私は自分で言うのもなんですが、
わりと冷静で、論理的な思考や行動をとる方だと思っています。

一時的な感情に流される事なく、
物事を客観的に判断する性格だと思っています。

私がまだトレード初心者だった頃、
トレードという行為が何か知的なゲームに参加しているようで
自分の冷静に客観的に判断できる性格ならば、
すぐにでも攻略できるのではないか、と何の根拠もない自信を持っていました。

しかし、実際にトレードを始めてみると、
自分の思い通りに動いてくれないチャートに苛立つばかり。

自分なりに真面目に勉強したつもりでトレードに臨んでいるのに、
なかなか成績が向上しない日々が何か月も続いて、
ストレスと焦りが溜まる一方でした。
fxstress
そんな中、いつしかトレードという行為に怒りを覚えるようになり、
チャートを敵とみなし、何とか打ち負かしてやろうと考えるようになっていました。

もちろん、それで勝てるようにはなりません。

自分の特徴である冷静さを失ってしまっては、更に負けが込む結果となり、
理想と現実のギャップに苦しみ、自分らしくなく何度も怒りを爆発させていました。

過去には、損切りトレードの連続に、あまりにも腹が立って、
壁を思いっきり蹴って、穴をあけた事もありましたし、
食べかけのコンビニ弁当を部屋中にぶちまけた事もありました。

マウスを叩きつけて壊した経験も5~6回あります。
そのあと冷静になって、マウスを修理している自分が虚しいったらありません。

トレードって怖いですね。

普段は冷静な性格であるにも関わらず、
いざトレードとなるとつい熱くなってしまいます。

心の中では、怒りのままに行動しても何にもならない、何の改善にもつながらない、
と分かっているのに、自分を抑えられず周囲が見えなくなってしまいます。
fxwall

平常心でトレードを行う方法

トレードを行う際には、手法よりもマインドの方が重要です。

しかし、最初からマインドに興味を持っている、マインドの重要性に気づける人は
ほとんどいないでしょう。

多くの個人トレーダーはマインドの重要性に気づく間もなく
市場から退場してしまいます。

しかし、運良く生き残り、何とかしてトレードで成功したい、と思い続けていると、
上記で挙げた私の初心者時代のような経験をとおして、
トレードとマインドの関連性に気づけるようになります。

そして、平常心を持っていないと手法を正しく実行できないと理解し、
より安定した精神性、心の置き場所を望むようになります。

トレードは、心を激しく揺り動かす行為で溢れています。

・予定していた損切りポイントに到達したのに損切りできない
・予定していた利益確定ポイントに到達していないのに決済してしまう
・目の前の急騰を見せられて、ついルールにないエントリーをしてしまう
・持合が続いて暇だからと、ついお遊び感覚でエントリーしてしまう

何をしても自由、何をしても誰にも怒られないトレードの世界においては、
自分をキチンと律する事ができないと、余計な行動ばかりをしてしまいます。

そして、余計な行動のほとんどが、自分にとっては損となる行動です。

ですので、マインドを鍛えて、自分を律する事を覚え、
トレード時には余計な行動をせずに、
常に平常心を保てるように努力しようと頑張るわけですが、
その努力の方向性が間違っていると、
いつまでたっても平常心を得る事はできません。

平常心とは、悩みや心配事、ストレスなどを無理やり押さえつけ、
自分の感情を押し殺して、強制的に身につけるものではありません。

嫌なもの、くさい臭いものに蓋をして表向きだけ平静を装ってみても、
何の改善にもならない事は自分自身が一番よく分かってるはずです。

私はやった経験はないですが、
何時間も座禅を組んで瞑想したり、
滝に打たれて心と体を清めたり、
一心不乱に念仏を唱えたりして、
自分の心と向き合っていれば、そのうち悟りが開けて、
どんなチャートの動きにも翻弄されない確固たる平常心を
手に入れる事はできるかもしれません。
waterfall

しかし、こんな事よりも更に効果的なのは、
自分の過去のトレード記録を検証して、期待値>1のルールを構築し、

「このルール通りにトレードを繰り返していれば、
 勝ち負けはランダムに発生するが、トータルではプラスに収束するんだ」

という自信を自分の心の中でしっかりと確立しておく事です。

トレード中に上記の言葉を常に意識していれば、
余計な行動はとらなくなるはずです。

損切り位置に到達した時に、実際に損切りしようかどうか悩んだとしても、
トータルプラスを実感していれば、利益の為に損切りできるようになります。

まだ利確の条件を満たしていない状態で、小幅利確の誘惑に駆られたとしても、
利大によってトータルプラスが実現されているんだという実感を得ていれば、
そのままポジションをホールドできるようになります。

たとえ、利大の途中で反転損切りとなったとしても、
数あるトレードの中のひとつに過ぎないという実感を得ていれば、
全く悔しがることもなくなります。

そして、ルール通りに行動する事が潜在意識に根付くようになると、
それが通常の状態となり、ただ当たり前の事をやっているだけになり、
何の心理的抵抗を感じる事もなく、日常の心理状態、
つまり、平常心でチャートに向き合う事につながっていきます。

ここまでくると、
ルール違反を犯すような余計な行動の方が、逆に心理的抵抗となって
自分からやろうという気持ちは起きなくなります。

座禅、瞑想、滝行、断食、写経、念仏、、、どんな苦行よりも

期待値>1の実感

これを身につければ、心は安定していきます。