普段の私は、テレビをほとんど見ないんですが、
年末年始はトレードをお休みにしているので、
その時だけはチョコチョコとテレビを見ています。
今年のお正月も適当にチャンネルを変えていたら
面白そうな番組がやっていました。
番組名は
「愚直に何でも1万回やってみました」
です。
お正月用の番組だと思いますが、内容的には、
“1つのことを1万回やり続けたらどんな景色が見えるのか?”
という主旨の、おふざけ & 真面目バラエティー番組という感じです。
具体的には、
書道1万回
餅つき1万回
足ツボ押し1万回
バット素振り1万回
納豆かき混ぜ1万回
炭酸ジュース振り1万回
というように、
とにかく愚直に1万回繰り返したら、その先に何が見えるか?
という検証、企画番組ですね。
そして、この中で私が特に気に入ったのが、書道1万回です。
- 書道1万回
書道1万回とは、その名の通り、
字のヘタな人間が1万回書き続けたら、どこまで上達するのか?
という検証です。
検証の仕方は、
字が汚い女性タレントを部屋へ呼び出して、
「永遠」という字を半紙に毛筆でひたすら1万回書かせる、
というものです。
最初の1枚目は、毛筆の使い方もままならい、
「永遠」という字すら認識できないくらいの
誰が見ても下手くそな字でした。
そして、その後もがむしゃらに書き続けますが、
全く上手くなりません。
そこで途中から、
書道の先生にお手本の「永遠」を書いてもらいます。
そして、具体的な指導はせずに、
お手本の「永遠」の半紙を残して先生はその場から去ります。
女性タレントは、残されたお手本の「永遠」を真似ながら、
書き続けるんですが、やはりお手本があるからなのか、
徐々にうまくなっていきます。
そして、ここからが重要なんですが、
書きながら自分で改善点を見つけていったんですね。
「もう少し右肩上がりにした方が先生のお手本に似てくる」
「はらいはゆっくり書いた方が綺麗になる」
書きながら自分で考え、自分で良くなる方法を見つけつつ、
徐々に綺麗な字になっていったんですね。
そして、24日間もかかって1万枚の「永遠」を書き終えました。
1万枚目の「永遠」は、1枚目の「永遠」とは見違えるほどの
綺麗な字に変わっていました。
書道の先生も
「級は終わっていて、二段、三段に進んでよいレベルです」
と仰っていました。
最初は全くの下手くそでも、何日もかけて
自分で考えながら1万回繰り返したことで
誰もが認めるくらいの綺麗な字が書けるほどに進歩したんですね。
そして、ここでもう一つ重要なのが、
「永遠」の「永」という字には、点、はね、右はらい、左はらい、
など、綺麗な字を書くための基礎が詰まっている、
さらに、
「永遠」の「遠」という字には、
書き方が苦手な人が多い部首「シンニョウ」が含まれている、
という事実です。
つまり、「永遠」という字が綺麗に書ければ、
他の字も上手くなるという理屈が成り立つわけです。
実際その番組で、1万回挑戦した女性タレントが
試しに他の字も書いてみましたが、
どの字も格段に上達していました。
その女性タレント自身は意識していなかったかもしれませんが、
「永遠」という字を書き続けた事で
字を綺麗に書くための基礎が自然と身に付いていたんですね。
やった人にしか見えない”景色”
この考え方はトレードにも通じるところがあります。
何でも良いです。
基礎的な事を1万回繰り返してみて下さい。
レジスタンスライン、サポートラインを1万回引いてみて下さい。
トレンドラインを1万回引いてみて下さい。
MTF分析を1万回やってみて下さい。
過去チャート検証を1万回やってみて下さい。
もちろん、何も考えず漠然と繰り返すのではありませんよ。
自分で考え、改善点を探しながら繰り返すんですよ。
そうすれば、
やった人にしか見えない”景色“が見えてきます。
もしかして、始める前から「やるだけ無駄」と思ってませんか?
でも「無駄な事はやりたくない」という思考からは
何も生まれてきませんね。
その番組でも紹介されていましたが、
武道家であり俳優でもあるブルース・リーの名言です。
私は1万種類のキックを1回ずつ練習した人を恐れない。
だが、1つのキックを1万回練習した人を恐れる。
レジサポを数回引いて、それで諦めて終わり。
トレンドラインを数回引いて、それで諦めて終わり。
MTF分析を数回行って、それで諦めて終わり。
過去チャート分析を数回行って、それで諦めて終わり。。。
浅いところをチョコチョコとつまみ食いするだけでは
何も見えてこないことは明らかです。
1つのスキルだけを集中的に徹底的に極めたほうが、
トレードには役に立ちます。
「私以上にこの練習を繰り返した人はいないだろう」
そう言い切れるほどのトレーダーは強いですよ。