一方的なドル買い、ユーロ売りの流れが何か月も続いている結果、
ユーロドルは、日足レベルで戻りを試さないワントレンドの下落が続いています。

先週あたりはさすがに一服するのではと思っていましたが、
金曜日に発表された米雇用統計の予想以上の数字の改善を受けて、
戻りを試すどころか、一段とドル買いが進行する展開となっています。

日足の形状を見ると、ドルの買われ過ぎ感、オシレーター系指標の売られ過ぎ感が
ハッキリしていますが、デイトレではどんな方針で臨んでいけば良いんでしょうか。

マルチタイムフレーム(MTF)分析の観点から、
チャートパターン、及びボリンジャーバンドの形状を元に、
現時点で分かる範囲でのユーロドルのシナリオを考えてみましょう。

ユーロドル日足チャート
eurusd1d141005
7月中旬に下降トレンドが開始されて、
約4か月かけて1000PIPSの下落を演じています。

この間の下落は、ドル買いとユーロ売りの相乗効果によってもたらされていますが、
どちらの通貨も調整する事がなく、一服と進行を繰り返しているので、
このように戻りを試さないワントレンドの下落になっているんですね。

最新レートでは、-2σを割れていますので、
さすがに次週は横ばいの展開になる可能性が高そうですが、
-1σを上回ってくるまでは売り目線で見ていきます。

さすがに売られ過ぎだから、ここからは買い目線で見るべきでしょう
なんて自分勝手な予測を持ち込まないようにしましょう。

この4か月間の下落の中で、
さすがに売られ過ぎだから、ここからは買い目線で見るべきでしょう
とロングポジションを持ったトレーダーは、
みんな損切り、もしくは含み損で苦しんでいます。

以下は、あるFX会社が提供している、
未決済のポジションを価格帯別に教えてくれるグラフです。
eurusdposition141005
ショートよりもロングポジションの方が多いですね。
そして、このロングポジションの保有者はみんな含み損で苦しんでいるんです。

この青緑色の棒グラフに表示されているトレーダーは、みんな
さすがに売られ過ぎだから、ここからは買い目線で見るべきでしょう
と自分勝手な予測を持ち込んだトレーダー達です。

あなたはこの仲間に入る必要はありません。


ユーロドル4時間足チャート
eurusd4h141005
オレンジラインで引いたような下降チャネルライン内での推移となっています。

直近の動きとしては、その下降チャネルラインの下限に到達していますので、
ここからショートを仕掛けるのは効率が悪そうですね。

ショートを仕掛けるには、やはり上値抵抗線のラインまで上げてからの戻りを
売った方が良いので、しばらくはそうした展開になるまで待った方が良いでしょう。

逆に、この上値抵抗線を上方向へブレイクするようなら、
ひとまず下降トレンドは終了したと判断し、
その後、+1σ超えや直近高値を越えてくるようなら
買い目線に転換しても良さそうです。


ユーロドル1時間足チャート
eurusd1h141005
オレンジラインで引いたような上昇チャネルライン内での推移となっていましたが、
その下値支持線をブレイクすると、その後の雇用統計でのドル買いを受けて、
赤いラインで示した直近安値もブレイクする展開となっています。

最新レートは、戻りを試す事もなく、週末なので徐々に動きが小さくなっていき、
安値圏での大引けとなっています。

今後は、直近の下落が急なので、
この位置から安値割れ売りを狙うのはちょっと確率が低そうです。

一旦戻りを待った方が良さそうですが、
その際の目途としては、ブレイクする前の安値である赤色ラインでしょうか。

ここまでは戻る可能性もあるので、
この赤いラインより下にレートがあれば戻り売りを狙い、
この赤いラインを超えるようなら様子見、もしくはチャートの形状によっては
買い目線に切り替えても良いでしょう。

デイトレとしての総合判断

日足チャートが-1σ以下にあるので、デイトレでも売り目線で見ていきますが、
最新レートは-2σ以下ですので、ここからは一旦戻りを試す展開も考えられます。

日足レベルの-2σから-1σまでは、それなりに距離があるので、
日足のトレンドに逆らっている事を認識した上で
ロングを仕掛ける事も無い訳ではないですが、
基本的には、戻ったら売り戻ったら売り、を繰り返す方針が良いと思います。

しかし、あえてロングを仕掛けるのなら、1時間足の赤色ラインを越えてきて、
1時間足レベルの+1σを超えるような展開になってからにしましょう。

日足で明確な下降トレンドだとしても、上記の1時間足チャートのように、
部分部分では上昇チャネルラインのような上向きの形状を示す事もあります。

ですので、そうした部分を短期的にロングする事も可能ですが、
もしも4時間足の下降チャネルの上限に近づいてきたら
そのライン際の攻防を見極めるようにしたいですね。

しかし基本は売り目線です。無理にロングをする必要はありません。
上向きの流れはあくまでも調整であるという認識は持っておきましょう。