勝率90%の手法Aと勝率50%の手法Bがあった場合、
あなたはどちらを選択しますか?
おそらく多くの方が勝率90%の手法Aを選ぶはずです。
私も勝率90%の手法Aを選択します。
勝率という限られた情報しか与えられていない以上、
それでしか判断できないので、仕方ないですね、
当然ながら勝率の高いほうを選びます。
では、、、
その手法Aのリスクリワード比が0.22で、
その手法Bのリスクリワード比が2だったら、
あなたはどちらの手法を選択しますか?
リスクリワード比=0.22とは、
勝ち幅が20PIPSだとしたら負け幅が90PIPSになります。
リスクリワード比=2とは、
勝ち幅が20PIPSだとしたら負け幅が10PIPSになります。
勝率とリスクリワード比が分かれば期待値が求められますね。
以下、期待値を計算すると、
手法A=(20×0.9)/(90×0.1)=2.0
手法B=(20×0.5)/(10×0.5)=2.0
となります。
要するに、期待値は同じなんですね。
では、これらを踏まえたうえで
あなたはどちらの手法を選択しますか?
おそらく、それでも多くの方が
手法Aを選択するんではないでしょうか。
「期待値が同じなら勝率が高いほうが良さそう」
「勝率が高いほうが安心できそう」
と考えると思います。
ですが、、、私なら手法Bを選択します。
あえて勝率の低いほうを選びます。
その理由は、、、
高勝率がゆえに自分に余計なプレッシャーをかける!?
「トレードにおける勝率は高いほうが良い」
多くのトレーダーがそのように考えますが、
高勝率には心理的な弊害、罠が待ち受けています。
上記の勝率90%の手法Aでは、
ほとんどが勝ちトレードになります。
当然ですね。
10回トレードすれば9回は勝てるんですから。
となると、その手法Aを使っているトレーダーは、いつしか、
ほとんど勝つだろう
↓
勝つのが当然
↓
勝つに決まっている
↓
絶対に勝たなければいけない
というように自身の脳内で勝手に変換するようになります。
90%の勝率にも関わらず、絶対に勝つ(100%)と歪曲し、
いつしか “そのトレード” に固執するようになります。
となると、
絶対勝つためにそのトレーダーは何をしてしまうのか、、、
損切りの放棄です。
絶対勝つはずのトレードですから、
負けるはずのないトレードですから、
幾ら含み損になっても損切りすることはせず、
一旦設定した損切り注文を取り消したり or
損切り注文を大きく離したりして、
ズルズルと損切りを引き延ばしてしまいます。
こうして予定外の行動をとり、
無理やり勝ちをもぎ取り、
手法Aのルールを逸脱した行動をとるのが常になります。
そして、仮に手法Aで2連敗でもしようものなら大変です。
次からのトレードでは18連勝しなければ
勝率90%を維持できない計算になります。
その事実を知ってしまったら、
自分自身で勝手にプレッシャーをかけてしまい、
トレードにおける正常な判断を鈍らせてしまうでしょう。
まさに悪循環で、
勝率が高いゆえにメンタルが押しつぶされた格好です。
過去の私ですね。
では、手法Bではどうなのか?
勝率50%ですから、勝つとは限りません。
当然ですね。
10回トレードしても5回しか勝てないんですから。
なので、これから行うトレードで勝つか負けるかは
最初から五分五分だと分かっているので、
多くを期待しないで済みます。
勝っても負けても
「あぁ、そうなんだ」
と思うだけです。
仮に手法Bで2連敗したとしても、
それは何も特別なことではなく、よくある “日常” なので、
それで自身自身にプレッシャーをかけることもないです。
勝率が高くないがゆえに平常心でいられるわけですね。
そもそも勝率とは、目指すべきものではなく、そして、
目標として掲げる要素でもなく、
期待値>1のトレードを発見し、身につけた結果として
たまたまその勝率になった、
ということでしかありません。
最初から、
「高勝率のトレードを目指そう」
という姿勢自身が間違っているんですね。
そして、高勝率がゆえに
上記のような弊害、プレッシャーにも負けてしまう。。。
トレードの考え方自体を間違え、
更に、メンタルもヤラれてしまっては踏んだり蹴ったりです。
高勝率はトレーダーにとって有益どころか弊害になることを
初心者の方は、今一度真剣に考えてみてください。