ポンドに関しては、相変わらずリスク回避的なポンド売りが継続していますが、
その最大の原因はEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票の不透明感ですね。

最近ではそれに加えて、
移民増加問題やテロ事件などによってEU離脱派が増えるとの懸念もあって、
不透明感は更に増しているようです。

しかし、
私達一般の個人トレーダーはニュースを材料にしてトレードはできませんので、
チャーチストらしくチャートに従って行動したいですね。

そこで今回は、マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのポンド円のシナリオを考えてみます。

ポンド円の日足チャート
gbpjpy1d160327
去年末から継続していた一方的な-1σに沿った下降トレンドは終わっていますが、
それでも高値切り下げ、安値切り下げは継続しており、
俯瞰的には下降トレンドに変わりはないです。

直近の動きとしては、ボリンジャーバンドもスクイーズ傾向になりつつあり、
当面は安値圏での持合相場に移行でしょうか。

ポイントとしては、直上のオレンジラインであり、
このラインで前回安値と直近高値が一致していて、
サポレジ転換している事が分かります。

よってチャート形状としては、このオレンジラインを超えるまでは
売り目線で見るべき局面である事に変わりはないです。


ポンド円の4時間足チャート
gbpjpy4h16032702
現レートは、黄色ラインで示した下降ウェッジの中にあり、
やはり売り優勢の局面ですが、直下のオレンジラインも気になります。

このオレンジラインは直近安値から引いたサポートラインというだけではなく、
2月中に付けた日足レベルの小さなWボトムネックラインでもあります。

よって、このオレンジラインレジサポ転換のラインでもあるんですね。

ちなみに、知っている人がいるかどうか分かりませんが、
個人的には、”サポレジ転換“と”レジサポ転換“という用語は使い分けています。

つまり、上記の日足チャートのように、
元々サポートだったラインがレジスタンスに切り替われば、”サポレジ転換”
この4時間足チャートのように、
元々レジスタンスだったラインがサポートに切り替われば、”レジサポ転換”
と呼ぶようにしています。
(どうでもいいですが。。。)

現状は売り目線で、オレンジラインを割るようなら更に確度の高い売り目線になり、
逆に、下降ウェッジを上抜けたら多少買い目線になるか、
という感じでしょうか。


ポンド円の1時間足チャート
gbpjpy1h16032703
先週はテロの影響により、22日に大陰線が出現していますね。

そしてその後は、オレンジラインでサポートラインが形成され、
上値では、テロ前に付けた安値に上値を抑えられてサポレジ転換しています。

よって、再び赤色ラインを越えてきたら買い目線に変更しますが、
逆に赤色ラインでの攻防から反転下降したら売り目線に変更しますし、
このままスクイーズから-1σに沿った巡航速度の下落トレンドになっても
売り目線となります。

デイトレとしての総合判断

日足チャートは俯瞰的な下降トレンド、
4時間足チャートは売り優勢なチャートパターン内、
1時間足チャートはレンジ的な動き、
よって、”多少売り優勢か”という意識でトレードする事になりそうです。

1時間足チャートではレンジ的な動きですが、
この中にレートが存在する間は、4時間足や日足の形状を考慮して
ロングは無視して、売り主体の戦略を立てた方が良さそうです。

もちろん、1時間足チャートのレンジ下限のオレンジラインを割ってきたら
更に売りの確度が増していきそうです。

逆にどうなればロングできるのか、というと、
直近としては、1時間足チャートの直上の赤色ライン超えで、
これは同時に4時間足チャートの下降ウェッジの上方ブレイクでもあるので、
そのような形状になれば、買い目線となり、ロングも有り得ます。

しかし、日足レベルでは高値の切り下げが継続していて、
スクイーズ状態なのが気になりますね。

なので、もしかしたら1時間足チャートの赤色ライン抜けでロングしても
日足レベルの持合に捕まって、それほどの値幅が期待できないかもしれませんので
注意した方が良いでしょう。

明確な買い目線への変更は
日足レベルのオレンジラインをブレイクしてからとなります。

そうなれば、日足レベルでの上昇トレンドへの転換も期待できそうですが、
これが実現するのは国民投票に関する世論調査に
何かしらの変化が起きてからとなるんでしょうか。