谷が視覚的に分かりやすくなります。
EURUSDの15分足チャート
まず、俯瞰的に下降トレンドになっている事が分かります。
青色ラインはMA(84)で、これは1時間足のMA(21)に相当し、
このラインが下向きになっていれば
執行時間軸(15分足)に対して大きな時間軸(1時間足)が
下降トレンドなので、ショートのみを仕掛ける、
という方針でも良いでしょう。
そして、俯瞰的には下降トレンドであるものの、
23日の前半までは、ジグザグの赤色ライン[ZigZag]を見ると
高値と安値が切り上がっており、
短期的には調整による上昇トレンドになっている事が分かります。
そこで、直近の安値(オレンジライン)に注目し、
ここを割れれば高値と安値の切り上がり関係が終了し、
元の下降トレンドへ回帰したと認識し、
戻り売りによるショートエントリーができると判断します。
そこで、横向き赤色矢印によるショートエントリーです。
利確の目標位置は前営業日の安値、且つ、
数字的な節目(1.1000)あたりに設定して無事到着しました。
EURJPYの15分足チャート
最初の横向き赤色矢印矢印でショートエントリーし、
次の横向き赤色矢印矢印で利確決済です。
俯瞰的な流れは先のEURUSDと一緒ですね。
全般、下降トレンドでしたが、
途中から高値と安値が切り上がって、
一時的に調整による上昇トレンドとなる。
そこで、その上昇トレンドの安値(オレンジライン)に注目し、
そこを割った時点で上昇トレンドが終了、
下降トレンドに回帰したと判断してのショートエントリーです。
このトレードに関しては、クロス円だったこともあり、
他の通貨ペアの同期を確認しながら利大を目指しての利確です。
この日は全部で2回トレードを行い2勝0敗、
合計で+77.8PIPSの獲得となりました。
今回は15分足を執行時間軸にしましたが、
おそらく1分足以外なら有効に機能するでしょう。
高値と安値に注目した押目買い、戻り売りの手法としては
今回のチャートは教科書的で分かりやすかった部類に入りますが、
ここまで綺麗なパターンはそれほど頻繁には出現しないでしょう。
なので、メインの手法としてではなく、
サブの手法の一つとして頭の片隅に留めておく
くらいが良いのかもしれませんね。