ご存知の方も多いと思いますが、
今月16日から17日にかけて仮想通貨のビットコインが
170万円台から100万円丁度付近まで一気に暴落しました。
割合にすると、約40%ほどの暴落となります。
また、昨年12月に付けたビットコインの最高値230万円からは
約56%ほどの大暴落となります。
この記事を書いている時点でもまだ130万円台での推移となっていて
混乱は収まっているとは言えず、まだまだ下がるかもしれません。
BTCJPYの日足チャート
これまでもビットコインをはじめとする仮想通貨市場には
たびたび暴落が起きていて、
短期間で価格が20%~30%ほど下落することはありましたが、
今回はこれまで経験した中でも最大級の下落率、下落幅となりました。
その原因として挙げられるのは、
中国と韓国が相次いで仮想通貨取引を禁止すると報道された事、
そして、ドイツ中銀理事が
「仮想通貨の規制には国際協力が不可欠」
と発言したことで、
今後は仮想通貨取引の禁止の流れが
全世界で広がるのではないかという懸念が広がった事です。
つまり、今後は仮想通貨の取引ができなくなるという不安から
ビットコインだけではなく全ての仮想通貨が一気に売られ、
大暴落という結果につながったわけです。
そして、今回の大暴落を受けて
「仮想通貨市場は終わった。。。」
「とうとうバブルが弾けた。。。」
という意見が大勢を占めるようになってきましたが、
果たしてそうなんでしょうか?
砂上の楼閣が崩れ落ちた状態か?
以下は去年10月頃からの仮想通貨市場の時価総額の推移ですが、
明らかに去年12月以降は時価総額が急激に増えています。
それまでは、日本円で約30兆円弱ほどの規模でしたが、
1月には100兆円に届きそうな勢いまで増えています。
つまり僅か数ヶ月で仮想通貨市場の時価総額が3倍以上に増えたんですが、
これは
“新規参入者が急激に増えた”
ことを意味します。
もっと分かりやすく言うと、
テレビCMやニュースやネットでの情報を見聞きした投資未経験者、
そして、
興味を持っていたがなかなか踏み出せなかった投資初心者が
「何かよく分からないけどビットコインって儲かるらしい」
という理由だけで、こぞって参入してきたわけです。
上記のビットコインの日足チャートを再確認してみると、
12月以降、異常に価格が上がっていますが、
その急騰の原因は、新規参入者による
“何だか分からないけど買えば儲かるという理由による買い上げ”
であり、非常に根拠の乏しいものです。
そして、このような新規参入者のほとんどは、
短期で儲ける事を望んでおり、
長期的に数ヶ月単位、数年単位でガチホしようと思っている人は
全くと言っていいほど存在していません。
もちろん、投資マインドも未熟ですので、
12月以降の買い上げに関しては、
いわば、”砂上の楼閣“であり、いつ崩れ落ちてもおかしくなかった
と言えるでしょう。
そうした状況の中での今回の大暴落ですので、
新規参入者のほとんどが初めて経験のはずで、
暴落の最中には何をすれば良いのか分からず、
成す術なく狼狽売りしてしまった光景が目に浮かびます。
いわゆる、砂の部分が吹き飛ばされ、
楼閣が崩れ落ちてしまった状態になったわけです。
残念ながら、12月以降の新規参入者のほとんどは
今回の大暴落を受けて、トータルで損失、もしくは退場、
レバレッジ取引などをしていた方は
追証によって借金を背負ってしまった方もいるでしょう。
これを “バブルが弾けた” と表現することもできますが、
ならば今後は、バブル抜きの正常な仮想通貨の発展に期待したいですね。
規制が世界でどの程度広がるのか?
先に紹介したように、
今後は国際的に世界共通の規制ルールが敷かれる可能性があります。
それが
仮想通貨自体を排除するような全面禁止という意味での規制となるのか、
それとも
仮想通貨を悪用されない明確なルール作りという意味での規制なのか、
どちらになるのかによって、
今後の仮想通貨市場の行く末が変わってくるでしょう。
日本は幸いにも仮想通貨事業に関しては
積極的に取り入れる姿勢を示しており、
規制に関しては悪用を防ぐ事を目的としているものが多く
世界的に見ても、健全な発展に貢献している部類に属するでしょう。
しかし、日本は世界に対しての発言力が弱いので、
もしかしたら今後、諸外国の規制に歩調を合わせざるを得ない状況に
なってしまう可能性もあり、
そうなれば日本国内でも規制強化の動きが出てくるかもしれません。
国が規制、禁止と言ってしまえば、
もう私たち個人にはどうすることもできません。
仮想通貨に関するテクノロジーは研究開発されていくかもしれませんが、
国がダメと言えば、
私たちは仮想通貨市場からは資金を引き上げるしかありません。
現状、市民レベル、企業レベルでは、
ビットコインをはじめとする仮想通貨は
世界中でどんどん使われていますが
国の方針ひとつでどうにでも変わってしまう不安定な状況です。
トレーダーとして仮想通貨とどのように向き合うべきか
今回の大暴落を受けて、仮想通貨市場は
長期的な上向きのバイアスが無くなってしまった可能性があります。
つまり、去年までは長期的な上昇トレンドだったので、
ロングさえしていれば利益をあげられた相場状況でしたが、
それが機能しなくなったかもしれないです。
去年まで仮想通貨で利益をあげられたのは
トレードスキルが身に付いていたからではなく
“単に相場の地合いが良かっただけ”
とも言えます。
(もちろん全員が全員そうではなく、
トレードスキルにより利益をあげられた方もいたでしょうが)
現在のような、相場の地合いが良くない、つまり、
上向きのバイアスがかかっていない相場なら
無理に仮想通貨市場でトレードする必要はないですよね。
特に短期トレードをやる意味は無いです。
短期トレードをやるのなら
仮想通貨市場ではなく為替市場の方がやり易いです。
なぜならば、仮想通貨市場と比較すると、
為替市場の方が
- 突然のニュースに振らされる割合が少ない
- 今回のような大暴落の頻度も少ない
- 出来高が多いのでテクニカルが効きやすい
からです。
既に金融市場として成熟している為替市場で
テクニカル中心に、且つ、チャート中心にトレードの勉強をした方が
自分のスキル向上につながりやすいのは明らかです。
本当にトレーダーとして利益を上げたいのなら、
仮想通貨市場で一発逆転のようなギャンブルをするのではなく、
仮想通貨市場で大ボラティリティに振らされるのではなく、
仮想通貨市場で見知らぬ人のインサイダー情報に頼るのではなく、
為替市場で自分の力でテクニカルに基づいた勉強を進めた方が
よっぽど自分のためになると思うんですがいかがでしょうか?
もしかしたら、この記事を読んでいる方の中には
仮想通貨に投資して大損した人がいるかもしれません。
そのような方は、もう一度このブログのオリジナル記事や
私のトレードコンセプトを読んでみて下さい。
やっぱり楽しては儲かりません。
“よく分からないけど儲かるらしい”トレーダーにならないでください。
“しっかりとしたスキルを身に付けた”トレーダーになってください。
もちろん、今後の仮想通貨市場を全否定しているわけではありませんよ。
個人的には、世界中で良い意味での規制ルール作りが確立し
将来的には仮想通貨市場が健全に発展していくことを望んでおり、
これからも余剰資金の範囲内で
自分の資産配分の選択肢として、ポートフォリオのひとつとして、
ビットコインをはじめとする仮想通貨に長期投資していくつもりです。
ただし、昨年のような倍々ゲームは期待していませんが。
“トレードスキルを身に付けるなら仮想通貨市場ではなく為替市場” への1件のフィードバック