トレードについて学習し、ニュースなども見ていくようになると、
相場観” や “裁量” という言葉を目にするようになります。

しかし、これらの言葉は抽象的で具体的な定義が分かりにくく
また、実際のトレードにどうやって利用してよいのかも分からないので、
トレーダーは敬遠する傾向にありますね。

人それぞれ捉え方は異なってくるでしょうが、私の場合なら、

  • 相場観は、ファンダメンタルを中心とした長期的な環境認識への自己解釈
  • 裁量は、テクニカルを中心とした短期的なトレードへの自己判断

と定義しています。

では、そのような相場観、裁量という抽象的な感覚は
トレードで利益を上げるためには必要なんでしょうか?

個人的な見解を述べておきます。

良い相場観があれば利益が上げられる?

相場観というものは、毎日為替に関するニュースに触れていれば、
全くの初心者でなければ、誰でも多かれ少なかれ持っている感覚でしょう。

私もその日トレードをする前には、
一通り直近のニュースをチェックしてからトレードに臨むようにしています。

私はニュースを中心としたファンダメンタルの解釈は苦手な方ですが、
それでも、毎日ニュースを見ていくうちに、自分が意識するしないに関わりなく、
どうしても自分なりの相場観というものを持ってしまいます。

例えば現在なら、

ドル関連なら、米利上げ時期はいつになるのか。
今週の米雇用統計の結果によっては、今年中に開始となるか、
それとも、来年以降にずれ込む事になるのかが決まるかもしれない。

ユーロ関連なら、ギリシャ問題はひとまず収まったものの、
欧州圏の経済は弱いままであり、今後も指標発表が弱いものが続けば、
追加緩和期待でユーロは下落傾向になるかもしれない。

円関連なら、これまでアベノミクスで円売りが継続してきたが、
ここにきて円売りを抑制するような要人発言も聞かれるようになってきており、
大規模な追加緩和はもうないかもしれない。

その他にも原油価格や中国株式の動向によっては
リスク回避の動きが強まる場面もありそう。

なんてことを頭の片隅に置きながらトレードしています。

では、そのような相場観はトレードする際には必要なんでしょうか?
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相場観という言葉には、未来に対する個人的な予想という意味も含まれているので、
良い相場観を持っているに越した事はないですが、
トレードを
未来の相場を予測して正しく行動する事ではなく、
現在の相場を確認して適切に行動する事と定義づけているならば
相場観などは必要ないといえるでしょう。

更には、
相場観ではトレード時のエントリーのタイミングは計れないので、
相場観が良ければ勝ち、相場観が悪ければ負ける、というわけでもないです。

相場観が良くてもトレードで負けている人もいれば、
相場観が悪くてもトレードでは勝てている人もいるでしょう。

私の場合、トレードというものを
現在の相場を確認して適切に行動する事
と定義づけているので、
できるだけ相場観には左右されないトレーディングをしよう
という気持ちもあります。

しかし、先のように毎日のようにトレードの学習をして、ニュースに触れ、
それに対する思惑や感情、自分の主張などを心の中で展開してしまうと、
どうしても相場を見る時には、大なり小なり多少バイアスがかかった状態で
チャートを見てしまうものです。

例えば、自分の相場観と一致した方向へレートが動いてくれて、
その方向へエントリーする場合は、精神的にはリラックスした状態になっています。

しかし、自分の相場観とは逆向きにレートが動いていて
その方向へエントリーしなければいけない場合は、
精神的には多少は躊躇した状態になっているでしょう。

この辺りの感覚は、私は自己分析できていて、
実際のトレーディングには影響の出ない範囲内の相場観に留めているつもりです。
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トレーダーによっては、チャート以外の情報を見聞きしてしまうと、
余計な相場観を持ってしまい、チャートを見る目を濁らせてしまう危険性を感じて
意識的にそういった情報を一切遮断している人もいるようです。

相場観というものは、それに固執し、拘ってしまうと、
自身の手法を歪めてしまう事さえあり得ます。

利上げするんだからドルが下がるわけがない
リスク回避の動きなんだから円買いに動くはず

このような個人的な考えを優先して手法を曲げてしまっては意味がなくなります。

自分の相場観の正しさを証明する為にトレードしているのではないはずです。

相場観はオマケ程度、二の次三の次でチャートの動きこそが全てですね。

では次に、”裁量“について考えてみます。

。。。と思いましたが、またしても長文になってしまいそうなので、
この続きはまた次回に。。。

To Be Continued…