トレードでは、どこでエントリーするのかを考えるだけではなく、
その前に環境認識を先に行わなければいけないと言われていますね。
しかし、環境認識と言われても、その単語があまりにも抽象的過ぎるので、
よく分からないという人も多いでしょう。
なので、もう少し具体的に表現してみると、
現時点でのチャート状況を総合的に把握する事
と言い変える事ができるでしょう。
いかがでしょうか。
これなら多少具体性が出てきたと思いますが、
それでもまだ分かりにくいでしょうか。
環境認識というものは各トレーダー毎にその定義は異なってきますし、
また、何を重要視するのかも異なってきますので、
何が正解というものはないのですが、
私自身は、現時点でのチャート状況を総合的に把握する際に重要視している
『5大要素』
というものがあります。
それらは、
- マルチタイムフレーム分析
- ダウ理論
- グランビルの法則
- 支持線抵抗線
- 通貨の力関係
です。
個人的にはこの5大要素をもって環境認識と定義づけしており、
どれも私にとっては、欠く事の出来ない必須要素となっています。
そこで今回はこれらの概略を述べたいと思います。
マルチタイムフレーム分析
個人的には、
1つの通貨ペアの1つの時間軸チャートの状況把握を1次元的認識
1つの通貨ペアの複数の時間軸チャートの状況把握を2次元的認識
複数の通貨ペアの複数の時間軸チャートの状況把握を3次元的認識
と呼んでいます。
現在の相場状況を
線(1次元)で捉えるか、
面(2次元)で捉えるか、
立体(3次元)で捉えるか、
という感じでしょうか?
相場を立体的に捉えて、あらゆる角度から現状を確認して、
相場がどちらに向かっているのかを常に把握しておきます。
なので、トレード初心者がエントリーだけにこだわっているのは、
先の1次元的認識しか考えておらず、相場を線でしか捉えておらず、
その線の先端の動きだけを見ている事を意味しますので、
当然、総合判断に欠けますね。
ダウ理論
チャート上の高値と安値に注目した最も基本的なトレンドの定義を教えてくれます。
トレンドを把握するために、各種インジケーターを用いるのも良いですが、
ダウ理論を用いれば、素のチャートでもトレンドを把握できます。
また、ダウ理論の中の、
“トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する”
は最も重要な法則で、この考えを利用すれば
利大も望めますし、適切な損切り位置も分かりますね。
グランビルの法則
グランビルの法則は全部で8つの売買ポイントを教えてくれます。
買いの場合は、
トレンド転換の初動で1つ、押目買いで2つ、逆張り買いで1つ、
売りの場合は、
トレンド転換の初動で1つ、戻り売りで2つ、逆張り売りで1つ、
の計8つですね。
個人的にはこの中で、押目買いの2つ、戻り売りの2つを利用しており、
移動平均線との関わり合いを扱った法則としては最も基本的で分かりやすいですね。
支持線抵抗線
上昇トレンドが止まりそうなレジスタンスライン、
下降トレンドが止まりそうなサポートラインの把握です。
このラインの位置によってトレード方針が変わってくる事もありますので、
かなり重要な要素です。
また、何度も止められたレジスタンスライン、サポートラインの場合、
それをブレイクした時には、トレンド初動となるケースも多いので、
その見極めも必要となります。
通貨の力関係
現在の相場を動かしている通貨の把握です。
複数の通貨ペアの動きをマルチで確認する時に最も注視している要素で、
これが分かるとトレードの精度が増していきます。
例えば、同じUSDJPYの上昇トレンドでも、
それがUSD買い主体の上昇トレンドなのか、JPY売り主体の上昇トレンドなのかで、
トレンドの長さやトレンドの波動が異なってきます。
自分がどの通貨主体の流れに乗っているのか把握しておけば、
細かく利確すべきなのか or 利大を目指すべきかの判断もしやすくなります。
以上が私がトレードする際に最も重要視している5大要素であり、
個人的にはこれらを環境認識と位置付けています。
マルチタイムフレーム分析で立体的に現在の相場を捉え、そして、
ダウ理論でトレンド状態を把握して、そして、
グランビルの法則で押目買い、戻り売りが狙える状況なのか、または
支持線抵抗線の位置関係からブレイクを狙える状況なのか、そして、
通貨の力関係から相場を動かしている通貨の動きに乗る。。。
この5大要素さえしっかりできていれば、
多少エントリー位置がズレていても、そんな枝葉の部分は大した問題ではなく
期待値>1のトレードを継続できるはずです。
そして、手法やロジックというものは、
これらの要素を自分なりに分かりやすく具現化したもの
と思っています。