どの分野でも言えることですが、
まず最初に基礎を学習してから、
その基礎を身に付けるための練習が必要になります。

つまり、必要となる知識を頭に入れる学習をしてから、
その知識を実際に利用できるように体で覚える練習をするわけです。

なぜこのような段階を踏むのかというと、
「知っている」と「できる」は全くの別物、別ステージだから
です。

「知っている」とはあくまでも初歩中の初歩であり、
そこから「できる」という状態にまで昇華させる必要があります。

その為に必須なのが、
たくさん練習して、たくさん経験することです。

経験値が貯まれば貯まるほど、「できる」状態に移行しやすくなり、
そこからさらに経験すると、それが「上手く」なります。

経験値無しで「できる」状態に移行するはずもなく
経験値無しで「上手く」なるはずもありませんね。
experi22061101

どの分野も経験なしで上手くいくはずはない

自動車を運転する場合、
教習所に通って技能教習を受けるわけですが、
そこで実際に”運転”という経験をたくさん積みます。

その際に、アクセルをどのくらいの強さで踏めばよいのか、
ブレーキをどのくらいの強さで踏めばよいのか、
半クラッチで足に伝わる振動などを実際に経験して覚えていきます。

こうした感覚は実際に自動車に乗って
自分で運転し、経験してみないことには分かりません。

自動車を運転したいからといって、
こうした経験を全くせずに
いきなり公道に出ることは危険極まりない行為だと
誰もが理解しているでしょう。

私が大学生だった頃、
友人たちと一緒に始めてスキー場に行きました。

それまで私はスキーの経験が全く無かったので、
スキーに関する参考書を購入して、
必要と思われる知識を頭に入れて準備しておきました。

で、実際に滑ってみると、、、
いや、滑るというより転んでる時間のほうが長かったですね。

正直、全く楽しめませんでした。

スキー場が主催している初心者教室みたいなところに参加して
一から教えてもらうべきでした。

FXに興味を持った初心者の人の多くが
参考書を読んだだけで or FX商材を読んだだけで
いきなり身銭を切ってリアルトレードを行います。

でもそれって、
今まで運転した経験のない人がいきなり公道を走るのと同じです。
今までスキー板を付けたことがない人がいきなりゲレンデを滑るのと同じです。

経験値の全くない状態で上手くいくはずもありません。

運転なら大事故にあうでしょうし、
スキーなら大怪我をするでしょうし、
FXなら破産して退場に追い込まれるでしょう。
ski22061102

リアルタイムに動いてる実際の相場を何度も経験する

FXに関する参考書は多いですが、
それを学習しただけで勝ち組トレーダーになれるはずはありません。

他と同様、
「知っている」と「できる」とは別物、別ステージです。

例えば、ブレイクアウト手法は参考書にも載っているであろう
基本的な手法の1つです。

でも、その手法を参考書を勉強した知識だけで
上手く使いこなせる人はいません。

実際の相場を体験し、
ブレイクする前のチャート形状はどのようなものなのか、
レジスタンスラインやサポートラインはどこに引けるのか、
ブレイクした時の勢いはどうなのか、
プルバックが起きるのかどうか
ストップはどこに置けば良いのか、
等々。

こうした判断は、
リアルタイムに動いてる実際の相場を何度も経験することで
徐々に適切になっていくものです。

参考書で「知っている」状態のままで
適切に判断できるはずはありません。

参考書であれ、FX商材であれ、
理論、理屈を学習した後は、
デモトレードで、もしくは、最小限のロットによるリアルトレードで
練習トレードを繰り返し、経験値を積み、
上記の感覚を理解して、
「知っている」から「できる」に昇華させる必要があります。

cando22061103

経験から学ぶことで適切に行動できるようになる

私がまだ初心者時代で株式投資をメインにしていた2008年頃、
リーマンショックという金融危機が起こりました。

私はその時まで株式の大暴落、
いわゆる”セーリングクライマックス”を”経験”していませんでした。

全ての株が大暴落する中、
「これはチャンスだ」
と考えた私は
幾つかの銘柄を購入しました。

しかし残念なことに、私が仕込んだ時期は、
まだ大暴落の初動でしかありませんでした。

そこから底なし沼的な、背筋の凍るような本当の意味での大暴落が起こり、
私が仕込んだ銘柄も当然大きな含み損となり、
心理的に耐えられなくなった私は全ての銘柄を損切りしました。

それから数年、、、
日本人なら忘れることができないであろう
2011年3月に東日本大震災が起こりました。

翌週からの日経平均は大暴落の連続、
今となっては信じられないですが、
日経平均先物にはサーキットブレーカーが発動し、
ほとんどの個別銘柄がストップ安に張り付く事態になりました。

私はその様子を逐一観察し、
今がセーリングクライマックスだと判断して、
ストップ安に張り付いている個別銘柄に片っ端から買いの注文を入れました。

結果的に私の判断は正しく、
その日の午後には全ての個別銘柄がストップ安から一転して大暴騰、
大幅利益となりました。

先のリーマンショック時のセーリングクライマックスの経験が生かされました。

それから数年、、、
記憶に新しい2020年には新型コロナウィルスの感染拡大により、
世界の株式市場は大暴落しました。

それまで順調に高値を更新し続けていたNYダウも当然ならが大暴落、
僅か1ヶ月ほどで40%の下落、
直近3年間分の上昇幅を一気に取り消す事態にまで下げました。

私はその様子を観察し、
NYダウが30%ほど下げたあたりから
幾つかの米国株を分割投資しました。

そこからNYダウが下げるたびに余剰資金で
米国株を追加購入していく戦略を取り、
結果的にはそこからのNYダウのV字回復を享受することができ、
こちらも大幅利益となりました。

先のリーマンショック時のセーリングクライマックス、及び、
先の東日本大震災時のセーリングクライマックスの経験が生かされました。
down22061104

セーリングクライマックスが起きれば買い
と分かっていても実際に経験してみないことには
どのタイミングで、どのくらいの資金を投入すればよいのか分からないものです。

ほとんどのトレーダーはセーリングクライマックスを経験していないので
実際にそれが起きた時には、
ある人は、慌てるでしょうし、
ある人は、欲に目がくらむでしょうし、
ある人は、頭が真っ白になるでしょう。

しかし、実際に経験すれば、
その後の立ち振る舞いが分かってくるようになります。

私もリーマンショック時の経験を反省し
東日本大震災時とコロナショック時には
適切に行動することができました。

以上、経験を積むことがいかに大切なのか
分かっていただけたと思います。

早く儲けたいという気持ちは分かりますが、
そのような一般人と同じ心理状態では儲けることはできません。

経験を積むことが実際には近道になるんですね。