前回の記事では、
将棋に勝つために最も大切なのは戦法ではなく、棋風であるとしました。
勝ちへ導くための思考パターンが棋風にしっかりと反映されていることが重要で、
それさえ確立されていれば、戦法なんて何を選んでも構わないわけです。
将棋のルールを全く知らない人でも、
羽生善治三冠の名前くらいは知っていると思います。
言わずと知れた将棋界のトップ棋士ですね。
将棋界には名人戦のようなタイトル戦が7つあって、
過去には、羽生先生はその7つのタイトルを全て同時に保持したこともあり
羽生七冠と呼ばれていて、ニュースでも大々的に報道されました。
今でもなお、羽生先生はトップ棋士であり、
この記事を書いている時点でも、王位、王座、棋聖、という
三つのタイトルを持っており、羽生三冠と呼ばれています。
そんな羽生三冠の得意戦法は何なのかご存知ですか?
実は、、、
羽生三冠は、プロ棋士の中では珍しく、自分の得意戦法を持っていない棋士と
言われています。
いわゆる、オールラウンドプレーヤーで、
矢倉、相掛かり、腰掛け銀、振り飛車、など、どんな戦法でも指しこなします。
しかも、それらをそつなくこなすんではなくて、
どの戦法で戦っても、高い勝率を維持し続ける事が出来ています。
別の言い方をすれば、全てが得意戦法と言えるのかもしれません。
羽生三冠の場合は顕著ですが、他のトップ棋士でも同様です。
戦法なんて何でもいいんです。
勝つための思考パターンが棋風に反映されていれば、
勝つための戦略がしっかり構築できていれば、
どんな戦法を用いたとしても、高い勝率を維持し続ける事ができるんです。
どんな手法を用いても勝てる人は勝てる
これまで数回にわたって、長々と将棋の話をしてしまいました。
でも、ここまで話せば、私が何を言いたいのか分かって頂けたと思います。
将棋もFXも勝つ為の考え方は一緒です。
棋風という概念をFXで当てはめると、トレード方針だったり、トレード戦略と
言い換える事ができるでしょう。
戦法という概念をFXで当てはめると、トレード手法だったり、トレード戦術と
言い換える事ができるでしょう。
トレード手法にはさまざまなものがあります。
時間軸で言えば、スキャルピング、デイトレ、スイングなどに分けられますし、
仕掛けの位置では、押目買い、戻り売り、高値抜け買い、安値割れ売り、などに
分ける事もできます。
でも、こうした手法は、枝葉の部分であり、
トレードする際の”きっかけ“に過ぎません。
先に、将棋で勝つ為に重要なのは、
「勝ちへ導くための思考パターンであり、
それが棋風にしっかりと反映されているかどうか」
としました。
つまり、FXで勝つ為に重要なのは、
「勝ちへ導くための思考パターンであり、
それがトレード戦略にしっかりと反映されているかどうか」
となります。
トレード戦略とは、
例えば、トレンドフォローだったり、マルチタイムフレーム分析だったり、
損小利大などのトレードする際の方針の事です。
このような、トレードに勝つ為の方針、戦略を自分の性格に合わせて適切に確立し、
そして、それを崩さないマインドを身に付ける事ができれば、
もはやトレード手法なんてものは、本質とは離れた枝葉の部分であり、
それほど重要ではないんですね。
つまり、そのような域に達すれば、
デイトレだろうが、スキャルピンであろうが、スイングであろうが、
どんな手法を用いても勝てる人は勝てるんです。
もちろん、将棋で自分の得意戦法があるように、
FXでも自分の得意な手法というものはあるでしょう。
私の場合は、デイトレでの押目買い、戻り売りを最も多用しており、
それが得意な手法と言えるかもしれませんが、
だからと言って、それ以外の手法を全く用いないという訳ではなく、
相場状況によっては、スキャルピングもやりますし、ブレイク狙いもします。
そして、自分の得意な手法ではないからと言って、
それで極端に成績が悪くなる事もありません。
なぜならば、
勝ちへ導くための思考パターンが
トレード戦略にしっかりと反映されているからです。
逆にいえば、
自分のトレード方針、トレード戦略が確立されておらず、
マインドもフラフラして常にブレている人は、
どんなトレード手法、トレード戦術をもってしても勝てないとも言えます。
“棋風と戦法、方針と手法、戦略と戦術、幹と枝葉~手法なんて何でもよい” への2件のフィードバック