ローソク足の組み合わせのパターンっていろんな種類がありますね。
2本のローソク足だけでも、
包み線、はらみ線、切り込み線、被せ線、毛抜き天井、毛抜き底など
と呼ばれるパターンがあります。
3本のローソク足でも、明けの明星、宵の明星、三兵、三空
と呼ばれるパターンがあります。
FXの場合、基本的には1つのローソクの終値と次のローソクの始値は
同値付近に位置していて、ギャップは週明けの寄付き以外には起こらないので、
これらのパターンのうち、ギャップ前提のパターンは発生しないですが、
それでも日々のトレードにおいては、注意深くチャートを見ていると
時折、上記のようなパターンを幾つか見かける事もあります。
トレーダーの中には、このようなローソク足の組み合わせを
トレードルールの1つとして組み込んでいて、
エントリーや手仕舞いをする人もいますが、
私の場合は、このようなローソク足の組み合わせはほとんど意識していないですし、
それを自身のトレードルールに組み込んだりしていません。
例えば、短期の時間足である15分足チャートや5分足チャートなどに
こうした組み合わせが出現したとしても、“たまたま” だったりする事が多く、
その後のトレンドの行方には、ほとんど影響がないと思っています。
テクニカルというのは、
時間足を大きくすればするほど効きやすくなる傾向がありますので、
では、4時間足チャートや日足チャートではどうかというと、
確かに有効性は増すとは思いますが、私にとってはやはり優先順位は低めですね。
上記では、幾つかローソク足の組み合わせのパターンを提示しましたが、
その中でもよく見かける、認知度の高いものというと、
「包み線」と「はらみ線」でしょうか。
包み線とは、ひとつ前のローソク足の実体を
完全に包み込むような大きなローソク足の事を指し、
ひとつ前の陰線ローソク足を陽線ローソク足で完全に包み込んだら買いシグナル、
ひとつ前の陽線ローソク足を陰線ローソク足で完全に包み込んだら売りシグナル、
と言われています。
また、はらみ線とは、ひとつ前のローソク足の実体の中に
完全に収まるほどの小さなローソク足の事を指し、
ひとつ前の陰線ローソク足に収まる小さな陽線ローソク足がでたら買いシグナル、
ひとつ前の陽線ローソク足に収まる小さな陰線ローソク足がでたら売りシグナル、
と言われています。
特に、
トレンド中に「包み線」や「はらみ線」が出現したら、トレンド転換のサイン
と言われていますが、実際はどうなんでしょうか?
参考までに、テクニカルが効きやすい日足チャートで
最近のトレンド相場を見てみましょう。
以下は、USDJPYの日足チャートとEURUSDの日足チャートです。
「包み線」や「はらみ線」といってもローソク足の実体部分だけではなく、
正式には、そのヒゲの部分も考慮しなくてはいけなくて、
「包み線」なら上下のヒゲも含めて包み込んでいる状態、
「はらみ線」なら上下のヒゲも含めて収まっている状態、
でなければいけません。
それらも加味して、下記チャート図に、トレンド転換と言われる、
上昇トレンド中の「包み線」と「はらみ線」
下降トレンド中の「包み線」と「はらみ線」
を丸枠で囲ってみました。
USDJPY日足チャート
EURUSD日足チャート
赤枠は「包み線」、青枠は「はらみ線」を指していますが、
これらを見る限りにおいては、「包み線」や「はらみ線」という
ローソク足の組み合わせが出現したからといって、
その後、トレンドが転換するかというと、、、ちょっと微妙ですね。
これらのトレンドでは、はらみ線の方がたくさん出ていますが、
はらみ線出現以降もそのままトレンドが継続しているケースが多いです。
書店などで売られているFXに関する参考書などでは、
トレンド中に「包み線」や「はらみ線」が出現したら、
その後、綺麗にトレンド転換するものばかりを載せていますが、
実際の相場で見てみると、、、こんなものです。
正直言って私自身、ローソク足の組み合わせについて、
それほど深く時間をかけて検証した事はありませんので、
私の中で結論が出ているわけではないのですが、
少なくとも私のこれまでの経験則から判断すると、
「ローソク足2,3本の組み合わせだけで
その後のトレンドの継続、転換などの判断は不可能」
という見解です。
サポートライン、レジスタンスライン、トレンドライン、グランビルの法則などと
併せて用いる事でエビデンスのひとつにはなり得ますが、
それを重要視する必要性は無いと思っています。
私の場合、デイトレという短い時間足でのトレードをメインにしているので、
2,3本のローソク足の組み合わせの有効性は、更に低くなると思われますし、
それよりも、
もっと何十本というローソク足が連なったチャートパターンの方が重要
という認識です。
ちなみに、現在のUSJPYの週足チャートでは、
典型的な「包み線」が出現しています。
という事は、今後はトレンド転換して、
週足レベルでの何ヶ月間にもわたる下降トレンドが始まる示唆
と捉える事ができますが、はたしてそのような展開になるんでしょうか?
週足レベルでの包み足ですので、それなりに効くかもしれませんね。
まぁ、私は先の見解の通り、デイトレですし、ほとんど意識しませんが、
スイングトレーダーなら、ちょっと気になるんでしょうか。