FXに限らず、どの分野の職業でも、一人前になるには経験が必要です。

当たり前のことですね。

医師、アナウンサー、保育士、料理人、声優、、、
特に専門色の強い分野ほど、長年の経験がものをいうでしょう。

トレーダーという職業も(職業として認識しているかどうかは別として)
一般的には専門色の強い分野といえるので、
やはり経験を積んだ方が何かと有利になります。

しかし、FXというのは、誰でも簡単に証券会社に口座を開設できますし、
少額から始められるので、

「物は試し!」

で、興味本位でリアルトレードを始めてしまう人が多いです。

それで勝ち続ける事ができれば良いのですが、、、まぁ、無理でしょう。

医大を卒業したばかりの新米医師にメスを持たしても、
発声練習しかしたことのない新米アナウンサーに原稿を渡しても、
子供が好きなだけの新米保育士に子供を預けても、
まともな仕事はできないです。

それと同じで、ルールを覚えただけのFX初心者にチャートを見せても
まともなトレードはできないです。
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トレード歴が長くなってくると、
それまでのトレードの積み重ね、経験の積み重ねが重要だと分かってきます。

特に、FX初心者と年単位のトレード経験のある人だと、同じチャートを見ていても
チャートの見るべきポイント、というか
チャート自体の見え方が違ってくるでしょう。

また、同一人物でも、
参考書を読んだ程度の数ヶ月くらいしか経験のない初心者時代と、
何年もチャートを見続けて毎日データを取り続けた中堅時代とでは、
やはり、チャート自体の見え方は違ってくるものです。

私がそうでしたから。

私の初心者時代、本気でトレードで勝ちたいと思ってからは、
自分のトレード履歴に関しては、
その時のチャート画像と共にデータを保存するようにしています。

しかし、今改めてその時のトレード履歴を振り返ってみると、
全然的外れな事を書いていたり、見るべきポイントが違っていたりするんですよね。

今の私からすると、

どうしてこのサポートラインに気づかないの?
なんでここでロングを仕掛けられるの?
注目すべきポイントはそこじゃないよ!

と、初心者時代の自分にツッコミしたくなることばかり書いています。

特に今と大きく違うところは

  • チャートを大きく見る事ができず、直近の動きしか注目していない
  • インジケーターの動きばかり注目している

でしょうか。残しているコメントが、ほんと幼稚なんですよね。

今振り返ると不思議なくらい、“部分”でしか見ていません。
最新のローソク足20~30本だけの動きばかり注目しているんですね。

初心者ほどチャートを近視眼的に見てしまう傾向にありますが、
私も同様な傾向にあったんですね。
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このようなチャートの見方に対する悪い癖を直すためには、
商材などから正しいチャートの見方を学びつつ、
それに則って毎日のようにチャートを見続ける事が必要です。

俯瞰的にチャートを見る事ができているのか。
皆が意識するであろうレジスタンスライン、サポートラインはどこなのか。
高値は切り下がっているのか、安値は切り上がっているのか。

毎日のように “正しくチャートを見る” という経験を積んでいけば、
徐々に自身の脳が “チャート専用の脳” に切り替わっていきます。

脳科学者で有名な茂木健一郎さんは、

脳の回路は筋肉と同じで使えば使うほど太くなる

と仰っています。

脳は外部から刺激を受けると、神経細胞に電気信号が走って、
他の細胞とつながり、回路が作られていきます。

細胞と細胞のつなぎ目は “シナプス” と呼ばれ、
繋がったばかりのシナプスというのは細くて弱いものですが、
関連する刺激を何度も受け続けると、徐々に太くて強固なものとなり、
より情報が通りやすくなります。

そして、回路自体も増え続け、
その刺激に対する巨大で頑丈な神経ネットワークが出来上がっていくと、
その刺激に対する才能が少しずつ開花するようになっていきます。
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こうした脳内の神経ネットワークの形成には
どうしてもそれなりの時間経験が必要となってきます。

たとえば、全く同じ勝てる手法をFX初心者と経験者に教えた場合、
経験者は勝てますが、初心者は勝てない、という事は普通に起こり得ます。

なぜなら、
チャートを見る能力“という神経ネットワークが細いか太いかで、
チャートに対する解釈、手法に対する解釈、ひいては裁量余地、マインドの置き方
などが違ってくるので、
それがエントリーと手仕舞いの違いとして表れてくるからです。

手法やマインド、資金管理などは言葉で教える事はできますが、
経験は教える事はできません。

楽して一人前になりたい、短期間で一人前になりたいと誰でも思いますが、
それは他の職業と同様に無理です。

本当に一人前になりたい、本当に勝ちたいのなら、
初心者のうちから継続的に経験していきましょう。