トレードをする際に目標を立てる事は良い事ですが、
FX初心者に限って無謀な目標を立ててしまいがちになります。
「勝率は8割くらい、リスクリワードレシオは3を目指して頑張っていこう」
計算上は、PF(プロフィットファクター)=12 になりますね。
。。。無理とは言いませんが、止めておきましょう。。。
無謀な目標を掲げ、その目標に縛られ、囚われ、拘ってしまうと、
知らないうちに無謀なトレードをしてしまいます。
そして、理想と現実のギャップに悩み、早々に壁にぶち当たってしまいます。
FX初心者のうちは、とりあえず少しでも資金が増えている状態であれば
良しとすべきです。
要するに、PFが1を少しでも上回っていれば、
それは資金が増えている状態といえ、当面の目標は達成されたとみるべきです。
あとは、自分のトレード履歴を検証し、PF>1となった要因を分析し、
長所を伸ばし、弱点を補強するようにトレードを改善していけば、
そうした状態を安定的に継続させることもできるでしょう。
しかし、そうしたPF>1の状態がなかなか達成できないんですよね。
トレード手法には、勝率重視だったり、損小利大重視だったり、
さまざまなタイプのものがあります。
また、トレーダー自身の性格によっても、
自分に向いている、向いていない、といった手法との相性があります。
一般的には、勝率重視の手法の場合、
もしくは、勝率が高い手法を構築しようとする場合、
リスクリワードレシオは低くなってしまう傾向があります。
逆に、リスクリワードレシオ重視の手法の場合、
もしくは、損小利大を前提とした手法を構築しようとする場合、
勝率は低くなってしまう傾向があります。
これはチャート形成上、当たり前の事実です。
例えば、利確位置を+40PIPSに設定、損切位置を-20PIPSに設定した場合、
チャート上に特に優位性がなかったなら、
利確位置よりも損切位置の方が近いので、
損切りの方へ早く到達してしまう可能性が高いのは明らかですね。
上記の例では、確率的には、
利確位置の方に先に到達するのが約33%、
損切位置の方に先に到達するのが約66%となります。
トレーダーはこうした状況の元で、
少しでも利確位置へ先に到達する可能性が高くなるような、
優位性のあるエビデンスを積み重ねて、
PF>1の状況を見つけ出さなくてはいけません。
しかし、優位性のあるエビデンスを積み上げれば良い、
という単純な発想では、PF>1を実現できない場合もあります。
例えば、持合からのトレンドへ移行する場面を考えてみましょう。
レートの価格差を利益に変えるFXにおいては、
トレンドは、最も利益が取りやすい状況です。
ですので、トレンド発生の初動からポジションを持つ事ができれば良いんですが、
エントリーするには優位性のあるエビデンスが必要です。
「持合状態から、直近の高値を越えたからロングエントリーした」
というだけでは、エントリー理由としては心許ないですよね。
実際、持合から早期のポイントでエントリーできれば、
その後、トレンドが発生してくれたら、
初動に乗れた分だけ利益が多く取れる事になりますが、
早期でエントリーしたという事は、
エントリー根拠が希薄な状態であることが多く、
ダマシにあってしまう可能性も高くなります。
そこで、エントリー根拠に確信を持てるように、
エビデンスを積み上げる事になりますが、それは裏を返せば、
トレンドの形成を見送る事でもあります。
初動で乗るとダマシが多いので、チャート形成の成り行きを見守ります。
「ボリンジャーバンドが拡大するまで待とう」
「移動平均線が上を向くまで待とう」
「+2σ越えでは反落する可能性があるから少し下げるまで待とう」
「プルバック後の反転上昇が起きるまで待とう」
「下値の切り上げが見られるまで待とう」
などなど。。。
ここまで優位性を積み上げていけば、
トレンドの継続性が明確であると判断できますが、
その分、トレンド形成をそのまま見送っているので、
実際にエントリーした後は、初動に比べて利益幅は少なくなってしまいます。
これもチャート形成上、当たり前の事実です。
早くエントリーできれば、
利益幅が大きいが、その分ダマシにあいやすいですし、
トレンド形成が明確になるまで待ち続ければ、
勝率は高まりますが、その分利益幅は少なくなります。
トレーダーはこうした状況の元で、
トレンド継続と優位性あるエビデンスを天秤にかけて、
PF>1の状況を見つけ出さなくてはいけません。
しかし、PF>1といっても、
トレーダーの性格ごとに、勝率とリスクリワードレシオの最適値はさまざまです。
ネットや書籍でも「勝率9割の手法」「1勝9敗でも生き残れる」
というような両極端の主張があったりしますが、
FX初心者のうちは、あまり偏らないほうが無難でしょう。
まず最初に目指すべき、個人的なお勧めの目標値は
勝率5割、リスクリワードレシオ=1.5
です。
おそらく多くのトレーダーは勝率ばかりに意識が行きがちですが、
順張りのトレンドフォローなら勝率は5割あれば十分です。
それよりも、リスクリワードレシオに意識を持ち、損小利大を心掛けていけば、
マインド形成もやり易く、後々トレードに有利に働くことが多いです。
もちろん先に言ったように、トレーダーの性格によって
最適な勝率、リスクリワードレシオは違ってきますので、
ご自身でいろいろなパターンを検証してほしいのですが、
もしもよく分かっていないのでしたら、まずは、
勝率5割、リスクリワードレシオ=1.5
を目指していきましょう。