先週は週初から大きな動きは無かったですが、
週末のジャクソンホール会議でのイエレンFRB議長と
ドラギECB総裁の両氏の発言によって、
市場は一気に通貨の強弱を見せ始めてきました。

まず、イエレンFRB議長の発言では、
金融政策に関する言及がなく、
追加利上げへの期待感が後退した事で一気にドル売りへ。

そして、その後のドラギECB議長の発言では、
市場が懸念していた現在のユーロ高に関する言及がなかったことで
更なるユーロ買いが進行する結果となりました。

このドル売りとユーロ買いの相乗効果によって、
ユーロドルは週末にも関わらず一気に急騰して、
年初来高値を更新した状態で大引けを迎えています。

市場は移り変わりが激しいので、
このままドル売りユーロ買いの流れが
中期的に継続するかどうかは分かりませんが、
現時点でのユーロドルのチャート形状をMTFで確認しておきます。

ユーロドルの日足チャート
eurusd1d17082701
4月に窓上げの大きなギャップアップがあり、
そのまま赤色ラインで示した200日移動平均線をブレイクして以降、
高値切り上げ安値切り上げの上昇トレンドが約4か月間継続しています。

ユーロに関してはここまで上げる具体的な要因は無く、
ただ金融緩和縮小の思惑だけで上げているような感じですが、
チャートに忠実になるなら、買いしか考えられない状況です。

オレンジラインは8月上旬の高値から引いていますが、
ここも先週末に僅かにブレイクしてきました。

まだ、ハッキリとブレイクとは言い難いですが、
短いスクーズからのエクスパンションへ移行する初期段階と
捉える事もできます。


ユーロドルの4時間足チャート
eurusd4h17082702
8月に入ってからの全期間を表示していますが、
明確な方向感のないレンジ的な動きに終始していました。

しかし、やはりジャクソンホール会議後に急騰して、
オレンジラインを突破した形跡は見られます。

こちらもスクイーズからのブレイクのパターンですが、
前回高値のオレンジラインを明確に超えたとは言えないですね。

この程度の抜けから反転下落して、
いわゆる”ダマシ“となるケースは頻繁に起きています。

目線としては上ですが、オレンジライン付近での攻防を
もう少し見極めたい局面です。


ユーロドルの1時間足チャート
eurusd1h17082703
イエレンFRB議長の発言で急騰し、
ドラギECB総裁の発言でも急騰し、
明らかに行き過ぎ状態である事が分かります。

大引け間際の市場参加者の少ない状態での上げなので、
このレートの位置を維持できるかどうか分かりませんが、
順張りトレーダーなら目線は上に見るしかありません。

しかし、エントリータイミングは難しいと言わざるを得ないでしょう。

デイトレとしての総合判断

日足チャートは、長期的な上昇トレンド継続中、
4時間足チャートは、エクスパンション状態も前回高値が気になる
1時間足チャートは、+2σを越えた明らかに行き過ぎた急騰中
となっており、
総合的には、買い目線で見るべきですが、
一旦、落ち着くのを待ちたい局面と言えます。

まずは、4時間足チャートにおけるオレンジラインでの攻防を見極めたいです。

この程度のブレイクでは、ダマシの可能性もあり、
ここから単に反転下落してレンジ相場継続
という可能性も有り得ます。

このオレンジライン上にあるならば、
そして、できればレジサポ転換が確認できたならば、
その段階で改めてロングを検討してきたいです。

しかし、オレンジラインを割るようなら、
1時間足チャートの形状によっては
ショートを検討しても良いでしょう。

しかし、ショートの場合は日足チャートの流れと反対であるために、
あまり利大を目指さない方が良いかもしれません。