FXにおける手法とはエントリーだけで成り立っているわけではなく、
クローズとセットになってその有効性を検証しなければいけません。

 

FXの初心者の方に限らず、多くのトレーダーは、
エントリーばかりを気にしている傾向がありますが、
どちらかというと、クローズの方が重要といえるでしょう。

 

エントリー直後、全く逆行することなく、
思惑通りに動いてくれるような完璧なタイミングのエントリーができたとしても、
その後のクローズのタイミングが悪ければ、絵に描いた餅となってしまい、
利益どころか損切りになってしまう可能性もあります。

 

逆に、エントリー直後、逆行してしまっても、
きちんと損切りしていれば大負けを防ぐ事ができます。

仮の話ですが、もしもデイトレの手法で、

・エントリーのタイミングは、自分で好きなように選べるが、
クローズのタイミングは、1分後なのか、1時間後なのか、10時間後なのか、
いつになるのか全く分からない手法
と、

・エントリーのタイミングは、1分後なのか、1時間後なのか、10時間後なのか、
いつになるのか全く分からないが、
クローズのタイミングは、自分で好きなように選べる手法

この2つがあった場合、あなたはどちらを選びますか?

 

人によって意見が分かれると思いますが、私なら絶対に後者を選びます。

 

どこでエントリーするかを考えるよりも
どこでクローズするかを考える方が損益に直結し、
より重要だと考えているからです。

 

極端なことを言ってしまうと、エントリーなんてどうでもよく、
クローズさえきちんとしていれば何とかなると思っています。

 

しかし、そのクローズするタイミングは、
エントリーよりも難しいと実感しています。

 

なぜかというと、
エントリーは自分の好みのチャートパターンを選ぶことができますが、
クローズは自分の好みのチャートパターンを選べません。

 

どのようなチャート形状でクローズするのかは、
その時々によって異なってきますので、
その場に応じて柔軟に対応しなければいけないからです。

 

トレンドフォローで利大を目指す以上は、
なるべく含み益は時間的に引き伸ばしていくことが適切だと言えますが、
いつまでもトレンドが続くわけでもなく、いつかは反転してしまいます。
そのポイントを見極めるのは至難の技と言えるでしょう。

私の場合、どこで利確するのかというと、幾つかのパターンがあって、

[1].商材で書かれてあるような手仕舞い条件に一致した場合
[2].ロングなら、直近の高値もしくは上値抵抗線付近まで上げた場合、
   ショートなら、直近の安値もしくは下値支持線付近まで下げた場合
[3].ロングなら、高値の切り下げ、安値の切り下げが見られた場合、
   ショートなら、安値の切り上げ、高値の切り上げが見られた場合

この3パターンをおもに使っています。

 

これらのうちどれを採用するのかは、
その時のチャートの形状や、通貨の力関係によって違ってきます。

 

例えば、通常の押目買い、戻り売りならば、[1]をメインに考えます。

 

しかし、その時のチャートの形状で、
誰もが意識していそうな支持線や抵抗線が近くにあれば、
[2]でクローズすることも考えます。

 

また、大幅な含み益状態になったら、できるだけ利を伸ばしたいので、
明確なトレンド転換といえる[3]の状態になるまでずっと我慢することもあります。

 

もちろんどれが正解というものでもありません。

 

近くに抵抗線があると思ってその手前で利確したのに、
その抵抗線がまるでなかったかのように一気にブレイクして、
結果的に利確位置が早すぎた、ということもあります。

 

また、ロングポジションで利大を目指そうと粘っていたが、
安値の切り下げのスピードが思った以上に速くて、
せっかくの含み益が結果的に損切りで終わってしまった、
ということもあります。

こうした事は、デモトレード、リアルトレードを数多く経験して、
自分に合った利確方法を身に付ける必要がありますが、
基本的には、損切り幅よりも大きい利確幅で、リスクリワードレシオ>1なら
どんな利確方法でも構わないと思っています。

 

利大を追求し、時に含み益の大幅減少での利確や損切りとなってしまっても
それらを素直に受け入れ、一貫性のあるルールで繰り返せるのなら、
どんな利確方法でも適切であるはずです。

 

相場に正解を求めてはいけません。
相場にあわせて適切に対応するだけです。
それは利確の仕方でも同じということです。