最近の重要イベントとしては、
先々週のジャクソンホール会合でのイエレンFRB議長の発言、
そして、先週の米雇用統計などがありました。
どちらも米関連なので、
通貨としてはドルの動意に注目が集まっていましたね。
実際、初動としては、イエレンFRB議長の発言後にはドル買いに、
そして、米雇用統計の発表後にはドル売りとなり、
確かにドル主体で反応した事に間違いはないんですが、
どちらの反応も発表直後の一時的なものに収まっており、
継続的な動きにはなりませんでした。
その証拠に先週のUSD、EUR、JPYの通貨毎の強弱の推移を追ってみると、
以下のようになっています。
以下のサブウィンドウは、私が特典として提供している
TYPE-H [こすぎオリジナル手法 MTF通貨の力関係インジケーター]ですが、
USDの強弱は赤色ラインで、EURの強弱は緑色ラインで、
JPYの強弱は白色ラインで表してあります。
見ての通り、週初はジャクソンホール会合を受けてUSD買いで始まっていますが、
その反応は一時的にとどまっており、
週全般を通してみると、JPYの弱さが目立つ展開となっており、
トレーダーとしては、USD買いの流れに乗るよりも、
JPY売りの流れに乗った方が利益が取りやすかったと言えるでしょう。
中長期的なファンダメンタル要因として、
“米の利上げ時期がいつになるのか”
という話題が、事あるごとにニュースで取り上げられてるので、
どうしてもドルの動きに注目してしまいますが、
実際にはドル主体で動く場面というのは、現在の相場ではそう多くはなく、
どちらかというと、円主体で動く場面の方が、割合としては多くなっています。
先週末の米雇用統計でも、直後にドル売り、
そして、すぐに切り返してドル買いとなっていますが、
それよりも円売りの影響の方が今後強く出そうです。
なので、現在の相場はドルストレートよりも
クロス円の方がトレードしやすいかもしれません。
という事で、クロス円の通貨ペアとして
ユーロ円の当面のシナリオを考えてみます。
ユーロ円の日足チャート
俯瞰的に見ると長期間、下降トレンドとなっていましたが、
直近の動きを見てみると、ボリンジャーバンドが急速に収束し、
短期間のスクイーズ状態から、上方向に放れたチャート形状となっています。
上昇トレンドへの転換初動と捉える事もできますが、
+3σに沿って上昇しているので、かなり勢いが強いと言えます。
しかし、高値切り下げのパターンが崩れたわけではないので、
ダウ理論上はまだ下目線となるでしょう。
ユーロ円の4時間足チャート
8月中は上下幅170PIPSほどのボックス相場となっていましたが、
8月下旬にようやく上放れた形となっています。
現在も、+1σに沿った巡航速度の上昇トレンドをキープしていますが、
既にトレンドの本数もそれなりに長くなっていますし、
ボリンジャーバンドも収束し始めるかどうか、というところに来ていますので、
もしかしたら、近々調整で下げるかもしれません。
しかし、+1σ上にある限りは上目線です。
ユーロ円の1時間足チャート
先週は波動を描きながらの上昇トレンドとなっており、
ボリンジャーバンドの中心線 or -1σあたりで反転上昇していましたね。
このようなトレンドの場合は、ラインでトレンドの下限を捉えるというより、
高値と安値の関係でトレンドを把握した方が良いでしょう。
つまり、高値の切り上げ、安値の切り上げが続いている限りは
上昇トレンド継続と判断すべきでしょう。
デイトレとしての総合判断
日足チャートでは、俯瞰的には下降トレンドだが、
直近では上昇トレンドに転換した可能性あり、
4時間足チャートでは、+1σに沿った上昇トレンドだがトレンド後半の可能性も、
1時間足チャートでは、高値切り上げ、安値切り上げが続く限りは上昇トレンド、
という判断です。
下降トレンドへの転換ポイントとしては、
4時間足チャートでの+1σを割ったら、そして、
1時間足チャートに引いたオレンジラインを割ったら、
一旦は上昇トレンド終了と判断するでしょう。
なので、そうなるまでは買い目線で見ていきますが、
いつ反転下落してもおかしくない状態なので、
高値抜けではなく押目買いを中心に狙っていくでしょう。
逆に、4時間足チャートの+1σ割れ、and
1時間足チャートのオレンジライン割れとなったら
すぐに売り目線に変更しても良いですが、
日足チャートでは上昇トレンドに転換した可能性もあるので、
ショートはあまり確度は高くないかもしれません。