3月2日の記事、「FXにおける通貨の力関係をトレードに利用する」の続きです。

 

下記に問題提起したチャート図を再掲します。
fx-chart-030501

先週金曜日のUSDJPY、EURJPY、EURUSDの15分足チャートです。
これら3つの通貨ペアの動きを見て、
どの通貨が主体となって相場を動かしていたのか見分ける事ができますか?
そして、どの流れに乗るべきなのか判断できますか?

 

私はEURUSDの18時過ぎからの下落トレンドに乗って
利益を上げる事ができましたが、
なぜこの下落トレンドの初動に乗ろうと決めたのか、理解できますか?

 

上記について、ちょっとだけ考えてみてください。

 

 

私はこの日の相場について、以下のように考えました。
fx-chart030502

先のチャート図に、黄色い丸枠青い丸枠赤い丸枠を追記しましたが、
その部分に注目して下さい。

 

黄色い丸枠は、15時~18時の時間帯にあり、EURJPYとEURUSDにあります。
青い丸枠は、18時~21時の時間帯にあり、USDJPYとEURUSDにあります。
赤い丸枠は、0時~3時の時間帯にあり、USDJPYとEURJPYにあります。

 

その丸枠で囲った部分をよく見てみると、
ローソク足の動きが連動していることが分かると思います。

 

このように連動した部分を見つけると、
"今"相場を動かしている通貨を見つけることができます。

 

例えば、黄色い丸枠の部分に関しては、
最初、下方向へ動き始めましたが、
途中から反転して上方向へ動いているのが分かります。

 

同じように動いていますね。

 

この2つの通貨ペアは、EURJPYとEURUSDですので、
これらが連動しているということは、
EURが最初に売られ、途中から買いに転換した動きであると分かります。

 

つまり、15時~18時の時間帯はEURが主体となって相場を動かしていたんですね。

 

次に、青い丸枠の部分に関しては、
USDJPYは一方的に上方向へ動いていて、
EURUSDは一方的に下方向へ動いているのが分かります。

 

方向は全く逆ですが、連動していますね。

 

この2つの通貨ペアは、USDJPYとEURUSDですので、
これらが逆向きに連動しているということは、
USDが一方的に買われている動きであると分かります。

 

つまり、18時~21時の時間帯は、USDが主体となって相場を動かしていたんですね。

 

最後に、赤い丸枠の部分に関しては、
最初急激に上昇してから、徐々に調整の下げが起きていることが分かります。

 

同じように動いていますね。

 

この2つの通貨ペアは、USDJPYとEURJPYですので、
これら2つの通貨ペアが連動しているということは、
JPYが急激に売られ、徐々に買い戻しが入っている動きであると分かります。

 

つまり、0時~3時の時間帯はJPYが主体となって相場を動かしていたんですね。

 

このように関連する通貨ペアを複数同時に監視する事で、
"今"相場を動かしている通貨を見つけることができます。

 

15時~18時はEUR、18時~21時はUSD、21時~0時は不明、0時~3時はJPY、
というように、この日は面白いように3時間毎に主体となった通貨が
切り替わっていきました。

 

そして私はこうした流れのうち、
18時過ぎのUSDの買いの流れに乗り、EURUSDの下落にエントリーしたのですが、
これも通貨の力関係が理由に挙げられます。

 

下記は、同日のUSDJPY、EURJPY、EURUSDの1時間足チャートです。
先に提示した15分足チャートのひとつ大きな時間足ですね。

USDJPY
fx-chart030503

EURJPY
fx-chart030504

EURUSD
fx-chart030505

これら3つのチャートの流れを見て通貨の力関係をどのように捉えますか?
考え方は先の15分足チャートの場合と同じですね。

 

直近2日間の動きを見てみると、この日のロンドン時間開始前までの動きとしては、
USDJPYは上昇トレンド状態であることが分かります。
EURJPYは方向感なく推移していることが分かります。
EURUSDは下降トレンド状態であることが分かります。

 

つまり、1時間足レベルというと、USD買い優勢の展開であったことが分かります。

 

ということは、1時間足でUSD買い優勢ならば、
15分足でもUSD買いの流れに乗れば、
トレンドが継続しやすいのではないかと判断できます。

 

よって、先の15分足チャートで見た場合の18時過ぎのEURUSDの下向きの動きは、
USD買いの流れであるため、下降トレンドに発展する可能性が高いといえます。

 

ですので、私はこの流れでショートを仕掛けたんですね。

 

しかしこの動きとは別に、
15時台にもEURUSDは一旦下方向への動きを見せていましたが、
これは先に書いたとおり、USD買いの流れではなく、EUR売りの流れです。

 

ということは、1時間足のUSD買いの流れとは一致しないため、
ここでのEURUSDの下落は下降トレンドに発展しにくいといえます。

 

よくマルチタイムフレーム分析といわれますね。
大きい時間足の流れを確認した上で、
その流れに沿った方向へ小さい時間足が動き出したら仕掛けましょう

というものですが、
上記のやり方は、この考えをもう少しだけ発展させたやり方です。

 

大きい時間足の流れと同じ方向へ動き出しただけでなく、
大きい時間足の流れの主体となっている通貨を確認し、
小さい時間足でもその通貨が主体となった動きの時にだけ仕掛けましょう

というものです。

 

この日のEURUSDの1時間足は、ドル買い主体の下降トレンドなので、
15分足でもドル買い主体の下降トレンドに乗れば、
トレンドが継続する可能性が高くなります。

 

分かりますか?ちょっと説明が煩雑でしょうか?
もし分かりにくかった場合、問い合わせからでも質問してくださいね。

 

複数時間軸の監視と、複数通貨ペアの監視、及びそれらのトレードへの利用方法は
FX初心者には非常に分かりづらいと思いますが、
毎日多くのチャートを見続ける事で、次第に"今"の流れが分かってきますので、
焦らず努力していきましょう。