先週は日銀の金融政策決定会合によって市場の雰囲気が一変しましたね。

それまでは、銀行の貸出金利にマイナス金利を適用するという観測記事によって
円売りが優勢となりクロス円も堅調に推移していましたが、
先の会合で追加緩和を見送った事で急激な円買いとなっています。

今回のように、
思惑だけが先行して、結果的にその期待が裏切られてしまう形になると、
心理的な振り幅が大きい分、その反動も大きなものになりますね。

結局、先のマイナス金利報道は何だったんでしょうか?
何かしらの裏付けがあっての観測記事だったんでしょうか?
それとも、勝手な憶測記事?単なる思惑記事?だったんでしょうか?

こうなってしまうと、クロス円のチャートは総崩れですので、
なかなかテクニカルで分析しづらいですが、
その中でも比較的分かりやすいユーロ円の今後のシナリオを考えてみます。

ユーロ円の日足チャート
eurjpy1d16050101
全体的に見ると、高値切り下げ、安値切り下げが継続しており、
振幅の大きな下降トレンドになっています。

赤色ラインは直前の安値から引いていますが、
先週末は丁度そのあたりで大引けとなっています。

現在の流れから判断すると、
この赤色ラインも割れてしまう可能性が高そうですが、
予想で行動する事はできませんね。

一応、売り目線ですが、赤色ラインが下値支持線となるかもしれないので、
ここからの反転上昇には注意したいです。


ユーロ円の4時間足チャート
eurjpy4h16050102
赤色ラインは先の日足チャートでの赤色ラインと同じ位置ですが、
4時間足チャートが金融政策決定会合後の急落を最も分かりやすく表示していますね。

4月18日の安値を起点として上昇トレンドになっていましたが、
僅か2日で元の安値に戻っています。

テクニカル的には、現状は-1σ以下で推移している下降トレンドといえますが、
チャートの形は綺麗ではないですね。

また、いつになるかは分かりませんが、
急落直前の高値から引いたオレンジライン
将来、上値抵抗線として意識される可能性が高そうです。


ユーロ円の1時間足チャート
eurjpy1h16050103
今回の急落によって、指値等の注文は一掃されたかもしれませんので、
1時間足レベルでは、急落前のチャート形状、及び、
それに伴うサポレジは無視していきます。

レジスタンスラインの候補としては、下から順番に、
アクアラインオレンジラインピンクライン
でしょうか。

1時間足レベルでも高値切り下げ、安値切り下げとなっており、
売り目線に変わりないですが、今後上げるようなら
上記の3つのライン付近での攻防には注意が必要です。

デイトレとしての総合判断

日足チャート、4時間足チャート、1時間足チャート全てにおいて
下降トレンドとなっているので、売り目線で見るべき局面です。

そして、現在も下げの勢いは止まっていないですが、
4月18日に付けた安値である赤色ラインに並んでいる事に注目です。

週明け早々は、この安値付近での攻防から始まりそうなので、
デイトレでショートを仕掛ける場合には、
この赤色ラインを明確に割ってからの方が良いでしょう。

もしくは、一旦大きく跳ね返されて上昇し、
その後の再下降を戻り売りするシナリオも有り得ます。

逆に、ロング向きのチャート形状になるのは、
最低でも1時間足チャートのアクアラインを越えてからでしょうか。

このアクアラインを超えるようなら、
調整の戻りという意識の元でのロングならやっても良いかもしれません。

また、波形として分かりやすいのは
1時間足チャートで示したオレンジラインです。

ここを超えるようなら、
高値切り下げ、安値切り下げのチャートパターンが崩れた事になるので、
よりロングの確度も高くなるでしょう。

とりあえず、デイトレとしては、急落前のチャート形状はひとまず無視して
急落後に形成される今後のチャート形状を元にシナリオを考えていきます。