為替と株式は連動しています。
特に市場がリスク選好、リスク回避という流れになった場合は、
連動する傾向が強まります。
一般的には、
リスク選好になった場合は、
為替では円が売られ、株式では日経平均先物が買われます。
リスク回避になった場合は、
為替では円が買われ、株式では日経平均先物が売られます。
こうした動きはほぼ定番となっていますね。
「何かしらファンダメンタル的に不安な要因が浮上してきた場合、
比較的安全資産といわれている円が、
世界中の投資資金の受け皿的な役割を果たしている為に買われやすい」
という事は、FXの初心者でさえも日々ニュースに触れていれば、
いつの間にか常識として頭に入ってきます。
確かに、他国で悪材料が出た場合に、円が買われるのは、理解できます。
しかし、日本で悪材料、不安要素が出現した場合でも
円が買われてしまうという現象は、正直言って今でもよく理解できていません。
なぜ日本で悪材料が出たのに円を買うんでしょう?
なぜ不安要素の発信源である国の通貨を買うんでしょう?
代表的なのは、地震発生の時ですね。
大規模な地震が発生すると決まって円が買われます。
「保険会社が保険金支払いの為に、円買いを進めるから、
その前に円を買っておこうとする投機筋の動き」というありきたりな解釈は
分からないでもないですが、実際のところは誰も真相を確かめることはできません。
東日本大震災の時もそうでしたが、地震発生で経済的に大打撃を受けて、
もしかしたら国としての機能が麻痺してしまうかもしれないという状況の時に、
どうしてその国の通貨を買えるんでしょうか?不思議です。
東日本大震災以後も中程度の地震があるたびに、円買いの反応が起きており、
こうなってくると、パブログの犬のような感じで、
無意味に条件反射的に動いているだけとしか思えません。
先週の日経平均の大暴落もある意味においては、日本発の不安材料といえるでしょう。
実際は日経平均先物が主導しての下落ですが、それがリスク回避と捉えられて、
為替でも円買いといういつものパターンになっていきました。
報道によっては、円買いが進んだ為に、それがリスク回避と捉えられて、
日経平均先物の大暴落につながった、と解釈されているニュースも見かけましたが、
あの日実際に日経平均先物とUSDJPYのチャートを見比べていた私からすると、
やはり先物の下落が先行していた感じがしました。
下記は、先週木曜日の大暴落時の日経平均先物とUSDJPYの5分足チャートの比較です。
横軸の時間を合わせて、見やすいようにしてみました。
似たような動きをしていますが、縦軸の変動幅がいつもと違いいますね。
11時台に黄色い縦線で示した陰線では、
先物は約150円ほどの下落幅、USDJPYは約10PIPS弱ほどの下落幅でしょうか。
この動きを見ても、先物の強烈な下落につられて、
USDJPYが下落したと解釈できるでしょう。
逆に、USDJPYが僅か10PIPS程度下落しただけで、
先物が150円も下落するなんて事は有り得ないです。
市場が動けば、なぜ動いたのかを記事にしなければいけない人達がいます。
株式が動けば、その原因を為替に求めてくることが多いです。
為替が動けば、その原因を株式に求めてくることが多いです。
経済評論家たちもファンダメンタル的な解釈を提供して、
トレーダー達を納得させようとします。
もちろんそうしたニュースを日々受け取って
市場の流れ、市場の雰囲気、市場の解釈を把握する事は重要ですが、
手放しで信用する事はせずに、自分なりの相場観、解釈を持つことも重要ですね。