マーフィーのFX投資術でデイトレを行う際には、
1時間足で大局観を把握して、
5分足で売買ポイントを探ることが推奨されています。

そして、大局観の把握に利用するのがスーパーボリンジャーで、
売買ポイントを探るために利用するのがスパンモデルになります。

つまり、
1時間足チャートに設定したスーパーボリンジャーで
現在の相場の方向性を判断して、
5分足に設定したスパンモデルで
エントリーのタイミングを計っていくわけです。

なので、順番としては
1時間足でのスーパーボリンジャーによる大局観の把握が先で、
ここが間違っていたら確度の高いトレードはできなくなります。

大局観の把握“とは”環境認識“と言い換えることもできますが、
マーフィーのFX投資術ではその役目を遅行スパンに任せています。

要するに、
遅行スパンがローソク足の上に位置していれば買い優勢と判断して、
ロング主体にエントリーを狙っていき、
遅行スパンがローソク足の下に位置していれば売り優勢と判断して、
ショート主体にエントリーを狙っていきます。

遅行スパンとローソク足の位置関係を見るだけで環境認識ができるので、
シンプルといえばシンプルでしょう。

しかし、注意点があります。

俯瞰的な流れを把握しているか?

遅行スパンが陽転したら買い優勢でロングを狙う、
遅行スパンが陰転したら売り優勢でショートを狙う、
確かにそうなんですが、
そこばかりをミクロ的に 近視眼的に 神経質に 見ていては
俯瞰的な流れの把握が、おざなりになってしまいかねません。

参考例として、
現時点における1時間足でのスーパーボリンジャーを
幾つかの通貨ペアで確認してみましょう。

(以下のチャートでは
 ボラティリティーを視覚的に比較できるように
 縦軸目盛りの間隔を全て20PIPSに統一しています)


USDJPYの1時間足チャート(右クリックで別窓拡大)
spanmodel19042001
縦白点線がNYクローズの時間で、その間が1日です。

つまり、全体で直近約8営業日分のチャートになりますが、
そのうち、先週1週間分は明らかに動意薄ですね。

オレンジラインは週初に引いた上値抵抗線と下値支持線ですが、
結果的には週末までのほとんどの期間で
価格がこのライン内に収まっています。

上下幅は30PIPS程度しょうか、そんな状況で
遅行スパンが陽転したら買い優勢でロングを狙おう、とか、
遅行スパンが陰転したら売り優勢でショートを狙おう、
とやっても、うまくはずがないですね。

注意してほしいのは、
「遅行スパンがローソク足を少しでも超えたら買い優勢だ」
とか、
「遅行スパンがローソク足を少しでも割ったら売り優勢だ」
とか、
そんな風に神経質に考えないでください。

レンジ内での遅行スパンの陽転、陰転、
特に、レンジの上下幅が狭い中での陽転、陰転は
それほど重要ではない、というか、意味はありません。

そもそも、それ以前にレンジ相場なんですから、
まずはレンジブレイクを確認することが先決です。


EURUSDの1時間足チャート(右クリックで別窓拡大)
marfy19042002
同じく直近8日分の1時間足チャートになりますが、
先週はレンジ相場から下限ブレイクという展開でした。

週初のレンジ相場ではボリンジャーバンドも縮小気味で、
8つのチェックポイント」PDFファイルにも書いてあるように、
ここは調整局面であり、やはりトレードには向いていない場面です。

レンジ幅は40PIPS強ですので、
同じく、レンジ内を遅行スパンの陽転、陰転の判断で
無理矢理トレードしてもうまくいかないです。

実際のトレードとしては、
木曜日にようやくレンジ下限を明確にブレイクしているので、
そこからが本当の意味での売り優勢であり、
ショートを狙っていく場面となります。


GBPJPYの1時間足チャート(右クリックで別窓拡大)
marfy19042003
同じく直近8日分の1時間足チャートになりますが、
俯瞰的には、上昇トレンドから持合へ遷移して、
その後、下降トレンドという流れになっています。

オレンジラインは週初に引いた上値抵抗線と下値支持線ですが、
上記のケースではレンジ幅がある程度は広いので、
レンジ内でのトレードも可能です。

しかし、黄色○で囲った部分に関してですが、
遅行スパンの陽転時には既に上値抵抗線に近く、
遅行スパンの陰転時には既に下値支持線に近いので、
実際にはエントリーすべきではないでしょう。

トレードして良いと言える場面は、
火曜日に下値支持線を明確にブレイクしてWトップが完成し、
下降トレンドが明確になって以降です。

こういう状態になったら、改めて5分足に時間軸を移動させて、
スパンモデルでエントリーのタイミングを計っていくことになります。


マーフィーのFX投資術に限ったことではないですが、
トレンドフォロー系の手法の場合は、
現在のボラティリティーの把握は重要です。

当然ですが、ボラティリティーが小さいと
レンジ相場に捕まって勝率は低くなってしまいます。

レンジ相場を形成したと判断したら、
レンジ上限のレジスタンスライン、もしくは、
レンジ下限のサポートラインのどちらかをブレイクするまで様子見、
エントリーしない、という方針で臨んだ方が無難です。

私こすぎもチャートには必ず表示させているお気に入りの商材です。
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