先日、バラエティー系のYouTubeを見てたんですけど、その中で面白い企画をやっていました。

その企画とは、
芸人さんにお笑いを学ぼう
というもの。

芸人さんと女性アイドルが1対1で大喜利対決をやりつつ、
大喜利をやったことがない女性アイドルへ
面白い大喜利ができるように芸人さんがアドバイスをする、
という企画………というのは表向きで、

実際は、
大喜利が得意なアイドルと大喜利が苦手な芸人さんが
 1対1で大喜利対決をやったらどうなるか

という芸人さんを騙すドッキリ企画です。

私はアイドルについてはそんなに詳しくないのですが、
その企画の中で登場した新居歩美さんという女性アイドルが異常なほど大喜利が上手い。

いや、上手いという言葉では表現できないくらいに大喜利の発想/角度が素晴らしくて、
面白いを通り越して感心するほどのレベルなんです。

私が見たのは、その女性アイドル新居さんと芸人AMEMIYAさんとの大喜利対決。

AMEMIYAさんは最初、見慣れない無名の女性アイドルとの対決に余裕の表情、
相手を舐めてかかるという訳でもないですが、適当にあしらってやろう、
アドバイスをしてあげようというスタンスで臨んでいるわけですが…

実際に大喜利対決が始まると、
自分が出した回答よりも遥かに面白い回答を出してくる新居さんに唖然とした表情。

最初は、AMEMIYAさんも
「悪くないんじゃない」
「君、大喜利の才能あるよ」
と強がっていますが、
毎回毎回自分よりも面白い回答を出してくる新居さんに徐々に言葉を無くしていきます。

そのうち、面白い回答を出せない自分にイラつき始め、
「何にも思いつかねぇな」「チクショウ」
「大喜利なんて無くなればいいのに!」
と悪態を付き自暴自棄になっていきますが、その姿が面白い。

最終的にはネタバラシをして、
大喜利が得意なアイドルだったと知り、AMEMIYAさんもホッとした表情。
「君、素晴らしいよ」
「天才じゃん」
という称賛の言葉をかけて企画は終了、大成功に終わりました。
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それから数週間後、芸人さんを変えて再び、
「芸人さんにお笑いを学ぼう」
というドッキリ企画が行われました。

今回の芸人さんは「ちゃんぴおんず」というコンビの「日本一おもしろい大崎」さん。

同じく、女性アイドルと芸人さんが1対1で大喜利対決をやって
実は自分よりも遥かに大喜利が上手い女性アイドルに対して
芸人さんがどのようなリアクションをするのかを楽しむ企画です。

今回もご多分に漏れず、
大崎さんは見慣れない無名の女性アイドルとの対決に余裕の表情、
芸人の立場から面白い大喜利ができるように
アドバイスをしてあげようというスタンスで臨んでいるわけですが…

自分よりも面白い回答を連発する新居さんに対して
「めちゃくちゃ良い」「ビックリした」「すごいね」
と称賛の言葉を送ります。

明らかに立場が逆転した状況に大崎さんは
「いや、ちょっと!えー!?マジ!?」
と頭を抱えます。

逆に新居さんから大喜利のアドバイスを受ける流れになり、
「ものすごい教えてくれる」
「俺が教えるんだよね?コレ」
と困惑した表情を見せるも、
この辺りから徐々に大崎さんの思考が変わっていきます。

本来なら無名の女性アイドルに本業の大喜利で負けるとなると、
かなり落ち込み、悔しがるはずですが、
それどころか、大崎さんは大喜利が楽しくなってきます。

面白い大喜利を見せられ、アドバイスを受けたことで
徐々に大喜利のコツをつかみ始め、大喜利の楽しさに気付き始め、
自ら前のめりになって真剣に取り組み、
大崎さんも徐々に面白い回答を出すようになってきたんですね。

新居さんの回答を褒めつつ、それを見習いながら
大崎さん自身も楽しみながら大喜利をやっていく姿勢が面白い。

最後、ドッキリのネタバラシをした後も
「なんの苛立ちもない」
「めちゃくちゃ勉強になった」
と大崎さんは感心しきり。

今後も彼女から学びたいと次の企画の提案をするほどまでに。
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いかがでしょうか。
同じシチュエーションでのドッキリにも関わらず、
2人の芸人さんは対照的な反応を見せました。

AMEMIYAさんは、面白い回答を出せない自分にイラつき始め、
「何にも思いつかねぇな」「チクショウ」
「大喜利なんて無くなればいいのに!」
と悪態を付き自暴自棄になっていく。

対して大崎さんは、
面白い大喜利を見せられ、アドバイスを受けたことで
徐々に大喜利のコツをつかみ始め、大喜利の楽しさに気付き始め、
自ら前のめりになって真剣に取り組み、
大崎さんも徐々に面白い回答を出すようになっていく。

この違いは何なのでしょうか?

