一週間ほど前の記事「FXも将棋も大局観が重要」の続きです。
将棋は駒の動かし方を教わっただけでは勝てるようにはなりません。
"定跡"という勝ちやすい指し方というものがあり、
それ以外にも、戦略や戦術なども多数存在していて、
それらを知っていなければ、勝てるようにはなりません。
例えば、将棋経験者なら誰でも分かっている事ですが、
先手▲2六歩、後手△8四歩、先手▲2五歩、後手△8五歩、と指してきたら、
先手は次に▲7八金とするのが定跡となっています。
もしもそこで、先手▲2四歩と指してしまったら、
もうそこで将棋は終わってしまいます。先手の負けです。
これは将棋経験者なら誰でも知っている当たり前の"定跡"です。
これは一例ですが、将棋では勝つ為に知らなくてはいけない定跡がたくさんあります。
たくさんある定跡を知っていて、はじめて一局の将棋をまともに指す事ができます。
なぜかといと、自分が知らなくて相手が知っている定跡があった場合、
その定跡手順に持ち込まれてしまったら、勝つことが難しくなるからです。
常に勉強し、相手と同等以上の知識を持つ事で、勝てる可能性が高くなっていきます。
更にそうした定跡だけを勉強したとしても不十分です。
多くの対局を経験する事で、実際にそうした定跡を利用し、
局面に応じた戦術や戦略を臨機応変に選んでいく能力を身につける必要があります。
将棋は終盤に行くほど同じ場面は現れてきません。
常に唯一の局面です。
そうした新しい局面で最善の手を指すには、
どうしても経験に裏打ちされた感覚が必要になってきます。
このようにして考えていくと、将棋とFXって似ていると思いませんか?
FXもルールを覚えただけでは、勝てるようにはなりません。
将棋と同じように勝つための定跡のようなものを覚える必要があります。
それが手法だったりロジックと呼ばれるものです。
もちろん手法を覚えただけでも、勝てるようにはなりません。
多くのトレードを経験し、実際に手法を利用して、
チャートの形状に応じた戦術や戦略を臨機応変に選んでいく能力が必要になってきます。
そして、チャートの形状は常に唯一です。
そうした新しいチャート形状で適切な判断を下すには、
どうしても経験に裏打ちされた裁量感覚が必要になってきます。
と書いているうちに、またしても長くなってしまいそうなので、
このあたりで一区切りにしておきます。
次回が「FXも将棋も大局観が重要」の最終話になります。
To Be Continued…