筋肉や脳は使わないと退化していきます。
宇宙飛行士は重力がない宇宙へ行くと筋肉を使うことがないので弱ってしまい、
地球へ帰還した時には自力で立ち上がることも困難な状態になる、
というのはご存じだと思います。
そこまでいかなくても、私の場合、過去に1週間ほど病院で生活したことがあり、
その際には、ほぼベットで横になって生活していたのですが、
退院後には足腰がおぼつかず、フラフラしてしまい、
普通に歩くだけでも時間がかかったことを覚えています。
このように、筋肉は使われない状態が続くと萎縮してしまい、
筋肉量が減少してしまうことを”廃用性萎縮“といいます。
また、脳に関しても、
読書や日常会話、学習などを避けたりすると脳の機能が衰えていき、
これが高齢者の場合だと認知症のリスクが高まっていくことが知られています。
そこまでいかなくても、新しいことを学ばず、毎日同じことの繰り返しだけで、
単調な生活を続けていると、記憶力や注意力が低下していき、
脳の容積も徐々に減っていくと言われています。
しかし逆を言うと、脳は使えば使うほど成長していきます。
面倒くさいことや手間のかかることをやっている時には、
脳には適度な負荷がかかっている状態になり、神経接続回路が増加して、
脳の機能が回復・強化されていきます。
このように、脳は怠ければ怠けるほど退化していき、
使えば使うほど成長していくことを”神経可塑性“といいます。
現代社会においては、肉体的に、及び、精神的に楽になるためのツール、サービスが蔓延しています。
人間は楽をしたい生き物なので、どうしてもそうしたツール、サービスを利用してしまいがちです。
しかし、それによって筋肉や脳の使用時間が減ってしまっては意味が無いですね。

経験不足では”何が有益か”すら判断できない
サッカー元日本代表の本田圭佑氏が、とあるインタビューの中で以下のように話しています。
質とかって、めちゃめちゃ働いた奴が言う言葉であって、
量をやってない奴に質を語る権利無しと思ってるんですよね。サッカーも一緒じゃないですか。思いっきりたくさん練習して、
怪我もしてないのにどのフェーズまで行ったら疲れて怪我するのかなんて分からない。
いっぱい動いて病気しないと、質なんて分からないですよ。
これは働き方改革というテーマの中で、本田氏が仕事とサッカーを関連付けて語った中での一節です。
全くその通りです。
質について語れるのは、量を沢山こなした人だけです。
どの分野でもそうですが、経験不足の人に
「どうすれば仕事の質が向上するか」
「どうすれば仕事が効率的になるか」
なんて分かるはずはありません。
後から振り返れば、その努力は無駄だったかもしれません。
しかし、後から振り返れば、確実に有益だった努力はあります。
その努力が自分にとって有益なのか or 無駄なのか…
そんなことは経験不足の本人には分かりません。
だから、まずは沢山量をこなして経験値を貯めて、
その分野についてたくさんの知識を身につけて、スキルを習得する必要があります。
経験値が貯まった結果、有益なもの、無益なもの、その全てが分かり、
次の段階として、有益なものを組み合わせて効率化ができ、
その結果、仕事の質が向上するわけです。
「若い時の苦労は買ってでもしろ。」
という諺(ことわざ)があります。
最近の若者はこのことわざを聞くと、
「そんなに苦労したいんなら売ってやるから買ってくれよ。」
「なにそれ?クソ胡散臭い」
と反応する人も一定数存在するようです。
残念ですが…楽して生きたい、嫌なことはしたくない、成長を放棄した人の発想です。
苦労というのは、他人に差をつけるチャンスでもあります。
ある人が「楽して生きたい」と苦労を避けている間に、
別の人はその苦労を率先して引き受け、努力を重ねる。
5年先、10年先にはその二人のスキル差は取り返しがつかないほど広がっているでしょう。

量をこなしたからこそ、自分にとって本当に必要なものが見えてきた
トレードでも楽をしたがる人がいます。
FX用語やルールを学んだだけで何の努力もせずに、すぐにリアルトレードをする人がいます。
高勝率を謳っているツールを導入するだけで勝てると思っている人がいます。
インフルエンサーの言われた通りに売買すれば勝てると思っている人がいます。
書籍に書いてあった手法を真似れば勝てると思っている人がいます。
ナンピンすれば勝てると思っている人がいます。
どうしてそんなに自分の頭で考えるのを避けるんでしょうか?
トレード手法を構築することが面倒ですか?
過去チャートで検証することが面倒ですか?
実践した取引データをエクセル等でまとめるのが面倒ですか?
データを分析して手法をブラッシュアップするのが面倒ですか?
ブラッシュアップした結果、期待値>1の手法が見つからず、
再度、一からトレード手法を考えるのが面倒ですか?
これらの作業を行わず、嫌なことを避けて、楽をして、
順風満帆に安定的にトレードで利益を出し続けることができると思いますか?
ツールを使うなと言っているわけではありません。
書籍を読むなと言っているわけではありません。
何をしても良いですが、「量をこなしましょう」と言いたいんです。
まずは沢山量をこなして経験値を貯めて、
トレードという分野についてたくさんの知識を身につけて、スキルを習得する必要があります。
経験値が貯まった結果、有益なもの、無益なもの、その全てが分かり、
次の段階として、有益なものを組合せて効率化ができ、
その結果、トレードの質が向上するわけです。
量をこなさないと、
自分にとって本当に必要なものは何なのか、
自分にとって効率的なツールは何なのか、が見えてきません。
環境認識に関するロジックが必要なのか、
タイミングを掴むインジケーターが必要なのか、
為替全体を監視するツールが必要なのか、
押目買い/戻り売り系が自分に合っているのか、
ブレイクアウト系が自分に合っているのか…
こうしたことは量をこなさないと見えてきません。
私の場合、過去にはビクトリーメソッドというFX商材でトレードを徹底的に学習しました。
その結果、環境認識の重要性を知り、
マルチタイムフレーム分析を駆使した自分なりの環境認識の方法を確立することができました。
しかしその反面、エントリータイミングの正確性が欠けている弱点にも気付いていました。
その弱点を補うため、次にスパンモデルというFX商材で
エントリータイミングを徹底的に学習することになります。
また、手法構築の学習過程で、
「既存のインジケーターではなく、
もっと自分の手法にフィットしたインジケーターを使ってトレードの質を高めたい」
という思いから、MQL4言語を使った自作インジケーターの開発にも励むことになります。
こうした学習の経緯は、
“量をこなしたからこそ導き出された私だけの学習工程”
です。
そして、
“量をこなしたからこそ、質を語る資格を得ることができた”
わけです。
量をこなしていない状態では、
自分はエントリータイミングが弱点だとは気づけないですし、
トレードの質を高めるための自作インジケーター開発の段階に進むこともできません。
無駄なこともたくさん経験したからこそ今の私が存在する…それは断言できる事実です。
無駄なことから避けないでください。最初から質を求めないでください。
効率なんか考えずに、沢山経験しましょう。