事実A⇒認知B⇒結果C

Aさんは上司に叱られ落ち込みます。
Bさんは上司に叱られ奮起します。

C君は部活で負けて練習への意欲を無くします。
D君は部活で負けてもっと練習に励みます。

Eさんは飲み会が苦痛で仕方ありません。
Fさんは飲み会が楽しくて仕方ありません。

全く同じ事実を体験してもその捉え方は人それぞれです。
そして、事実の捉え方、受け止め方を専門的な言葉では”認知“と表現します。

この認知というフィルターを通して”嬉しい”、”悲しい”、”楽しい”、”怒り”といった
様々な感情が生まれ、それに伴った行動をとります。

この仕組みを図で表すと以下のようになります。
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何かしらの状況や出来事が起きると(事実A)
その人特有の考え方、信念、思考のクセがフィルターとして機能して(認知B)
何かしらの感情が生まれたり、何かしらの行動を起こすようになる(結果C)
というもの。

つまり、起きた事実Aが直接的に結果Cに結びついているのではなく、
必ずその間には認知Bが介在しているわけです。

ということは、この認知Bを変えれば結果Cも変えることができるわけです。
これを心理学的な用語ではABC理論と言います。

普段の日常生活をしている時には、
私たちはABC理論なんて考えて行動しているわけではないですし、
そもそも、この認知Bが一瞬で、しかも、無意識のうちに行われますし、
ABC理論自体を知らない人が多数で、認知という仕組みを理解している人も少ないので、
ほとんどの人が事実A結果Cが直結していると勘違いしています。

しかし実際には認知Bを変えれば結果Cを変えることができるんですね。

上司に叱られ、”自分には才能が無いんだ“と、落ち込むのではなくて、
上司に叱られ、”見返してやろう“と、奮起するんですね。

部活で負けて、”自分が足を引っ張った“と、練習への意欲を無くすのではなくて、
部活で負けて、”課題を改善しよう“と、もっと練習に励むんですね。

飲み会は、”緊張するから“、苦痛で仕方ないと思うのではなくて、
飲み会は、”同僚と少し話せば仕事が円滑に進むかも“と楽しんでみるんですね。

分かりやすい言葉で言えば、「要は考え方次第」なわけです。
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ABC理論をトレードに当てはめて有益な認知に変える

このABC理論はトレードにも当てはまります。

Aさんはトレードで損切りになって悔しがります。
Bさんはトレードで損切りになって喜びます。

Cさんはトレードで大幅利益になって喜びます。
Dさんはトレードで大幅利益になって慎重になります。

Eさんはエントリーできない状況にソワソワします。
Fさんはエントリーできない状況に平常心でいます。

トレードで損切りになって喜ぶ?!嘘でしょ。そんな人いるわけないじゃん
いいえ。いますよ。私です。

先に、認知Bを変えれば結果Cを変えることができると書きましたが、
まさにその例です。

しかも、これは無理やり変えているわけではないんですよ。
心を騙して心を偽って無理やり喜んでいるわけではないんですよ。

本当に嬉しいんです。
それはなぜか…

だって…損切りになれば負けトレードのデータが増えるわけですから、
それを沢山貯めれば貯めるほど、
自分の負けパターンが明白になってきます。

ということは、
それを修正し、改善し、負けパターンでのトレードを減らしていけば、
勝率は上がっていきますし、期待値も上がっていくわけです。

嬉しいに決まってるじゃないですか。

他の2例も同様です。

通常なら大幅利益になったら喜ぶはずですが、私は慎重になります。

なぜなら、大幅利益になったということは、トレンドが長く継続したということ。

つまり、大幅利益になった現状は既にトレンドが後半、伸びきっている可能性が大なので、
今からエントリーしても大幅利益になる可能性は低いと考えられるからです。

喜んでイケイケで「ロットを増やして次のトレード!」なんて、
よっぽどのことが無い限り無理、
私はチャートの形状を見て慎重にならざるを得ないです。

また、エントリーできない状況にソワソワしても意味は無いです。
自分のトレードルールは確立している状況で何をソワソワする必要があるでしょうか?

余計な感情はポジポジ病を疑います。
エントリーできない状況に冷静でいられる自分を褒めてあげたいです。

トレードで損切りになったら、
「負けトレードのデータが増えてそれを改善すれば期待値が上がる」⇒認知B
ので喜ぶ。

トレードで大幅利益になったら
「既にトレンド後半の可能性が高く次のトレードは期待値が低そう」⇒認知B
なので慎重になる

エントリーできない状況だと、
「トレードルールを守った結果なので何もしないのは当然」⇒認知B
なので平常心でいる。

トレードでも、同じ事実Aだとしても認知Bを変えれば結果Cを変えることができるんですね。

冒頭で書いた「芸人さんにお笑いを学ぼう」では、
芸人AMEMIYAさんは女性アイドルに大喜利対決で負けて
「女性アイドルに大喜利で負けて悔しい」⇒認知B
と自暴自棄になります。

芸人大崎さんは女性アイドルに大喜利対決で負けて
「この子に大喜利を教えてもらうと自分も上手くなれる」⇒認知B
と楽しみます。

芸人の大崎さんは無意識のうちに、
ポジティブな認知Bのフィルターを持っていると推測されます。

認知を変えれば結果が変わります。
私達トレーダーもポジティブで有益な認知を持っていたいですね。