以下のチャートは昨日のGBPUSDの15分足チャートです。
あなたはロンドン時間の初動から、
このチャートを監視していたとします。
チャートの動きから徐々に上昇トレンドに傾きつつあるのを確認して、
Aの位置でロングポジションをとったとします。
そして、あなたの決済のルールは、
「+1σを終値でローソク足が割れたら」とします。
その後、チャートは順調に上げてくれて、
その日の深夜24時過ぎた段階のCの位置で
ローソク足が+1σを割れたのを確認しました。
そのローソク足を見て、上昇トレンドが一旦終了したと判断し、
決済を実行し、トレードを終了する事ができました。
この時の決済には、おそらく何の精神的な躊躇や苦しみ、
不快感などは一切ないはずです。
気持ちよく決済して、その日の夜は気持ちよく眠れるでしょう。
しかし、仮にこの日、帰りが遅くなり、
チャートの監視がロンドン時間の初動からではなく、
もっと遅い時間から監視を始めていたとしたらどうでしょうか。
例えば、21時過ぎてからこのチャートを監視することになったとします。
既にチャートは上昇トレンドになっています。
ロングしたい気持ちはあるが、今から更にトレンドが継続するか分からず
どうしようか迷っていると、長い陽線が出現し、
更に上値を伸ばす展開となっていきました。
この長い陽線を見て、遅ればせながらBの位置で
ロングのポジションをとったとします。
そして、決済のルールは、同じく「+1σを終値でローソク足が割れたら」です。
ロングエントリー後、なんとか多少は上げてくれましたが、
さほど上げは続かず、24時過ぎた辺りでローソク足がCの位置で
+1σを割れてしまいました。
この段階で決済すると、小幅プラスにしかなりません。
タイミングが悪ければ、ほとんど値幅は取れてないかもしれません。
この時あなたはどう思いますか?
「エントリーしたのが遅かったから、もう少し粘ってみようかな」
「目標値に達していないから、再度の上げを期待しよう」
などと、自分勝手な余計な考えが頭の中によぎりませんか?
それにより、+1σを割れたら決済する、
というルールに従うことに躊躇しませんか?
そして、場当たり的にルールをまげて、ポジションをキープしたり、
何か余計なアクションを起こしたりしてませんか?
もしあなたが、自分がとったポジションの位置によって、
決済時に、このような心理的な違いがある、
そして、行動に違いが出てくるとするならば、それは直さなくてはいけません。
相場に正解はありませんが、
自分のルールで+1σを割ったら決済と決めているならば、
自分のポジションの位置、自分の利益幅、損切り幅に関わらず、
+1σを割ったら決済するのが、適切な行為です。
自分のとったポジションの位置によって場当たり的に、
決済方法を変えるのは、正しい行為とはいえません。
あなたがどこでポジションを持とうが、
トレンドが変化したことに変わりはありません。
あなたのポジションの都合など、相場には関係ありません。
トレンド転換したと認識したならば、決済しなければいけません。
それが利確であろうと、損切りであろうとです。
マーケットが、あなたの帰りが遅かった事、
ポジションを取るのが遅かった事に気を使ってくれて、
「じゃぁ、もう少しトレンドを伸ばしてあげましょう」
なんてことになるはずがありません。
でもトレーダーは、心のどこかでそのような都合の良いことを考えています。
「今日くらいもう少しトレンドが伸びてくれないかなぁ」
「エントリーが遅かったけど、目標利幅が20PIPSだから、
最低そこまでは上げて欲しいなぁ」
「私はFXの初心者だから、分かりやすい動きをして欲しいなぁ」
「3連敗したから、次は勝つ順番のはずだろう」
そのような事を考える事自体が無意味です。
自分主体、自分の都合でチャートを見てしまうと、チャートが歪んで見えます。
あくまでも、相場主体、相場の都合でチャートを見るように心がけましょう。