トレードという行為を、
「未来のチャートの動きを予測する事」
と思っていませんか?
トレーダーは意識する、しないに関わらず、
知らず知らずのうちにそうした目線でチャートを見てしまう傾向にあります。
でも本当に必要な事は、未来を正しく予測する事ではないはずです。
本当に必要な事とは、
現時点のチャートの形状などを適切に分析し、
現時点で買い優勢なのか、売り優勢なのかを適切に判断し、
現時点がトレード執行に価値ある状態なのかを見分ける事です。
例えば、レートが上値抵抗線付近まで上げてきて、
「ここを抜けていけば、上昇トレンドになる」
という場面はよくあります。
また、上昇トレンドの最中の一時的な調整の下げが起きており、
「再度上げてくれば、押目買いができるかも」
という場面はよくあります。
そうした場合は、これから起こる未来の出来事を予測するのではなく、
上値抵抗線を抜けた事実、調整の下げが終わった事実を認識して、
「適切に対処していく」事が求められます。
俗にいう「相場のことは相場に聞け」
という格言をそのまま実行する能力が必要なわけです。
「今、突きつけられている客観的事実を認識して、
それに対して適切に対処する」
それがトレードを行うという事です。
しかし、今突きつけられている客観的事実を認識しても、
それがいつも正しい判断とは限りません。
上値抵抗線を抜けた事実を認識してロングしたのに、
再び、上値抵抗線の下へ戻ってしまう事もあります。
仮にそうなってしまった場合でも、
戻ってしまったという事実を認識して、それに対して適切に対処するだけです。
つまり、損切り、もしくはストップの設定値まで様子見するだけです。
FX初心者の人には、損切りにあわないように、
ダマシ回避の方法をいろいろ模索してみたり
また、ダマシにあってしまった場合に、
その原因は何なのか、いろいろ調べている人もいますが、
そうした行為は、トレードの上達とはあまり関係ないように思います。
こうした行為は、
トレードに確実性や聖杯を求めている心理状態となっている証拠です。
相場の不確実性を心から理解、納得していない事の表れです。
トレードとは、数学の方程式のように決まった答えがあるわけではありません。
いくらオシレータ系の数字をこねくり回して、四則演算を繰り返しても
正しい答え、聖杯は見つかりません。
トレーダーに必要なのは、適切な対処であって、正しい対処ではありません。
適切な対処と正しい対処は、意味が違います。
不確実性の中での正しい対処はできないはずです。
トレードとは、ただ事実を認識して、
傾向に則って今を適切に対処する行為の事です。