1900年代前半、つまり今から100年ほど前に商品相場で財を成した
ウィリアム・デルバート・ギャンという人をご存知でしょうか?

知っている人も多いと思いますが、ギャン理論という投資法を開発した方であり、
今でも語り継がれている伝説のトレーダーですね。

最近ではいろんなところにカリスマトレーダーがいらっしゃるようですが(笑)
彼こそが本物のカリスマトレーダーと呼ばれています。

そんな彼が考案した

ギャンの価値ある28のルール

という投資に関するルール集はとくに有名ですね。

FXを始めて間もない、投資を始めて間もない初心者の中には、
このルールを聞いた事がないという人もいるかもしれませんが、
投資の勉強を続けていれば、いつかは必ず巡り合うことになるルール集ですので
ここで紹介しておきますね。

ちなみに、この「ギャンの価値ある28のルール」は
100年前に考え出されたものであり、しかも、
彼が得意としていた商品相場用のルールなので、
FXにそのまま当てはめにくいルールもありますが、
その考え方自体は投資全般に有効であり、今でも十分に通用するものばかりです。

100年前のルールなんて古過ぎて使えないのでは?

相場の原理、勝つ為の思考はいつの時代も変わりません。

そもそも古さを感じてしまうような相場の原理、勝つ為の思考は
もともと相場の原理、勝つ為の思考ではなかった、という事です。

100年も前に発表されたにも関わらず、今でも多くのトレーダーによって語られ、
自身のルールとして採用されているという事実からも
相場の本質を突いているルール集である事が分かると思います。
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「ギャンの価値ある28のルール」

  1. 資金の1/10以上損失が出るような掛け方はしない。
  2. 毎度ストップロス・オーダーを置け。
  3. 過剰な売買をしない。資金配分を守る。
  4. トレーリングして利幅を増やす。
  5. トレンドに逆らわない。
  6. 迷ったらトレードしない。
  7. アクティブなマーケットでのみ取引する。揉み合いには手を出すな。
  8. 1銘柄に全力投入なんてしない。2~3銘柄でリスクを分散する。
  9. 指値注文はせず、成行のみで取引すること。
  10. 充分な理由がないのに手仕舞わない。
  11. トレードで儲けた黒字分は別に分けて管理すること。
  12. スキャルピングはしない。
  13. ナンピンはしない。
  14. 耐えよ。焦るな。
  15. 小さな利益と大きな損失を避けよ。
  16. ストップロス注文を置き、これをキャンセルしない。
  17. 頻繁な売買は避ける。
  18. 空売りも有効に使え。
  19. 値頃感で取引しない。
  20. ピラミッディングも有効に使え。
  21. トレンドが明確な時だけピラミッディングする。
  22. ヘッジの両建てはするな。
  23. 十分な理由がなければポジションを決済してはいけない。
  24. 儲けた後は、取引量を減らす。
  25. 相場の天井/底を推測しない。
  26. 他人の意見には従うな。自分で研究せよ。
  27. 損失が出た後は取引量を減らせ。
  28. 間違ったポジションメイク・間違った決済をしない。

幾つか同じような意味で被っている項目もありますが、
そのままFXにも適用できるものがほとんどですね。

これらをFXにおけるデイトレ、トレンドフォロースタイルとして
幾つか補足しておきましょう。

1.資金の1/10以上損失が出るような掛け方はしない。

資金の1/10とは10%となりますが、FXでは大き過ぎますね。
1回のトレードにおける損失額は資金の1%程度ほどにしておきましょう。

目安としては5連敗しても精神的なダメージを受けないくらいの損失額です。

1回のトレードにおける損失額を10%にしてしまうと、
5連敗ではおおよそ資金が50%強になってしまい、とても耐えられないでしょう。

2%としても、5連敗すると10%程度の減少となり、
人によっては次のトレードに精神的な影響を与えてしまいます。

よって基本的には、損失額は1%とするのが妥当でしょう。
3.過剰な売買をしない。資金配分を守る。

ポジポジ病を戒めるルールですね。

たとえデイトレだとしても、トレードしない日があっても当然だと思いましょう。

私はマイルールにあわなければ、2~3日トレードしなくても全然平気です。
10.充分な理由がないのに手仕舞わない。

もう十分に上げた」とか「心理的に耐えられない」などは
手仕舞いの理由にはなりません。

事前に決めた手仕舞いの条件に一致しなければ、
いつまでも保有し続けるのが当たり前です。

これは利確の場合、損切りの場合、どちらもです。
13.ナンピンはしない。

ナンピンはトレーダーの最大の誤りである」としています。

私のこのブログでも何度も記事にしているように、
ナンピンは人間心理の弱さを突いた麻薬であり、
決して手を染めてはいけないテクニックです。
15.小さな利益と大きな損失を避けよ。

大幅含み益だったものが、急激な反転によって
小幅利益で終わってしまう場合は仕方ないですが、
トレンドフォローという方針で臨む限り、

小さな利益なんて必要ない

と思いましょう。

マイルールに一致していない状態で、小幅利益で手仕舞うくらいなら
ストップにかかって損切りになってくれた方が自分のためになります。
20.ピラミッディングも有効に使え。

含み損の時には平気でナンピンするのに、
含み益の時に買い増しできるトレーダーは少ないですね。

本当なら、ピラミッディングを使えば更に利益が増えるはずですが、
これほど心理的に難しい行為もないでしょう。

ピラミッディングを平気でできるようになれば上級トレーダーです。
私はやってません。。。
25.相場の天井/底を推測しない。

あなたが

もうそろそろ天井だろう
もうそろそろ底だろう

と思ったとしても、そんな個人的な推測はトレードに意味は無いです。

相場は天底を当てるゲームではなく、流れに乗るゲームです。

まだ起こっていない未来の転換を当てるより、
今起こっているトレンドという事実に従う方が価値があります。
26.他人の意見には従うな。自分で研究せよ。

マイルールを信用して、忠実に従う事ができるようになる為には、
自分で検証を重ねて、そのルールに対する確信を持つ事が一番です。

他人に言われた手法を自分で検証せず、そのまま鵜呑みにした状態で、
果たして長期的に使っていけるでしょうか?
27.損失が出た後は取引量を減らせ。

損失が出た後はすぐに挽回したいですよね。

でも、”挽回” なんて個人的な理由をマーケットに持ち込んでいると、
いつかは大損失を受ける事になります。

1回損切りとなる度に次のトレードの取引量を毎回減らす必要はないですが、
一定期間のトレードで想定したパフォーマンスが得られないなら、
取引量を減らして様子見、もしくはトレードを一旦中止して
マイルールの再検証をする必要があります。

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市場から退場してしまった人というのは、具体的な手法以前に
上記28個のルールのうちのどれかが守れなった人です。

たった28個のルールを守るだけで無駄な損失を防ぐ事ができ、
市場に生き残る可能性が高くなります。

なので、できればメモしたり付箋に書いたりして
常に目が行く所に張っておいて、読めるようにしておきたいですね。