あなたのこれまでの過去チャートの検証と努力により
勝率50%でリスクリワード比>1からなる期待値>1の手法を
構築したとしましょう。
これなら、勝ち負けはランダムに発生しますが、
トレードを繰り返せば繰り返すほど、
徐々に利益が積み重なっていくはずですので、
自信をもって相場に臨んでいけるでしょう。
しかし、実際にトレードしてみると、勝率50%だと、
勝ち負けはランダムに発生すると理解していながら、
実際には5連勝や5連敗程度なら普通に起きてしまうと実感します。
もちろん確率的な問題なので、
連勝連敗は当たり前に起きる事象ですが、それとは別に、
連勝連敗時のあなたの思考はどのようになっているでしょうか?
「勝率50%の手法で5連勝なんてめったに起きない事だから
次のトレードでは負ける確率が高くなるのではないか?」
「勝率50%の手法で5連敗なんてめったに起きない事だから
次のトレードでは勝つ確率が高くなるのではないか?」
という思考が、勝手に、自然と、頭の中に浮かんできませんか?
確率論を心の底から受け入れていない人ほど
このような思考に支配されやすい傾向にあります。
そして、支配されるだけならまだしも、
それによって、次のトレードを歪曲して臨んでしまいがちになります。
「負ける確率が高くなりそうだから、
次のトレードは慎重に臨もう」
「勝つ確率が高くなりそうだから、
次のトレードはロット数を上げよう」
etc…
直近のトレード結果がどのようなものであれ、
トレード一つ一つは独立事象です。
あなたがどんな気持ちで臨もうと、どんなロット数で臨もうと、
勝率50%の手法なら、次のトレードの勝率は50%に変わりはないです。
「直近に5連勝した」「直近に5連敗した」という事実と
“今“から行うトレードは全く関係ありません。
にも関わらず、自分の心が
“5連勝や5連敗は珍しい現象”
と勝手に解釈して、
それをこれからのトレードと結び付けて考える事で
トレードを心理面から余計に難しくしているんです。
勝率50%で5連勝、5連敗は珍しい?
勝率50%の手法で、勝ちを○、負けを●で表現します。
直近の成績が
「○○○○○」
となる確率は、(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)=0.03125となり
約3%と計算されます。
では、、、
直近の成績が
「●●●●●」
となる確率は、(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)=0.03125となり
同じく、約3%と計算されます。
これだけ見ると、
「○○○○○」も「●●●●●」も
“珍しい現象“と思ってしまいますね。
では、、、
直近の成績が
「○●○●○」
となる確率はどのくらいでしょうか?
これも、(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)=0.03125となり
同じく、約3%と計算されます。
では、、、
直近の成績が
「●○○●○」
となる確率はどのくらいでしょうか?
これも、(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)*(1/2)=0.03125となり
同じく、約3%と計算されます。
ここまで話すと、
何が言いたいか分かってもらえるのではないでしょうか?
そうなんですね。
直近5回の勝ち負けの並びが何であれ、
それらが起きる確率は等しく約3%なんです。
勝率50%の手法では、常に直近5回のトレード結果を
約3%という確率を経たうえで
これからのトレードに臨んでいるわけです。
何も「○○○○○」や「●●●●●」を
特別視する必要はないんですね。
しかし、人間の脳は、これまでの経験をもとに判断するので
5回連続で勝つ事や5回連続で負ける事を
“珍しい現象“と勝手に解釈してしまいます。
プロスポーツやその他勝負事に関する事だと、
おおよそ5連勝すると”好調だ“と特別視ししますし、
おおよそ5連敗すると”不調だ“と特別視しします。
また、スポーツに限った事ではないですが、
5回連続で成功すると良い事
5回連続で失敗すると悪い事
と脳が勝手に判断してしまいます。
もちろんこれは5回という数字に限った事ではないですよ。
直近10回の成績が10連勝や10連敗だってそうです。
「○○○○○○○○○○」
「●●●●●●●●●●」
「○○○○○●●●●●」
「○●○●○●○●○●」
「○●○○●○○○●●」
「●○○●●○●●●○」
これら全て同じ確率で起こります。
これら全て同じ確率で起こったうえで
これから11回目のトレードを迎えているわけです。
この確率論を心底理解し、納得し、受け入れていれば、
過去のトレード結果に振り回されないようになります。
そうなれば、”今“からのトレードを歪曲して捉えないようになります。
最後に確認です。
あなたが今から行うトレードは
過去のトレード結果と何の因果関係もありません。
これから行うトレードは唯一無二のトレードです。