前回の記事、
「このギャンブラーの賭け方に優位性はあると思いますか?」
の続きです。
とある2つの出来事において、一方が起こるのか、起こらないのかによって
もう一方の出来事の起こる確率が変わらない場合、
その2つの出来事は独立事象といいます。
逆に、
とある2つの出来事において、一方が起こるのか、起こらないのかによって
もう一方の出来事の起こる確率が変わる場合、
その2つの出来事は従属事象といいます。
ではルーレットは独立事象でしょうか、それとも従属事象でしょうか?
今から投げるボールが赤いエリアに止まるのか、
それとも、黒いエリアに止まるのか。。。
それは、ひとつ前に投げたボールが赤いエリアに止まった場合と、
黒いエリアに止まった場合とで、その確率が変わるでしょうか?
もちろん変わりませんよね。
過去に投げたボールがどこに止まろうとも、
それは、今から投げるボールの行方に影響を与えません。
つまり、ルーレットは独立事象ですね。
という事は、今から投げるボールが赤に止まるのか、それとも黒に止まるのか、
それは常に50%ですので、
たとえ過去に5回連続で赤に止まろうとも、
過去に5回連続で黒に止まろうとも、
赤、黒、赤、黒、赤というように交互に止まったとしても、
“今“から投げるボールが赤に止まる確率も黒に止まる確率も常に50%です。
なので、先の「まる見え」でのギャンブラーの賭け方というのは、
確率論からしたら、何の優位性もないんですね。
当時の私は、確率論についてそんなに詳しく勉強した訳でもなかったので、
この放送を見た時には、
「へぇ~凄いな~!こんな方法があるんだ!」
と感心したんですが、
実際には全く優位性のない賭け方だという事を後に理解するようになりました。
本当に家を建てたのかは、、、どうなんでしょうね。
バラエティー番組なので真相を知っても意味は無いですね。
トレードは独立事象です
前置きが長くなってしまいましたが、つまり、
トレードも独立事象
だという事が言いたかったんです。
前回のトレードの結果が、今から行うトレードには何に影響も与えません。
過去のトレードで5回連続で負けようとも、
過去のトレードで5回連続で勝とうとも、
勝ち、負け、勝ち、負け、勝ち、というように交互に勝敗が分かれたとしても、
“今“から行うトレードはそれらから何の影響も受けない唯一無二の出来事です。
言い方を変えると、何の影響も受けない唯一無二の出来事であるべきです。
にも関わらず、個人的な都合で従属事象にしてしまっているトレーダーが多いです。
「前回負けたから、今回はエントリーを慎重にしよう」
「前回利大を目指して失敗したから、今回は早めに決済しよう」
「最近調子が良いから、トレード回数を増やそう」
前回負けようが、前回利大を目指して失敗しようが、最近調子が良かろうが、
そんな事は手法の立場からは、そして相場の立場からは、何の関係もありません。
あなたの直近のトレード成績がどんな結果であれ、
今から行うトレードのエントリー位置、決済位置は
何ら影響を受けてはいけません。
そして、
あなたの直近のトレード成績がどんな結果であれ、
対象となる相場は何の影響も受ける事はありません。
直近のトレード成績によってエントリー位置、決済位置を変えてしまったら、
一貫性のあるトレードができず、手法として意味がなくなります。
手法を調整するという意味で、エントリー位置を変える、決済位置を変えるのは
相場が開いていない時に検証時間を別に設けて行うべき事で
その都度微妙にずらしてしまったら、手法の公正さがなくなってしまいます。
もしも、独立事象で臨めない心理状態なら、一旦トレードを中止して、
頭の中をリセットした方が良いでしょう。
トレード一つ一つは独立事象です。
あなたの個人的な過去トレードの結果、それに伴う心理の変化を
“今“から行うトレードに持ち込まないようにしましょう。