4月上旬から買われ続けてきたユーロですが、
先週久しぶりに大きく失速しました。

ここまで上げてきた原因についてはよく分かりませんが、
一応、欧州圏の指標に改善が見られる事から、
ECBが早くも量的緩和を縮小するのでは、
という憶測によるユーロの買い戻しのようです。

しかし、今週の要人発言などで量的緩和についての方針に変化なし
という見解が示された事で
改めてユーロが売り直された格好となりました。

また、ユーロに関しては、ギリシャ問題が依然として不透明のままですが、
こちらはネタとして扱われるのには古くなってきたんでしょうか、
最近はそれほど敏感に反応しなくなってきていますね。

そこで今回は、
マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのユーロドルのシナリオを考えてみます。

ユーロドル日足チャート
eurusd1d15052401
ユーロドルは一時はパリティーに向けて一直線に下降するのかと思いきや、
4月上旬から自律反発して上昇トレンドに転換していきました。

しかし、先週には+1σを明確に割れて、
再び下方向へ動き出したようにも見えます。

ここからのポイントは、オレンジライン赤色ラインでしょうか。

オレンジラインは過去に何度か止められたサポートラインで、
赤色ラインは、Wボトムを形成した時のネックラインですね。

この2つのラインは距離的にも近いので、どちらが効くというよりも、
このライン間を幅を持たせたゾーンという意識で、
この辺りではそれなりに売り買いの攻防が集中する価格帯と捉えていたんですが、
最新のレートでは、このゾーンを割ってきたようにも見えますね。

赤色ラインはヒゲの先端から引いていますので、
まだハッキリ割れたとは言えないですが、
価格的には1.1000割れにも注目した方が良いでしょう。

一応、数字的な節目でもあるので、
1.1000を割れたら売り目線とした方が良さそうです。


ユーロドル4時間足チャート
eurusd4h15052402
オレンジラインで何度がサポートされた形跡が見られますが、
直近ではこのラインを割れてきました。

よって4時間足単体ではオレンジライン以下にレートがあれば、
売り目線で見ていく事になります。

しかし、明確なスクイーズを経てからのブレイクではないですし、
特定のチャートパターンを形成してからのブレイクでもないので、
個人的にはあまり好きではないですね。


ユーロドル1時間足チャート
eurusd1h15052403
先週初めの一方的な下落トレンドが終わった後は、
オレンジラインのような上昇チャネルを形成していました。

しかし、金曜日に発表された米消費者物価指数が市場予想を上回った事で
ドル買いが強まり、一気にサポートラインをブレイクしていきました。

また、指標発表後には大陰線が2つ続いて、
その時の安値付近で短期的なサポートラインが形成されているようにも見えます。

急落後なので、一旦反発する可能性もありますが、
-1σ以下にあれば売り目線で見ていきます。

デイトレとしての総合判断

日足チャート、4時間足チャート、1時間足チャート、全てにおいて
サポートラインを割れているので、全体的には売り目線で見ていく局面でしょう。

しかし、日足チャートにおける赤色ライン付近の攻防が
イマイチはっきりしないのが気になりますね。

日足レベルのラインだと、数十PIPSのオーバーシュートは普通に有り得るので、
やはり先にも書きましたが、数字的な節目である1.1000割れを待ってから
具体的なエントリーを検討した方が良さそうです。

では逆に、どうなったら買い目線になるのかというと、
一番近い位置だと、4時間足チャートにおけるオレンジラインを越えるようなら、
日足の優位性は無いものの、ロングを狙える形状になるかもしれません。

もしくは、
直近の急落の原因である米消費者物価指数発表時のレートを超えるようなら
更にロング向きの形状になっているでしょう。