FOMCで利上げが見送られた原因の一つとして
世界経済の減速懸念が挙げられています。
特に、中国株の暴落に見られる中国経済の景況感の悪化が代表的な一因ですが、
これに関しては、小手先の政策によってすぐに反転できるものではないので、
どうしても時間の経過が必要となります。
そして、その影響を最も強く受けている通貨が豪ドルです。
豪ドルとはオーストラリアの通貨ですが、FX初心者の方は、
「オーストラリアと中国に何の関係があるの?」
と思ってしまうかもしれませんね。
私もFXをやるまでは全然知りませんでしたが、
実は、オーストラリアの最大輸出相手国は中国なんですね。
つまり、中国経済が停滞してしまうと、中国への輸出も減る事になるので、
そうなると、輸出による利益が減ってしまいます。
となると、オーストラリアにとっては不利益になるので、
豪ドルが売られたりするわけです。
先の世界同時株安にともなう為替市場のセーリングクライマックスの時にも
中国発であったために、豪ドル関連のAUDJPYなどは、AUD売りで反応し、
更には、リスク回避のJPY買いも加わったために、
非常に大きな下落幅となったんですね。
そこで今回は、マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲での豪ドル円のシナリオを考えてみます。
豪ドル円日足チャート
セーリングクライマックス時には、1日で約7円程も下落していきましたが、
その後は明確な反転を示すことなく、安値圏での上下動が繰り返されています。
とりあえずは、上値抵抗線としてはオレンジラインが、
下値支持線としては赤色ラインが引ける状況であり、
この範囲内でのボックス相場となっています。
全般的にはもちろん下降トレンドなので、売りが優勢といえますが、
ボックス相場としての値幅は500PIPSほどもありますので、
デイトレならば、この中をトレードするのは
ロングもショートも特に問題はないでしょう。
中国経済の動向次第とも言えますが、セーリングクライマックス時の起点である
アクア色ラインを越えてくるようなら、
“節目が変わった” と判断しても良さそうです。
豪ドル円4時間足チャート
オレンジラインのような下降チャネルが引けなくもないですが、
ちょっと無理矢理っぽいでしょうか。
-1σに沿った巡航速度の下降トレンドと表現した方が適切だと思いますが、
現状では-1σを上抜けており、
多少上向きのバイアスのかかった調整の動きとなっています。
ボリンジャーも収縮しはじめており、
ここからはレンジ相場に移行するかもしれません。
直近のレートには優位性は見られないですが、
+1σを超えるようなら買い目線で見ていった方が良いでしょう。
豪ドル円1時間足チャート
オレンジラインの上値抵抗線は意識されていますが、
赤色ラインの下値支持線はどうでしょうか。
一旦下へブレイクしていますし、下ヒゲ関連の並びが微妙なので、
もしかしたらそれほど強いサポートラインではないかもしれません。
ピンク色ラインはラインとしては短期ですが、
上値抵抗線から下値支持線へとレジサポ転換していますので、
それなりに意識されていそうです。
現状はそれほど明確なトレンドが出ているわけではなく、
まずは、直上のオレンジラインのブレイク、もしくは
直下のピンク色ラインのブレイクを待ってから、
その抜けた方向へついていく方針としたほうが良いでしょう。
デイトレとしての総合判断
日足チャート、4時間足チャート、1時間足チャートの全てで
方向感が出ていませんので、現状は買い目線や売り目線に傾ける事はできません。
最も分かりやすいのは、日足のアクア色ライン超えてからの買い目線、
または、日足の赤色ラインを割ってからの売り目線ですが、
そこまで行くにはまだ距離があり過ぎますね。
デイトレとしては、やはり1時間足レベルの直上のオレンジライン抜けで買い目線、
1時間足レベルのピンク色ライン割れで売り目線となります。
しかし、どちらにブレイクしたとしても、
次の節目のラインが近くに控えていますので、
その近辺に近づいたら新規のエントリーは控えて、
細かいトレーディングが必要となるでしょう。
ちなみに、デイトレとは違いますが、豪ドル円などのクロス円に関しては、
“10月に買い、4月に売る”という半年間のトレーディングが有効
というアノマリーの法則がありますので、
興味のある方はネットで調べてみて、
極々少ロットで試してみてはいかがでしょうか。