損切りを避けることは成功を避けることと同意～負けトレードも必要

損切りを失敗と捉えるとストレスが溜まります。

損切りするたびに
「自分はダメな人間だ」
「自分が悪いんだ」
と自責の念に駆られて精神的に落ち込む人も多いでしょう。

もちろん実際問題として、損切りすると自分の資金が減るので、
良い気持ちはしませんね。

どうしてもネガティブな感情が押し寄せてきますが、
トレードをしていく以上は損切りからは逃れることはできないので、
好むと好まざるとに関わらず、付き合っていくしかありません。

損切りは失敗ではない

まず大前提として、
損切りは失敗ではありません。

どんな一流トレーダーであっても、
どんな専業トレーダーであっても、
頻繁に、当たり前のように損切りを行っているという事実を認識してください。

損切りは必要経費とも言われますが、
勝ち組トレーダーにとっては、
損切りとは
“期待値＞１のトレードを繰り返した結果の産物”
でしかありません。

勝率100％には絶対にできない以上、
どうしても損切りは現れてしまいますが、
勝ち組トレーダーは、
“期待値＞１のトレードをしている”
という自覚があるので、
利確であろうと損切りであろうと、
その結果を”受け入れて“いるんですね。

「今回のトレードでは損切りになったけど、
　どうせトータルでは資金が増えていくんでしょ」
という確信です。

だから損切りに対してネガティブな感情が起きないんです。

逆を言うと、
もしも、あなたが損切りに対してネガティブな感情を持っているとしたら、
もしかしたら、自分が期待値＞１のトレードをしている
という自覚が無いのではないですか？

というか、期待値＞１のトレードを構築していないのではないですか？

自分のトレードの期待値が分からないから、
損切りするたびに不安な気持ちになるのではないですか？

ならば、期待値＞１の手法を構築しましょう。

勝ちたいのではなくデータが欲しいという気持ちで臨む

期待値＞１の手法を構築するには、
過去チャートでの検証を行うことはもちろんのこと、
デモトレード、もしくは、少額のリアルトレードを行い、
実際にその場でリアルタイムで判断を下し、
実際にその場で手を動かしてエントリーと決済を繰り返し、
その手法が本当に期待値＞１であることを確認する必要があります。

最初はデモトレード、もしくは、少額のリアルトレードなので、
金銭的なダメージは少なく、たとえ損切りになってもストレスは小さいはずですが、
それでも損切りを避けたいという気持ちの人は多いです。

しかし、損切りを避けたいという気持ちが強過ぎてしまうと、
エントリーや決済のタイミングがずれて、
手法通りに行動することができなくなってしまいますし、
それ以前に、
エントリーすべきところでエントリーできなくなってしまう危険性もあります。

そうなってしまうと、もはや手法検証の意義がなくなります。

このように、手法構築段階でも、
損切りを失敗と捉える心理、
損切りを避けたいと思う心理の弊害が現れてきます。

では、
どうすれば損切りを失敗と捉えなくて済むのか、
どうすれば損切りを避けたいと思わないで済むのか、
どうすれば手法通りにトレードできるようになるのか。。。

その答えの一つとして私が提案したいのが、
“私は現在、データを貯めるためにトレードしている”
という意識です。

トレードをした際には、当然ながらそのトレードの記録
(時間、通貨ペア、損益PIPS、MAとの位置関係、チャート、等々)
を取っているでしょう。

それらは実際にトレードした事により得られた自分だけの貴重なデータです。

そのデータをたくさん集めれば集めるほど
自分のトレードの傾向が分かり、
データを分析すれば自分だけの勝ちパターンなども見えてきて
次第に勝てるようになっていきます。

つまり、当面の目的はデータを貯めることであって
勝つことではないんですね。

データを貯めたいんですから、中立に、手法通りに実践する必要があります。
つまり、データの中立性を保つために負けトレードも必要になるわけです。

手法を歪曲した勝ちトレードばかりのデータなんて意味がなく、
手法を忠実に実行したことによる
ランダムに発生するであろう勝ちトレードと負けトレードが必要なんです。

そして、勝ちトレードの共通項を探してそれを必須項目にして、
負けトレードの共通項を探してそれを不要項目とすれば、
次第に手法がブラッシュアップし、手法の期待値も上がっていきます。

どの分野もそうですが、失敗しないで成功することなんてできません。
失敗を避けることは成功を避けることと同意です。

たくさん失敗すればするほど、その失敗の原因も分かり、
次回からはそれを回避しようという意識が強くなり、
徐々に失敗の回数が減っていきます。

トレードも同じです。

損切りを避けることは成功を避けることと同意です。

たくさん損切りすればするほどその損切りの原因も分かり
次回からはそれを回避しようという意識が強くなり、
徐々に損切りの回数が減っていきます。

負けトレードを分析することで勝てるようになるわけですから
積極的に、ルール通りに、ドンドン負けていきましょう。