チャートが波を描くように、トレーダーの成績も波を描きます。
毎週、毎月、安定的に、綺麗な右肩上がりの収益を
上げ続けられるトレーダーはほんの一握りだけです。
優秀なトレーダーであっても、
時には落ち込む期間があるものです。
しかし、あまりにも長い期間落ち込み続け、
収益が右肩上がりに戻らない、期待値が1を超えない時期が続くと
それはスランプと表現する状態といえるでしょう。
では、トレーダーがスランプになった時の対処法、克服法には
どのようなものがあるんでしょうか?
仕事の種類によってスランプ克服法は異なってくる?
例えば、
プロ野球で毎試合スターティングメンバーで打率3割だった選手が
1か月以上も1割台の打率だった場合、
それは明らかにスランプ状態なので、
スターティングメンバーから外れてしまうでしょう。
そして、時には2軍行きとなることもあるでしょう。
そのような状態の選手は、スランプを克服するために
コーチの意見を聞いたり、
自分のバッティングフォームをビデオで研究したりして、
徹底的にバッティング練習を重ねるでしょうし、
2軍の試合に出て、勘を取り戻すように努めるでしょう。
つまり、
“とにかく練習あるのみ”
というのが一般的な克服法でしょうか。
しかし、それに対して、クリエイティブ系の仕事の場合、
また別の克服法になります。
例えば、
作家、画家、陶芸家、彫刻家、等々、、、
こういう方々の場合、ペンが進まなくなったり、
納得のいく作品が作れなかったり、
アイデアが浮かばなくなったりしたら、
それは明らかにスランプ状態といえるでしょう。
そして、こういう方々の場合は、スランプを克服するために
一旦、自分の仕事を離れるケースが多いでしょうか。
そして、気分転換を兼ねて、
別の作業をしたり、趣味に興じたり、
もしくは、妄想、瞑想などなど。
根を詰めて作業するよりも、リフレッシュすることで
新たな発想を呼び戻すように努めるでしょう。
つまり、
“頭の中をリセットする”
というのが一般的な克服法でしょうか。
では、トレーダーの場合はどうなんでしょうか?
トレーダーって、体育会系のノリの部分もありますし、
クリエイティブ系のノリの部分もあります。
ある側面では、
“とにかく練習あるのみ“でスランプを克服できるでしょうし、
別の側面では、
“頭の中をリセットする“でスランプを克服できるでしょう。
では、自分にとってどちらのスランプ克服法が適しているのか、、、
まずその前に、
スランプに陥った原因を明確にする必要があります。
トレーダーにとってのスランプとは
普段通りのトレードができなくなって、期待値が下がり、
不調、不振を意識している状態です。
では、どうして期待値が下がったのか、、、
その原因として以下の2つが考えられるでしょう。
- 手法と相場付きが合わなくなってきた
- 手法の実行がズレてきている
これらはスランプの原因を外部に求めるのか、
それとも内部に求めるのかの違いでもあります。
手法と相場付きが合わなくなってきた
今までの相場では手法が有効に機能していたにも関わらず、
現在の相場付きが手法との相性が悪く、
期待値が下がっている状態です。
いわば、相場という外的要因によって
スランプになってしまったケースです。
例えば、今年に入って以降の為替市場は
日足レベルでの低ボラ相場が何か月も続いています。
低ボラ相場、いわゆる動きが少ない、値幅が出ないとなると、
順張り系、トレンドフォロー系の手法は機能しづらいかもしれません。
去年までは機能していたのに、
今年に入ってから自身の順張り手法が利かなくなってきたとしたら、
それは手法と相場付きが合わなくなっている可能性があります。
その場合は、自身の手法を再検証し、
今の低ボラ相場にフィットさせるように
手法を再構築する必要があるかもしれません。
その為には、検証あるのみです。
つまり、先でいうところの
“とにかく練習あるのみ”
という体育会系のノリです。
自分が納得するまで検証を繰り返し、
デモトレードも繰り返し、期待値>1の手法を再構築すれば、
スランプを克服したと言えるでしょう。
手法の実行がズレてきている
手法自体は今の相場でも有効に機能しているにも関わらず、
手法通りに注文することができず、
期待値が下がっている状態です。
いわば、マインドという内的要因によって
スランプになってしまったケースです。
自分が決めたルール通りに執行できない、
エントリーのタイミングでクリックできない、
損切りのタイミングでクリックできない、
というのは、初心者だけでなく、
どのレベルのトレーダーにも起こり得る心理的躊躇です。
トレード記録を確認してみて、
ちゃんとルール通りに執行していれば期待値>1のはずなのに、
なぜかタイミングがズレてしまう、
ルール違反を犯していまう。。。
これまではちゃんとルール通りに執行できたのに、
どうして今、ルール通りに執行できないのか、
それは私には分かりません。
あなたの中の何かの歯車が狂っている可能性もあり、
平常心の感覚を再認識する必要があるのかもしれません。
その為には、心と向き合いましょう。
つまり、先でいうところの
“頭の中をリセットする”
というクリエイティブ系のノリです。
根を詰めると迷路にハマって抜け出せなくなるケースもあるので、
一旦トレードから離れて、リラックスして
別の作業などをしたりして頭の中を変換すると
気分転換できるかもしれません。
そして新鮮な気持ちでチャートに臨んでいって、
以前のような平常心でルール通りのトレードに戻れば、
スランプを克服したと言えるでしょう。
ちなみに、今回の記事で話した内容は、
期待値>1を継続的に実現できていたトレーダーが
スランプに陥った時の対処法の話です。
もともと、期待値>1が実現できていないトレーダーには
スランプという概念は当てはまらないです。
なぜなら、もとから好調期が無いんですからね。
なので、初心者の方には今回の記事は
あまり参考にならなかったかもしれません。
初心者の方は、スランプのことは考えないで、
とにかく、”検証の継続” と “マインドの確立” です。