私のトレード手法、ロジックは長い年月をかけて構築したものであり、
ほぼ完成されているので、今から大きく変更することはないでしょう。
しかし、だからといって現状に甘んじることはせず、
少しでも期待値が上げられるように努力はしています。
特に環境認識的な部分に関しては、
固定の条件で、且つ、数字で決められる要素が少なく、
ある程度の裁量感覚が必要になるので、
いくらでも改良の余地は残されていると思っています。
やはり常日頃からいろんな角度でチャートを眺めてみたり、
トレード記録を取るなどの経験を積み重ねていくと、
ふとした瞬間に、いろんな環境認識のアイデアが浮かんでくるものです。
幸い、私にはプログラミングの知識がありますので、
そうしたアイデアがプログラミングできる類のものであれば、
自分で実際に開発し、インジケーター化して
それが使えるアイデアなのかどうかを確認することも頻繁に行います。
私の開発フォルダの中には
使える or 使えないインジケーターが溢れかえっています^^;)
そこで今回は、私が現在進行形で使っている
環境認識に関するインジケーターを2つ紹介したいと思います。
ドルの流れ、または、円の流れに乗りたい
まず前提として、
トレンドフォロアーならばトレンドに乗ることが最優先事項であり、
トレンド発生を見極めることに心血を注がなければいけません。
そしてトレンドとは通貨ごとに発生するのが一般的で、
私の経験ではドル、または、円のトレンドに乗ることが分かりやすいと思っています。
つまり、
ドル買いの流れに乗ったり、ドル売りの流れに乗ったり
または、
円買いの流れに乗ったり、円売りの流れに乗ったりするのが良いです。
もちろん、ユーロとポンドもトレンドは発生しますが、
ユーロはロンドン時間のみで比較的短い印象、
ポンドはトレンドが発生する時は長いが急騰急落も多く乗りづらい印象です。
よって、個人的にはドルと円のトレンドに乗るのがトレードしやすく、
確度の高いトレーディングになると思っています。
そこで、
「ドルと円のトレンドの大きさと長さを測定できるインジケーターがあればなぁ~」
と考え、実際に開発したインジケーターが以下になります。
サブウィンドウが2つありますが、
上のサブウィンドウがボラティリティを計測するインジケーターで、
下のサブウィンドウがトレンドの長さを計測するインジケーターです。
これらを以下で簡単に説明します。
ボラティリティを計測するインジケーター
このインジケーターは日足に設定し、
ATRをベースにした直近5日間の値幅を求めています。
赤色ラインはドルストレートの値幅、
白色ラインはクロス円の値幅、
黄色ラインは全通貨の値幅、
です。
縦軸の目盛りは、100PIPS、150PIPSなどの値幅になります。
見ての通り全般的に、ドルストレートよりもクロス円の方が
ボラティリティが大きい傾向にありますね。
ここに表示しているのは直近7ヶ月分くらいですが、
過去に遡ってもそのほとんどの期間で
クロス円の方がボラティリティが高くなっていることが分かります。
つまりは、大きい利幅を狙うのなら、
ドルストレートよりもクロス円の方が適していることになります。
実際、私のトレード記録を見ても、
ドルストレートよりもクロス円の方が利幅が大きいです。
このインジケーターを使うと、現在のボラティリティが分かるので、
ボラティリティが小さい時には
「無理に大きい利幅を狙わない方が良いかも」
や、
ボラティリティが大きい時には
「いつも以上に利大を目指そう」
などの判断もできるようになります。
さらには、ドルストレートとクロス円で同じようなチャート形状となり、
同じタイミングでエントリーシグナルが出た時などは
「ボラティリティが大きいクロス円でエントリーしようか」
などの判断もできます。
トレンドの長さを計測するインジケーター
このインジケーターは日足に設定し、
ボリンジャーバンドの±1σラインを基準として
そのラインをどれだけの日数分超え続けているのか、
巡航速度のトレンド経過の日数をカウントしています。
赤色ラインはドルストレートのトレンド経過日数、
白色ラインはクロス円のトレンド経過日数、
黄色ラインは全通貨のトレンド経過日数、
です。
縦軸の目盛りには、3、7などの数字がありますが、
これは3日トレンド継続、7日トレンド継続を表しています。
例えば、
白色ラインが3を超えてきたような状況は、
クロス円が3日間トレンドになっている、という意味です。
また、
赤色ラインが7を超えてきたような状況は、
ドルストレートが7日間トレンドになっている、という意味です。
私のこれまでの経験では、
3を超えてきたような状況の時は
日足レベルでのトレンドが明確になりつつあるので、
そのような時にエントリーすると勝率が上がりやすい傾向にあります。
また、7を超えてきたような状況の時は、
もうそろそろ日足レベルのトレンドも後半に差し掛かってきているので、
利大は慎重にしたほうが良いかも、と判断するようにしています。
例えば、先のチャートではUSDCHFを掲載していますが、
USDCHFはドルストレートなので赤色ラインを見ます。
すると、赤色ラインが3を超えて上がっている時に
チャートもトレンドになっていることが読み取れませんか?
また、直近では赤色ラインが7を超えてきていますが、
チャートを見ると-1σ割れの巡航速度のトレンドが
9本ほど継続している様子が分かります。
つまり、ドルストレート全般的にトレンドは後半に差し掛かり、
実際USDCHFも9本分下降トレンドが続いているので、
日足レベルのドル売りも一旦は終了する可能性があり、
ここからのショートは慎重に、と判断できます。
こんな感じで私はこれら2つのインジケーターを使っています。
参考までに、
EURJPYの過去チャートだとこんな感じです。
分かりやすいようにトレンドの長さが3を超えようとしている状況の時に
縦アクア色ラインを引いてみましたが、
メインチャートではその後はトレンドになっていることが多いですね。
そして、トレンドになるからといって
その後にボラティリティが大きくなるとは限らないことも分かります。
ボラティリティが100以下であれば、1日で100PIPS動かないわけですから、
それを加味したうえで利確ポイントを決めることもできます。
以上、私が現在環境認識に利用している2つのインジケーターの紹介でした。
これらは詳しいエントリーポイントや利確ポイントを教えてくれるのではなく、
あくまでも環境認識用のインジケーターであり、
サブ的な位置づけで利用しています。
トレーディングしている通貨ペア単体だけの判断ではなく、
ドル主体、円主体という流れがハッキリしていれば
より確度の高いトレーディングができ、
デイトレでもスイングでも利用できるので
汎用性の高いインジケーターだと思います。
この2つのインジケーターを設定した日足チャートを
MT4の隅っこに置いておくだけで色んな情報を得ることができるので
個人的には結構助かっています。