マルチタイムフレーム分析をする際に、
各時間軸で方向性が違っている状況は時々起ります。
例えば、デイトレで5分足チャートをメインの時間軸と見ていて、
それよりも大きい30分足チャートや4時間足チャートの方向性を確認して、
その向きに仕掛けようとする場合を考えてみましょう。
この時に、
30分足チャート、4時間足チャートが共に上昇トレンドなら買い方針で臨み、
30分足チャート、4時間足チャートが共に下降トレンドなら売り方針で臨む
事ができます。
しかし、相場はそんな分かりやすい場面ばかりではなくて、
30分足チャートが上昇トレンドで4時間足チャートが下降トレンド、
30分足チャートが下降トレンドで4時間足チャートが上昇トレンド、
というケースもあるので、
その場合、どちらを優先したらよいのか、どのような方針で臨んだらよいのか、
迷ってしまう訳ですね。
以下に参考チャートを載せますが、
このチャートは先月7月分のEURJPYの4時間足チャートですが、
見ての通り、全般的に下降トレンドになっている事が分かりますね。
でも、1ヶ月という長い期間全てにおいて、ずっと下げ続けている訳ではなくて、
その時々においては、赤色丸枠で示したような買い戻しの上昇トレンドが
優勢になっている場面もあります。
その部分的な上昇トレンドを30分足チャートで拡大して見たものが、
その下に追加した2つのチャートであり、
それなりに+1σに沿った綺麗な上昇トレンドを描いており、
デイトレという短いタームにおいてもロングを狙えそうな形状となっています。
このように4時間足チャートで俯瞰的に見ると下降トレンドだが、
30分足チャートで少し拡大して見ると上昇トレンドになっていて、
各時間軸で方向性が異なっているために迷うんですね。
ではこの場合、どのような方針で臨んでいけば良いのか。。。
複数の時間軸の方向性が違っている場合の考え方
基本的には2つの考え方があって、
まず、デイトレという短いタームにおいては、
4時間足チャートにおける生成ローソク足は2,3本程度となるので、
その間に4時間足レベルでトレンドが急激に変化する可能性は少ないでしょう。
ですので、まず第一の考え方として、
あくまでも4時間足の流れに沿った方向のみに仕掛けるように
方針を固めるやり方が考えられます。
上記の場合でも、
30分足チャートの上昇トレンドは、分かっていてもエントリーせずに無視します。
そしてその後に、30分足チャートでも下向きが優勢となり下降トレンドとなって、
4時間足チャート、30分足チャートが同方向になった場面だけを狙うようにします。
これがシンプルで一番分かりやすいでしょう。
要するに、複数時間軸でマルチタイム分析をする時には、
自分が見ている一番大きな時間軸に沿った方向だけに仕掛ける方針ですね。
30分足と4時間足を見ているなら4時間足の方向性、
15分足と1時間足を見ているなら1時間足の方向性、
4時間足と日足ならを見ている日足の方向性、
自分が見ている一番大きな時間軸の方向だけに仕掛けるようにします。
あれこれ迷わず、こうして方針を決めてしまう事が最もお勧めのやり方です。
しかし、これだとエントリー回数が少なくなってしまう事も確かです。
そこで第二の考え方として、
大きな時間軸と反対方向であると認識しながらも、
デイトレとしてある程度の利幅が期待できる前提のもとで、
利大を目指さずにチャートの節目などで適度に利確する方針で
臨むやり方も考えられます。
上記の4時間足チャートのケースでいうと、
高値の切り下げが見られますし、
右肩下がりの上値抵抗線が引けそうでもありますし、
+1σ付近で頭が抑えれている事も分かりますね。
そうした4時間足チャートの形状を把握したうえで、
それらの節目に到着するまでの短い上昇トレンドを細かく取っていく事もできます。
そうすれば、それなりにトレード回数は増えてくれますが、
しかし、このようなトレードは得てして勝率が低くなる傾向にあり、
また、利確幅も小さくなってしまいますし、
トレード自体も難しく感じると思います。
中級者以上の方ならやっても良いと思いますが、
まずは、トレード履歴をつけて確認してみましょう。
大きな時間軸が全て揃った時のトレードと、
大きな時間軸と逆向きの時のトレードとでは
成績の差がハッキリ出ると思います。
そうしたトレード履歴を見てもなお、
大きな時間軸と逆向きのトレードでも、する価値があると判断できるのなら
やってみても良いでしょう。
更に最後に一点、できるのなら日足チャートも見ておきましょう。
そして、日足チャートが明確なトレンド状態になっていたら、その時だけは、
たとえデイトレでも、日足の方向性だけに絞ってトレードした方が良いです。
例えば、以下はEURJPYの日足チャートです。
トレンドの定義には正解は無いですが、
仮に-1σ割れでの推移を下降トレンドとした場合、
上記の赤色丸枠内にある日は、
デイトレという短い時間枠でも、売りだけを狙うようにした方が賢明でしょう。
スキャルピングという1分足メインではそれほど関係ないですが、
私のこれまでの経験では、デイトレで利大を目指す方針の場合、
日足のトレンドに逆らったトレードは
トータルで見ると、良くてトントンか微幅程度にしか資金が増えないので
トレード回数を重ねるだけ時間の無駄という印象があります。
デイトレで複数時間軸の方向性が違う場合には、
上記の考え方を参考にしてください。